えー、おとといロン・ポールに関して書いて、ミクシィと「だいありーのーと」の両方にアップしたのですが、私の言葉足らずで、ミクシイの方では言いたい事が適切には伝わらず、「だいありのーと」では事情を良く分かってる見ず知らずの方から、えらく強い賛同をいただいてしまいました。(sawarbi1972さんコメントありがとうございました。)

僕の気持ちとしては、「知り合いから賛同をもらいたい」という事だったので、「全然目的達成できてないやん、あかんやん」という事なわけですが、これはちょっと説明が大変なので手間がかかるのはしょうがないかなぁ、という感じです。

ということで、まず、ロン・ポールが言ってることで、非常に重要な「ドル覇権の終焉」という演説の日本語訳があるので、それをまずリンクしておきます。(勝手リンクで申し訳ないんだけど。)

国際情勢の分析と予測
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/17e00ac8bbebb39a36575c083c1874be

英語原文はこちら
http://www.house.gov/paul/congrec/congrec2006/cr021506.htm

えー概略、この演説の内容がどういうことかというと、「ドル覇権というものが終わろうとしている」という事なんです。

で、ロン・ポールが人気だ、という事は、当のアメリカ人自身が、ドル覇権を終わらせる事に賛成しているという事でもあります。
そこが大事なところなんですね。

いま石油がものすごく高くなってますが、これは石油が高いのではなくて、ドルが暴落しているからです。
で、実はドルの暴落がドルの暴落と言われずに石油の高騰と言い換えられてしまうかというと、世界的にいままで石油の決済通貨がドル建てだったからです。ドル以外での石油の取引は事実上なかったんです。

でも、とうとうユーロ建ての石油決済をするところ国が出てきて、ドル覇権そのものが危うくなっているというのが現状なんですね。

で、これは、ニクソンショック以来の重要な世界の動きだろうと考えられるんです。

第二次大戦後アメリカは、膨大な「金=gold」の保有量を背景に金との兌換紙幣(金と交換できる紙幣)として、ドルを世界の通貨基軸にすることに成功したわけですが、それをニクソンが「金との交換はやめました」と言ったわけです。

現実問題として、この時にドルには実物経済に担保するものがなくなったので、「ドル覇権」そのものは、ここで終わるのが当たり前だったわけです。

しかし、その後も基軸通貨としてのドルは生きながらえたわけです。

なんでか?

それが実はドルによる石油決済というルールだったんですね。いわば金の変わりに石油で兌換できるという仕組みにしたということなんですね。
石油は金のように金のみで通貨として使われた事もないですし、決済をドルで! というだけでは本来意味をなさないわけですが、アメリカの武力を背景に、他の通貨での取引を認めさせずにきたので、そのうそっぱちが、なんとか数十年は保てた、という事なわけです。

で、いまは、その張り子の虎がはがれ始めた段階だ、という事なんですね。

で、ロン・ポールが言ってるのは「もう、そういう張り子の虎はやめよう。ドルを金との兌換紙幣に戻そう」と言うことなんです。
(実は、この金との兌換紙幣に戻そうというのは「ちょっとそれはしんどいんと違うの?」と僕は思ってますが、まぁ、それは別の話なので。)

ロン・ポールは、現在の金兌換の保証のない「紙切れ」にしかすぎないドル発行はやめて、政府が金兌換を保証した、アメリカ国民にも安心感のある新ドルとの併用にして、徐々に体制以降にしていくべきだと言ってるわけです。

金との兌換時代も石油決済通貨の時代も含めて、ドルはずっと通貨基軸だったので、「なんでもドルでオーケー」という時代が長く続いて、とにかく金が必要なら印刷して刷ればいいじゃん、という実に無責任な体制が定着してしまったんですね。

で、その無責任な体制を、どうごまかしてきたのかというと、他国を攻めて、その国の財産を横取りしたり、あるいは武力を背景にドルを日本や中国などに無理矢理買わせ、それでしのいで来た、という事でもあります。

日本もアメリカに対しては膨大な額の日本円を渡して、それをドルで受け取っています。
だから、ドル覇権が崩壊したら、その日本が持つドルは全部とは言わないまでも半分くらいはパァになります。(そのくらいドルが暴落しても全然おかしくない、という話です。兌換性を持たせずに世界中にばらまいたわけですから、総量はものすごいわけです。その総量に合わせて考えれば、ドル一枚の価値はものすごく低いってことです。)

お金というのは信用創造であり、不換紙幣である方が良いのだという考え方もあるのかも知れません(このあたりは僕の想像で、そういう事を言ってる人がいるのかどうかも知りませんが)。でも、どちらにせよ、紙の通貨は、使ってる人が「こんなもん、単なる紙切れやないか」と思い始めたら、それで価値はジ・エンドなわけです。

で、いまは、ドルに対して、そのジ・エンドと感じてる人が増えてきているという事なわけです。ロン・ポールの人気なんかは、完全にそれです。
そういう意味で、ドルというものを、現状の不換紙幣である状態を何らかの兌換紙幣にして、正常化させよ、とまともな事を言ってるのがロン・ポールであって、これはなんでもない事のようにみえて、実ははっきりと言う事自体に大変勇気の必要な事なのだ、という事ですね。

これが、まず一点です。

で、もう一点話があって、「では、どうやって不換紙幣を兌換紙幣にするのか?」というところで、ものすごく大きなペテンがありまして、そのペテンを見破らない限り、「政府が発行する兌換紙幣」というものが成立しないんですけど、この話の解説もやりだすと長くなるので、また次回。

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