「人買いがイヤだから近代化したのに派遣切りとはどういうことだ。」と思うなら、消費税の撤廃も検討しよう。
たまたま水木しげるの伝記的なマンガである

「のんのんばぁとオレ」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062603330

を読む機会があって、つらつらと世界にはまって楽しんでたのですが、昔は人買いというのが普通にいて、子どもが人買いに売られたりしてたんだよなぁって改めて思った。

水木しげるが子どもの頃に体験したことがベースになってるわけだから、まぁかなり切実な話だったんやろなぁと。実際に見たことがないので良くわからんのやけど。

でも、考えてみたら、テレビ放送と同時に生まれたような年代の僕が子どもの頃ですら、祖父が「あんまり遅くまで遊んでたらコトリがくるぞ。」と言ってたわけだから、僕が生まれる前あたりまで、普通に人買いはいたんやなぁと改めて実感したわけです。

ここでいう「コトリ」というのは、もちろん「小鳥」ではなくて「子取り」または「子盗り」なわけですが、子どもの私は「なんで小鳥が来たら怖いんやろか?」というのがあって、やたらと印象に残ってた言葉なんですね。

女衒とか、子どもを売るとか、人身売買っていうのが昔は普通にあって、で、そのせいで友達を失って悲しい思いをした話っていうのが文学なんかでは普通にあって。
いや女郎屋に女の子が売られるなんてのは、あまりにポピュラーな話題だったわけでしょう。

それが悲しくて、イヤだったから、ミンシュシュギとか、キンダイカというような訳の分らん洋物の仕組みと契約して、「友達をなくしてしまうような悲しい事」のない社会を手に入れようと、我々日本人は思ったわけでしょう。

なのに、いつのまにか、「派遣切り」とか、普通になってしまって、コトリがくるぞとおどして子どもをしつけたり、あるいは「●●したら、××がくるぞ」と、子どもに生活習慣を身につけさせようと自衛していた「生活の知恵」まで失ってしまって、これなら妖怪やらキツネや狸に化かされてた世の中の方がよっぽどましやったやんか、てなところまでおかしくなってしまった。

なんで、そういう生活の知恵まで捨ててキンダイカと手を結んだのやら、ということですわなぁ。

結局、最近の、やたら低賃金で虐げられてる人たちが出てきている事に対する、我々日本人の実感としては、
「人買いがイヤだから近代化したのに派遣切りとはどういうことだ。」
という理不尽さが根っこにあるんやわなぁって思う。
理不尽でしょ、それは。

理屈はわからんけど、実感としてイヤやなぁ、ということだと思う。
大衆がイヤやなぁと思うことは、やっぱりかなり間違ってるって事ですわ。

これが万博より後に生まれたような世代だと、祖父母と暮らすことも少なくなって、コトリや妖怪を生活の知恵で警戒するアタマも持っていない子どもばっかりになって、ハケンギリという新種の妖怪にパクっと食われてしもうたという、そういう事なんやろなぁ。
そんなことを思いました。

とは言うものの、この間読んだ本では、「格差社会というのはウソだ。日本の格差はそれほどひどくはない。派遣が悲惨なのは、格差が悪いのではなく、経済成長率が下がって、民間所得総額が下がり、そのしわ寄せが派遣に押しつけられてるから問題なのだ」ということが書いてあって、ポンと膝を打ったのですよ。

結局、ショーヒゼーという鵜飼いの鵜につけられたヒモみたいなものを武器とする、「自分の食い扶持すら稼がず、まっとうに働く人に寄生するタイプ」のカンリョーという超大型妖怪が日本に跋扈したから、このおかしなキンダイカという西洋妖怪に我々はからめとられてしまったわけですわ。

友達をなくしたくない日本人は、やっぱり人買いやら女衒やらは、すごく嫌いで、だからキンダイカと手を結んで労働基本法をつくったし、なんだかんだ言っても「友愛」とか言う、ものすごくあやふやなキーワードの方がやっぱり好きで、だから鳩山くんを応援してるのに、なのにまだショーヒゼーという鵜飼いのヒモが不況の原因なのだと日本の代表が気付いていないとう、そういう構造だなぁと、思ってるのです。

民間所得総額を上げるためには、やっぱり正しい公共投資が必要やと思うなぁ。

で、そのためには、たとえば、高速道路の無料化は、いくら道路が混んでもかまわんから強行して、で、その代わりにパーキングエリアを山のように増設したり、駐車場を山盛り作ったり、高速道路の途中のパーキングエリアにクルマの預かり所を作って、ヘリポートで近くの駅まで送ってくれるサービス(クルマは代行運転で別便で空いてる時に届けてくれる)や、クルマ用リフトを作って下におろしたり上にあげたりして一般道につなぐような仕組みとかも作って、実質的に大量にクルマを流通させられる仕組みを導入すればいいのだ。
これらのサービスの料金は個別に取って、それに高い税金をかけて、道路整備の財源にしたらいいのだ。

ちゅうか、高速道路が不便になったら、そこにこそ「ニーズ」が生まれるんやから、すごいことですがな。市場ができるんやで?いくらでも稼げるやん。そうしたら成長率も上がるやん。
どっちかというと、そういう事が大事やと思うんやけど。

でも、みんな便利な方がええし、ちょっと高速料金払ってでも、空いてる道路を走りたいんやろなぁ。

なんかシリメツレツになってきたので、ここいらでやめます。

が。

鳩山くん、ショーヒゼーは据え置きとか言わずに撤廃するか、3%に戻そう。

それが外需ではなく、GDPの55%を占める膨大なる個人消費によってまかなわれている日本経済の内需を刺激して、経済発展にもっとも寄与する手法ですぜ。やっぱり。
GDPが増えたら、税収も増える。ショーヒゼーより、税収の自然増収の方がよろしい。

この「自然増収」を目指す事こそが、本来の官僚の役割やと、わかりきったことやのに、なんで誰もやらんし、言わないのか?本分をわきまえないもんは、いつのまにか人の道から外れてしまって人外のもの、妖怪になり果てていくのです。

いまや官僚は官僚ではなく「カンリョー」という超大型妖怪でしかない。

不況の時でも増収になってしまう「消費税のアップ」というカンリョーのエサにしかならんもんを増やそうと言う考えを、どうして誰もが正しいと考えるのか?
このあたりの目くらましを、ちょっとなんとかしたい。

そこいらあたりを、ほんまに真剣に討議すべきやと、私は思いますがねぇ。

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