7月に読んだ本
いつもの今月読んだ本シリーズ。
今月は当りが多かったのでうれしかった月です。読んだのは以下の9冊。いちおう、おもしろかったもの順です。

●落語の国から覗いてみれば
●偽善エコロジー
●人生は勉強より「世渡り力」だ
●いつでもやる気の英語勉強法
●毎朝1分で人生は変わる
●妻との修復
●「世逃げ」のすすめ
●「朝10分の習慣」で1日がぜんぶうまくいく。
●宇宙を味方にしてお金に愛される法則

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●落語の国から覗いてみれば
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062879476/503-1393334-5299133

今月はこれがいちばん面白かったなぁ。今年読んだ本の中でもかなりの面白さでありました。著者は、文春で「ホリイのズンズン調査」の連載を持ってる堀井 憲一郎さん。語り口が楽しい人。

で、この本では落語をベースに江戸時代の生活ってどんなものだったのかを資料や堀井さんの見識を加えつつ整理して、そこから現代をすこ〜しだけふり返るというもの。

素敵だったのは、ホリイさんが、「上方落語と江戸落語のバイリンガル」だってところですね。この手の本の著者って、どっちかの世界しか知らない事が多いんですよ。でも、両方を知っていて「この話ならこの人」とか書かれると、自分の知ってる落語家さんの評価から類推して、自分が知らない関東の落語家さんの実力まで推し量れる。それがなかなかに良いのです。

現代社会のきつさと、江戸時代の日本文化、つまりネイティブな日本の生活感というものを引き比べて「いまは辛いね」とか「昔は大変だったね」とか語る本でして、ほんとうに、実に面白いです。

また詳しいレビューとか書きたいなぁ。

●偽善エコロジー
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4344980808/503-1393334-5299133

これは、レビュー済み。
http://diarynote.jp/d/12917/20080729.html

かなり面白いですわね。
ぜひお読みください。

●人生は勉強より「世渡り力」だ
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4413042042/503-1393334-5299133

これは、知ってる人は知ってる「痛くない注射針」を開発した町の技術者岡野雅行さんの本。

いろいろ面白かったんだけど、いちばん感心したのは、読書に関する、あるエピソードのくだり。

岡野さんは「金型」の技術屋さんで、金型をベースに「プレス」をやってる工場が生産をするわけです。まぁ、鯛焼き屋さんと、その金型屋さんみたいなもので、全然別業種なわけですよ。

で、岡野さんは金型だけでなくプレスにも手を出したかったわけです。でも、プレスの技術を知らない。で、尊敬している先輩に相談すると、「本があるじゃないか。外国のプレスの本を買って読め。」と、こう言われたわけです。
「外国の本なんて、俺に読めるわけがない」と岡野さんが言うと、「お前も職人だ、図面とかイラストとかを見てるだけでかなりわかる。見るだけでも勉強になる。」と言われたので、とても高額な「プレス便覧」という本を岡野さんは買って、20年、毎日眺めて暮らしたのだそうだ。

(引用開始)---------------------
俺は、その本を二十年間、毎日、眺めてすごした。それでプレスの基本も覚えたし、プレスの技術が奥の深いもんだって事も分った。その人がアドバイスをくれなかったら、その本と出会わなかったら、ここまで本腰を入れてプレスの技術と取り組むことはなかったかも知れない。
(引用終了)---------------------

と書かれてます。
いや、まさに「本」というものの素晴らしさを語る名エピソードなんだけど、「あ、この話って岡野さんの事だったのか!と、僕は逆の面から驚かされたのですよ。

この話を最初に知ったのは、神田昌典の「お金と英語の非常識な関係(上下)」を読んだ時でして、神田昌典は、このエピソードを引用して「あなたに英語の実力がなかろうとも、とにかくいきなり英語の書籍を”活用”したら良いのです。発想を変えましょう!」という事を書いてたわけです。

で、僕の好きな齋藤孝さんも、確か何かの本で、このエピソードを引用して、本を読むことの意義の深さを説いておられた。

でも、結局は元ネタは岡野さんだったんじゃないか! とネタバレしたって事ですね。やっぱり「世界初」とか、ガンガンにやってる人は違うわなぁって事です。

知ってるか知らないかは別にしまして、最近の携帯電話が薄くなったのも、実は岡野さんの金型技術のおかげ。リチウム電池を入れるためのケースっていうのを、一枚の板金から、深絞りというプレス加工のやり方で作ったからできたわけです。一枚の板をちょっとずつプレス機で打ち出して「継ぎ目のないケース」を作ったから、防水処理とか余分な工程が不要になって薄くできたわけ。これも世界初なんでしょう、たぶん。

日本の強さっていうのは、実はこういうところにあるんですよ。町工場がすごかったりする。

ま、面白い本でした。多分インタビューによる聞き書きなので、ちょっと内容は薄いですけどな。でも、その分読みやすいです。一日でさーっと読めてしまいました。

●いつでもやる気の英語勉強法
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/453404285X/503-1393334-5299133

今月は、英語の学習工程がガラっと変わってしまった月でして、そのきっかけになったのが、この本。

実は、この本、今年の2月には購入して、7割がた読んでたんです。ただ、読了してなかったので、ここでは紹介してなかったんですが。けっこうそういう本があるんよねぇ。途中で読むのをやめた本が。

で、じゃあ、なんで、いまごろ読了したかというと、いま、先月に引き続いて「早起き」にチャレンジ中で、その関連で、

●毎朝1分で人生は変わる
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4763198181/503-1393334-5299133

という本を読んだからなのです。
で、この本が僕的に、すごくはまった。
いや、こまかい話は書きませんけど、僕が最近いろいろ試したりしているやり方とすごく似たことを、この本の著者の三宅裕之さんは実践されてたんですよ。しかも、僕がいろいろ考えてたやり方より、はるかに洗練されたやり方で。
なので「あ、こりゃすごい」と思って読んでたのですが、そのうち、いろいろなエピソードが、どうにもどこかで聞いたような話になってきて、そこで初めて気がついたのですが、実は上記の「いつでもやる気の英語勉強法」も同じ三宅さんの著書だったわけです。

で、そう気付いたから、あわてて、「いつでもやる気」を読み返しまして、そこに紹介されてる「この教材は良かった」と書かれてた教材を実際に書店で購入して読み始めたわけです。

そしたら、もう。目ウロコ! 「ああ、そうか! こういう風に練習したら良かったんや!」というような事とか「そうか、うまくいかなかったのは、これがいかんかったのか!」という事とかが、それぞれの教材にしっかりとわかりやすく書かれてるわけです。

すごいじゃん、これ。

ってなもんなんですが。

でも、三宅さんという人、「この教材が良いですよ」とは言ってくれてるんだけど、「どう素晴らしいのか」にまでは、あんまり言及されてなかったんですよね。なので、軽くサラっとスルーしてしまってたわけです。

やっぱりねぇ、「良い」と書かれてるって事は、やっぱり良いのだから、キチンと受け取らないとダメですわねぇ。いやー表面だけ見てたなワシ。反省反省って感じなのです。

ということで、英語に関しては根本から学習予定の変更が起こってしまいました。このあたりは、またおいおい。

●妻との修復
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062879344/503-1393334-5299133

この本もすごく面白かった。夫婦仲がうまく行ってないご主人! 読んでごらんなさい! まぁ面白いから。

●「世逃げ」のすすめ
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4413042042/503-1393334-5299133

えーと、この本もなかなか素晴らしかったです。日本人にわかりやすい口調で宗教のあり方、捉え方、活かし方をサラっと書いてくれてます。
僕的には、キリスト教の予定説を「予定説」という言葉すら使わずに上手にかみ砕いて説明できてるところに大感心しました。

勉強とかお金とか、見栄えに知名度。そういう世間のものさしとは別に、もうひとつ別のモノサシを持ちなさい、それが「心のやすらぎ=宗教」なんですよ、という事を書いておられる本です。

で、「仏のモノサシ」には目盛りがありません。天皇さんのいのちとホームレスのいのちはどっちが重いかなんて測れないし、測ってはいけないのですよ、と、こう説明されてるわけですね。

で、「仏のモノサシ」は「何だってよいものは、何だってよいのだ」という基準であり、これが「キリスト教のモノサシ」になると、おなじように目盛りはないのだけれど、「神がいかなる判断をくだされるかは、人間にはわからない」と言うことになる、という説明なんですね。

ああ、見事だ。
仏教とキリスト教の違いと実用性を、実にシンプルなたとえ話にまとめておられる。

で、この著者の「ひろさちや」さん。実は日本のお坊さんたちの事はボロクソに言うてはります。
いやまぁ、その通りなんだけどね。
ボロクソに言われてもしゃーないんよなぁ、日本の坊さんたちは。

個人的に素晴らしい僧侶さまも、いてるかも知らんけど、いろんな意味で日本の寺社仏閣はボロボロであります。「目盛りのないモノサシ」としての安心感自身がない。ようは、人の心の闇を救う能力自体が、すでにないって事ですね。

それは廃仏毀釈のせいであったり、檀家制度のためであったり、いろいろな事はあるんだけど、とにかく、日本にはまともな「機能する宗教」ってのがないんです。それが事実です。人の心の闇を救えない。救う能力と思想基盤がないんです。
だから年間3万人も自殺者が出るんですよ。

こういう状況であるにもかかわらず、そういう心のセーフティーネットが存在してないのが日本なんだ、という事を、まぁ、一般の普通の日本人は気付いてもいません。
そういう状態こそが、かなりあやうい状態なんだけど、でも気付いてないんだからしゃーないわなぁ。

そういう話であります。
うまく「世逃げ」ができてればいいんだけど、まぁたいていは無理ですわなぁ。
こういう事を言っても、わからん人には全然わからんし、トンチンカンに、お守りとか持って安心したつもりになってたりするんよなぁ。

やれやれ。

●「朝10分の習慣」で1日がぜんぶうまくいく。
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4763198181/503-1393334-5299133

えーと、この本も「早起き」関係で読んだ本です。まぁまぁ面白かった。

●宇宙を味方にしてお金に愛される法則
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4877712194/503-1393334-5299133

えーと、この本は例の「引き寄せの法則」系統の本です。この手の本を読むのは、まぁ私の趣味みたいなものでして。あー、そうか無意識に、「宗教」の代わりにしてるのかも知れません。はい。

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