怒涛の入院体験記(1)

2001年5月26日
25日の金曜日、明け方近く。仕事を終えて、帰宅する。

どうも体調がすぐれず、とくに腹具合がよろしくない。なのでとりあえずトレイに入ると、便がやたらと黒い。「うぬ?どこかでヘンなものでも食ったか?」と思ったが、とにかく、風呂に入りたくてたまらず、風呂に入る。

しかし、風呂に入ると頭がクラクラしていけない。なんだこれは?

ちょっとヤバイと思ったので、とにかく横になって家庭の医学の書を読む。

便が黒い。どうもこれは下血だ。下痢便なのはどうやら流行りの風邪らしい。あたまがフラフラするのは風邪のせいだな。では下血はどこからだ?

読むと黒い色は距離があるからだと言う。ということは、胃か? でも、固い便も多少は出たが縦長に2色に割れたように色がついていた。ということは腸で血が出とる。

黒い下血で腸となると、十二指腸か。ということは、十二指腸潰瘍だなと見当をつけ、手当てなど読むとストレス性となっているからゆっくりするだけ。
うーむと考えて、とりあえず寝ることにする。とにかく寝てなかったのだからそれでしんどいってのもあったのだ。

で、1日まるまる寝倒す。連続13時間くらい寝る。下痢もしてるから、食べる気にもならず、スープを飲む程度にしていた。

そんでもって土曜日の夜中1時に目がさめるが、まだ本調子にならない。とりあえず横になっているが腹具合も落ち着かない。

8時ごろになって便意を催したのでトイレに入る。下痢のときはできるだけ便意をこらえた方が良いので昨日の朝以来のトイレ。

また、タールのように黒い便だった。なんじゃこりゃ。と松田優作みたいな気分になる。昨日よりひどいじゃん。やばいんと違うん? と不安になる。

なにより、トイレで座ったままだったのに、立ちくらみのような貧血状態になる。頭がフラフラだ。

これはおかしい。そうとうにヤバイのかも知れない。十二指腸潰瘍ではなかったのかも? と不安になる。

とりあえず病院に行こうと決めるが、この近所のことは引越ししたばかりで、いまひとつわかっていない。町医者の大きいところと市民病院があるのは前を通って知ってるけれど、どっちが良いのかもわからない。正確な場所も不明だし、位置をタクシーの運ちゃんに伝える自信もない。

そのあたりこのあたりに前から住む弟のたま氏に聞いた方が良いかもと電話する。というより、実は頭がフラフラしていて、ひとりで出かけるのが少し心配だったのである。チマチマしたことを判断したりするのが面倒になってきてた。

(このあたりは、たま氏の日記リンクを参照してください。)

とりあえず、迎えに来てくれることになったので、それからやっと少し落ち着いて、「そうか、出血多量で貧血状態なのか。それでフラフラするんだ。」ということに気付く。「頭のフラフラは風邪ちゃうやん!」と気付く。ここまで来ないと気付かないという事自体が怖い。頭が回ってないのだ。

鏡を見ると真っ青というか真っ白な顔色の自分がいて、やっと事態を把握。どひゃ〜、これはヤバイわ。唇真っ白。

たま氏のバイクで市民病院へ行くが土曜日は休診。もう一軒の町医者の方に向かう。ひとりでタクシーで来ていたら、ここでめげて座り込んでしまってたろうなぁ。

町医者とはいえ、そこそこ大きい医院で、けっこう人もたくさんきている。診察してもらうと、「下血?」と、ほんまかいなという顔をしている。このあたりの反応は町医者。下血なんてのは、そうそうないんでしょうなぁ、事態として。でも、やばいと思わなかったらわざわざ来まへんって、私は。とか思う。

「ほんとうに下血してるなら、手をだしてごらんなさい、そうしたら、赤い色がなくて・・・あら?」と、手の色を自分のと比べて、それではじめて「白いやんけ、この人」と驚いてらっしゃる。可愛らしいお医者さんやなぁと思う。

でも、そこから後はプロですな。即、尻の穴に指をつっこんで便の色を確認、至急に輸血の必要があるかも知れないし、悪くすると大腸ガンの可能性もあるし、そうなると一刻も早く手術をする必要があるから、回りの看護婦をどなりちらして急がせて総合病院への移管の手続きをテキパキとしてくれる。椅子にも座ってなかったもんなぁ。バッと部屋から出て連絡とかしてくれてたみたい。

「弟と来てるんです」と言うと、すぐに呼んでくれて、「これは命にかかわる。緊急に入院が必要じゃ。出血が止まらんかったら輸血して、どこで血が出てるかわからんかったら、、めくらめっぽう腹切らんとならん、すぐに総合病院へ行け!」と、ものすごく怖い顔して怒ってくれはりました。うむ、この人信用できるなぁという感じ。生きて帰って来れたら、この病院をかかりつけのお医者さんにしようとかノンキなことを考える。

このあたり、すでに頭がフラフラなので、逆に妙に肝が座ってしまっている。死んだら死んだ時のこっちゃ。とか考えてる。そうとう血が足らんかったんやねぇ。

ということで、この続きは日曜日の日記に続く。


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