子ども手当は配偶者控除がなくなるから、子どものいない家庭や、すでに子どもが高校生以上になっている家庭では増税になるわけです。

で、いろいろ意見を聞いてみると、増税になる家庭の人も、実は、それは分った上で「子ども手当は良いのじゃないか?」と言ってる人がけっこういてます。

なんでそうなるのか?というと、

(1)同じバラマキでも「国民全員にバラマキ」

だからでしょう。特定の業界にばらまいてきた、いままでのバラマキとはちょっと違う。なおかつ、増税になる人も反対しないというのは、

(2)人口増加はGDP増加に直結する

からでしょう。日本のGDPが下がっているのは、いろいろな理由がありますが、人口縮小経済に突入しているという側面がかなり大きいのは事実です。だから、これが根本問題の解決につながるかも知れないと思うから支持するという人がけっこういてます。

で、こういう事を見ていて、ふと気付いたのが「我々国民だとて、まともな増税策なら反対はしないのだよな」という事です。配偶者控除に児童手当がなくなるわけだから、かなりの増税と考えても良いはずです。
でも、けっこう子育ての終わった年寄り夫婦とかが「まぁ、それは良いのではないか。」と暖かい目で見てます。
それはやはり、税金で金を取られても、それがどこにどう役立つのかがはっきり見えるからでしょうね。

いわば、お店に出かけて、安くて機能の低い商品と、高くて高機能の商品がならんでいて、高機能な商品は値段が高いと、はっきりとわかるからでしょう。

で、そういう事を考え合わせていくと、どうにも消費税というのが「おかしな存在」に思えて仕方ないわけです。
いったい何のために徴収されている税金なのかがはっきりしない。なんだか知らないけれどもドッカンドッカン取られる。なのに、自民党も民主党も「いずれ上げる」と、こう来る。
鳩山さんとて、「4年間の凍結はするが、いずれかの時には消費税上げも考えねばならない」とか言ってる。

いやー、それは納得でけへんなぁ。

だって、子どもが増えるということは、そこで消費が増えるということですよ? それも、半端な増え方ではありません。死ぬまでずっと消費するわけです。ということは、子どもが1人増えただけで、

(3)必ず消費税の自然増収もある。

ということです。
だから、子ども手当を本当に導入するのなら、その子どもが死ぬまでの期間、約80年~100年は「子ども手当による増税効果」が効くはずなわけですよ。

(4)子ども手当による増税効果は80年~100年である。

なら、消費税上げなんか必要ないやんけ。
逆に消費税の減額、あるいは廃止を考えても良いはずでしょう。
子どもが増えるというのは、そのくらいの大きな経済効果のはずです。
だから、子ども手当をする限りは、消費税上げなど、言えないのですよ。

このあたり、誰か試算してくれんかなぁ。税の自然増収。かなり大きいはずやねんけど。
どのくらい新生児が増えたかが分れば、それだけで税の自然増収がパッと出るはずですからな。
そしたら消費税なんかいらんやんけ。っちゅう話です。

だいたい、消費税がこれほど一般庶民から嫌われるのは、やっぱり「なんでも一律」というところに、「しっかり考えた跡がない」という部分なのだと思うのですよ。

なんか官僚が、「不景気になっても、わしらの給料だけは減らないようにする方法はないか?」と考え出した、トンデモ税法としか思えない。
というか、ただそれだけの存在ですな。正直。
ちなみに、この「100年に一度の大不況」時では、各種税収は軒並み下がってますが、消費税だけは総税額が増えたそうです。
なんやと!そんな理不尽な仕組みが、そのままでええと思ってるのか! っちゅうことですな。

「子ども手当」のような「個別課題を解決するために増税を含む政策を実行する」ということなら、いくらでも国民は協力するけど、「不景気の時でも公務員の給料下げがないようにする消費税」などという、「考えなし」「政策なし」の税金は、払いたくなくなるということです。

細川政権の時だって、結局は「国民福祉税の導入」の一言で政権が潰れたんだし、本当に民主党には消費税上げには注意してもらいたいです。



●子ども手当は増税だが、支持された。だから消費税は減額あるいは廃止すべき。



なんですよ。
もし、世の中が不況になって公務員の給料が払えないような状況になったら、その時に対策を考えたらよろしい。(当然、官僚の首切り・リストラという選択肢を含みます。そのくらいのリスクは負えよ、官僚ども。おまえらも日本人なんやから。わかってんの?)

結局、

消費税というのは、「現実問題に対する税による解決策」をスポイルしてしまうことだから、税の仕組みとして間違っているのではないか? と僕には思えてきましたね。
まぁ国家運営を安定させるための目的税という意味はあるでしょうから、ほんのわずかならあっても良いのかもしれませんが、消費税でおおまかに国家財政のあらかたがまかなえる、てなことになったら、それこそ官僚も政治家も、何も考えなくなりますがな。

税の仕組みによって国家の問題を解決していく。
なんてことは、政治の根本課題じゃないですか。

企業で言えば、商品開発して、それをいくらで売り出せばヒットするか?とかそういう話でしょう。
それを消費税に頼るということは、すべての商品が一律100円の100円ショップと同じ事ですから、世の中に100円ショップしか存在しないような、そういうアンバランスな発想にしかならないわけですよ。

そうではなくて、


●しっかり税収の仕組みを考えないと、公務員の給料が減ってしまう。


というような状況こそを作らないと、官僚も政治家もさぼってしまうだけでしょう。
なので、消費税はアカンよなぁってつくづく思ったのであります。官僚や政治家をダメにする税制やね。いやほんまに。これは廃止すべきやと思うわ。

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それと、子ども手当ですが、「子どもを作らない夫婦」は、まぁ自分の選択だから増税は良いとしても、「子どもができない夫婦」にとっては不公平感のかなり強い税制だと思うのですよ。

だから、子ども手当を導入するなら、平行して養子縁組に関する仕組みの強化もすべきだと思うんですよね。
なにより母体保護法(昔の優生保護法です。)を変更して、ここに子育て手当を10か月投入できないかを考えて欲しいですな。子どもが生まれるまでの10ヶ月を国が保証し(あるいは、子どもが欲しいと思っている夫婦が小額でもいいから援助するとか)そこで産まれた子供を養子縁組するような仕組みですな。そういうのを作った方が良いのではないか?って思う。

いま、生涯出産率が低いとか言われてますけど、いまだに母体保護法を前提とした堕胎が普通に行われてるわけです。産婦人科のホームページなんかを見てみれば、そのあたりすぐにわかりますよ。基本は母体保護法では、「母胎に危険がともなうような場合、母胎保護のために堕胎も仕方なし。」という事で堕胎が認められているわけです。でも、これを拡大解釈して、「親が生活苦に陥るから堕胎」になってるわけですね。
で、産婦人科などのホームページでは「断っても、そういう人は他の産婦人科で堕胎をします。それくらいなら、うちで安全にやるほうがより良いと考えます。」というスタンスなわけです。

この部分をほったらかしにしておいて、生涯出産率がうんたら言うのも、かなりおかしいと思うんですよね。
で、それとは別に「子どもは欲しいがなかなかできない」という夫婦もけっこうたくさんいてますし。

ただ、この問題、実は、女性が「自分のお腹を痛めたわけではない子どもを自分の子どもとは思えない」という、けっこう根深い問題があるんですよ。

日本の社会は母系社会でして、けっこう女性の実感を大事にした社会の仕組みになってるんです。

欧米だと、父性社会なので、父親になるに際して別に腹を痛めるわけでもない男の側の意見が大きく影響するわけです。「子どもに罪はない。自分の子として育てよう。」と考えて、それで納得できるのは男ですからな。女性は、ここが納得できにくい。

だから、子ども手当の不公平部分を、多少なりともなんとかしようと考えるなら、ちょっと男が頑張らないとアカンということになるんですよ。
このあたりは宗教観とかを整える必要とかもあるかも知れない問題でして、なかなか難しいんですがね。欧米だとキリスト教が基本的に堕胎を悪と設定してますしな。

このあたりは本当にちゃんと考えて損はないテーマだと、僕は思うのですが。
さて、どうでしょう?

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