自転車で街のなかを走っていて、「ありゃ?」と気になる存在に、電動アシスト自転車があります。

これがね、なんちゅうか実に妙な存在なんですよ。

パッと見は、普通のママチャリなので、「あー、追い越さないといけないかな?」と思うのですが、近づいていくと、追い越すのはかなりしんどいとわかるんですね。ちょうど25km/時くらいで走ってますから。

まぁ追い越す事もできなくはないけど、追い越してもすぐに追いつかれるのだから追い越しても意味がないというくらいの感じなわけです。

ただ、電動アシスト自転車っていうのは法律上25km/時以上はアシストが切れるんですね。それ以上のアシストをしてしまうと、それは「電気バイク」になってしまうわけです。
こっけいというと言い方は悪いですけど、25km/時を超えたとたんに「世界一重い自転車」に成り下がるわけですよ。とてもまともな人間が乗る乗り物ではなくなってしまうんですね。

なので、電動アシスト自転車は、ハンでついたように、みんな「時速25キロ」です。
で、街なかで、この電動アシスト自転車を上手に使ってるのは、郵便局員と宅配便のにいちゃんですね。
なんちゅうか、華奢な、そんなに力があるとは思えないような女性の郵便局員さんが、荷台にすごい数が入ってそうな大きな荷物箱を積んで、それで時速25キロで走ってるわけですよ。

最初は普通のママチャリだと勘違いしてて、すごいなーと思ってたんですけど、走ってるスピードが、ありえないスピードな訳ですよ。追いつくだけでも大変なわけで。ママチャリでそんな事はありえませんから。それで「ああ、これは電動アシスト自転車なのだな」と分るわけです。

(ようするに車道で自転車を走らせるというのは、そういう巡航スピード間格差を感じつつ走るという事なのです。このあたりは歩行者にも、クルマにも、ガソリンで走るエンジンバイクにも見えない世界の話でしょうねぇ。)

で、それが電動アシスト自転車だと気付いた途端に「ああ、やっぱりプロは賢いなぁ」と思うわけです。なんちゅうかね、小口配達ってものに、電動アシスト自転車ほど最適なものはないですよ。エンジンバイクもダメでしょうねぇ。

だって法律区分的には「自転車」ですからな「一方通行:自転車を除く」を最大限活用できるわけですから。場所がどこであろうが、最短距離を移動できるわけです。一方通行だから入れないという道がなくなるわけです。

でも、スピードは25キロでるから車道を走っても自動車と遜色がない。しかも!なによりうらやましい点ですが、坂道でも平気で登っていけるって事です。
いくら荷物が重くても、電動アシスト自転車ならラクラクですからなぁ。

自転車としては、時速25Km以上の速度が出せないという、かなりお間抜けな存在なんですけど、都市部の小口配送用移動車両という意味では抜群の効果があるだろうなぁと感心してしまうわけです。
自転車扱いだから歩道だって平気で走れるしねぇ。あれは小口配送には最強だわなぁ。つくづく感心してしまうのですよ。

なので、街のなかで荷台にでっかい箱を積んだ電動アシスト自転車を見つけたら、とりあえずその後ろについてのんびり走らせてもらうのでありますよ。

なんでか?

というと実は、自転車にとってかなりの大敵が「空気抵抗」だからなんですねぇ。

別に流線型のボディを持つわけでもない自転車は、実際に走るときには空気抵抗というのが、かなり大きいんです。競輪なんかでも、みんな後ろにピッタリついて縦にならんで走ってますけど、あれがひとつのスタイルなわけです。

もちろん、電動アシスト自転車の後ろについたからと言って、いきなりペダルが軽く回せるようになるわけじゃないんです。でも、そのまましばらく走ってると、1キロなり2キロなりというものを時速25キロくらいのスピードで走っていながら、体力が温存できるんですよ。
つまり「疲れない」んですね。ここがかなり大きいわけです。

巡航速度で25キロを確保したまま1キロなりなんなり走って、それでいて足が疲れていないというのは、実に快適なのでありますよ。でっかい風よけが、自分の前を走ってくれているわけで、これは助かるのです。

このごろは、もうこの「後ろに付く」楽さ加減を知ってしまったものだから、ちょっとのんびり目に走ってるロードバイクとかいてたら、即後ろにつきます。「すみませーん、後ろに付かせてもらいますねー。」っちゅう感じです。電動アシスト自転車も一緒。即、後ろ。

という事なので電動アシスト自転車はけっこう面白い存在だなぁと評価しとるわけです。

(ただ、最近、これも「シロート」の話ですが、モーター付き自転車みたいなのも出てきていて、ペダルも全然回さずに、そこそこのスピードで走るバイクというか自転車があるわけですが、あれがどうにも個人の利用者でマナーが悪くて困ります。あれはかなり悪印象ですなぁ。ようは自分が楽したいという、それだけの我欲で乗ってますからな。あれはいまいち評価したくない。)

で、そうやって街のなかでの走り方のいろいろを見てくるとエンジンバイクが、日々、バカっぽい、憐れな乗り物に見えてくるわけですよ。

あれはエンジン駆動なので、一方通行を逆走はできませんからね。幹線道路を走るしかないわけです。まぁバイクはバイクですから、クルマの間をすり抜けてけっこう気軽に移動できるわけですが、一方通行を守るとなると、かなり自由度がそこなわれますからね。

で、バイクはエコでもなんでもないし、健康に良いわけでもないですからなぁ。そのくせ幹線道路をクルマと一緒に走るストレスだけはやたらと大きい訳でして、良いとこナシなわけですよ。
メリット少ないよなぁって思う。

自転車に乗るまでは、「なんだかんだ言っても、結局はオートバイが一番速くて、都市の王者なんと違うん?」と思ってましたが、そういう発想は、この数週間でまったくなくなりましたねぇ。体ひとつで幹線道路を走る怖さは、自転車以上なわけですよ、オートバイって。あれはスピードが平気で出る分、かなり危険だなぁって思う。

で、オートバイ族って、クルマに対しては弱者な割に、自分より弱者の、ママチャリ・スポーツ自転車・電動アシスト自転車の速度の違いにまでは気付いてない感じなんですね、どうも、見てると。
自分がクルマの間をすり抜けるのに精一杯で、時速25キロ以下の世界に、こういう多様性が生まれてるって事に気付けてない感じが一番強いですね。人種的に。言っちゃ悪いけど、太ってる人が多いのも、オートバイ族の特徴かなぁ。「いや、ああ、うん、あの、そう、アカンと思うで、それ。」って思うのですよねぇ。

太ってるからオートバイに乗るのか、オートバイに乗るから太るのか、どっちかわからんけど、なんかそんな感じがありますねぇ。

というような事で、存在価値として、都市における重要度がどんどん下がってるのがエンジンバイクだなぁと僕は感じてます。いやまぁ、これも、スポーツ自転車に乗ってみてはじめて実感・体感したことで、この数週間での事なんですけどね。ちょっと時代遅れな存在かなぁ、エンジンバイクは。

ついこの間まで、都市での小口配送の王者はバイク(ホンダのカブとかね)だったんですけどな。いまやもう電動アシスト自転車だなぁと。良い風よけになってくれるし、そのところは評価高い。(笑) バイクはクルマと一緒に先に行っちゃうので「仲間」じゃないのですよね。

まぁ、自転車に日々乗ってると、感じる事も日々変わってきますな。
乗るまでは、気づきもしなかった事ばかりですが、いや、実際、面白いもんです。

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