今日は、権之助さんの日記に書いたコメントをちょっと修正して書いてみます。

言いたい事は、「自分の問題点は、意外に自分ではわからない。だから注意深く自分を知ろう。」という話です。
もともとは手帳の使い方の話で、「手帳は自分の未来を創るモノ。日記的にこちょこちょ書いていても意味がない」といような意見を書いている有名人がいた、というところから話ははじまっております。
「いや、日記とか自分の記録をつけることこそ、未来を創る最重要の行為じゃないか。」という事を僕は書きたかったわけです。

(その人は「ほぼ日手帳」を批判してたようなんですけどね。まぁ僕も「ほぼ日手帳」は支持しないんですけども。あれは振り返りをやろうとすると大変なので、あまりよろしくないです。)

最近では自分の生活記録をマメにつける「ライフログ」というのも流行ってますし、まぁそういうたぐいの話です。

以下転載----------------------

ただ、僕の体験からいうと、「ライフログ」というのは使い方次第でものすごく効果があると思ってます。それこそ、例の「いつまでもデブと思うなよ」のレコーディングダイエットじゃないですけど、自分の客観的状況の把握というのは、恐ろしいくらいに「将来」に対して現実的な効果があります。

岡田斗司夫さんは、「毎日何を食べているか」をキチンと記録することでデブから脱却したわけですけど、僕は毎日睡眠時間を記録することで長年の寝坊癖を克服することができたんです。

自営業で、別に出勤時間が決まってるわけでもないですし、急ぎの仕事があれば、徹夜してでも仕上げないといけないという生活をしているので、気を抜くとすぐに昼夜逆転の生活になってしまうんですね。それがもう20年も続いてしまったんです。
いや、それどころか、普通に会社員で仕事をしてたときもライティングの仕事だったので、夜遅くまで原稿を書いていると興奮して寝付けず生活時間がガタガタになって遅刻しまくりで、それで会社をクビになったことすらあったわけです。

ですが、最近はそういうことがほとんどなくなりました。自分で睡眠時間をコントロールできるようになったんですよ。
それがどうしてそうなったのか?というと、自分の睡眠のサイクルを把握することができるようになったから、なんですね。

寝坊や遅刻でさんざん悩まされたので、いろいろな睡眠に関する書籍を読みまくりましたが、そこには「睡眠サイクルは約90分。このタイミングで起きればスッと起きれる」というのが書いてあったわけです。

これは最良の解決策だ!と思って90分で睡眠するというのを30代で試してみたのですが、全然ラクじゃなかったんですね。なので、理屈としては理解してたけど、机上の論理で終わってたんです。

40過ぎて、「このまま睡眠時間のずれた生活がいつまでも続いたら、本当に幸せなんか得られない。」と思った時に、何の根拠もなく、「ええい、もうどうにでもなれ。寝たい時間に寝て、起きたいときに起きてやる。」と、自暴自棄を、あえて積極的にやったんですが、その時に「どこまで荒れるのか記録しとこう。」と、寝た時間と起きた時間をていねいに記録するようになったんですよ。
いや、最初は起きた時間だけだったんですけど、何時間寝たのかも知りたくなって寝た時間も記録しはじめたんです。

で、そのうち、睡眠時間が短くても、スッと起きられる日があるということに気付いて、何ヶ月か書きためた睡眠時間をよくよく見てみると、

●私の睡眠サイクルは90分ではなく80分だった!

ということがわかったんですよ。
確かに「約90分」ではあるんですが、80分と90分では大違いなんですね。だいたい4サイクル寝ると90なら6時間ですけど、80分なら5時間20分です。40分も差が出る。

これがわかってからは、多少徹夜などの無茶な事をしても、4サイクル寝とかを間にはさみながら、一週間で普通の睡眠時間帯に戻すとかが無理なくできるようになったんです。それはもう、睡眠時間のコントロールが出来ず、遅刻ばっかりしていた頃とは全然違う。画期的に思い通りに対処できるようになってきたわけです。

この「自分だけの睡眠サイクル」を発見するまでは、それこそ「朝起きれない」というのが自分の欠点として、ほとんどトラウマになってましたから。自分だけの問題に自分で気付かないかぎり、これは解決しなかったわけです。

で、その解決のきっかけは、「毎日キチンと自分の行動を詳細に記録したから」であり、なおかつ、その長期の行動を、後で分析したからなんですよ。

これはもう、劇的に変わりましたから。
自分自身の記録をキチンとつけるというのは、強力な力があります。
ですから、「日記程度」とかバカにしてる言説を見るとかなり腹が立ちます。「テキトーな事言うなよ」って思う。
僕の睡眠記録だって、最初から振り返りを意識して付け始めたわけじゃないんですもん。ふりかえるためのちょっとした手がかり程度でやってたことなんです。
でもそれが、問題の本質を根本から解決する大きなきっかけになった。

だから記録は超重要です。
ここのところがわかってない人は、はっきりバカだと思う。許せなく感じてしまうんですよ。
「知りもしないくせに適当な事を言うな!」と思ってしまう。
90分と80分では全然違う。一般人向けの「約90分」では意味をなさない「私の場合は80分」というのが大切なんです。そこがわからなければ、実用性など一切ありません。一切ないんですよ。

転載終了--------------------------------

という事ですね。

ようは、「自分の現実を知る」ということです。

人間の顔というものは、目と耳がふたつずつ、口と鼻がひとつあるという意味では誰でも同じで「人間の顔なんてみんな同じ」と言えるわけですが、その「みんな同じ」が実は「全部違う」ものでもあるわけですね。会社の仲間と家族ではみんな顔が違う。区別ができる。同じ顔の人がドッペルゲンガーとか、他人のそら似とか言って驚くくらいです。「みんな全部同じなのに、みんな全部違う」というすごい事が普通に存在しているのが、この世、現実というもののすごさです。

●パーツの数や位置はみな一緒。でもサイズやバランスは全部違う。

ということですね。
この事実認識こそが「正しい現実把握」ということになります。

だから、

・人間の顔なんて、みんな一緒
も、
・人間は全部みんな違う
も、

どちらも極論だ、ということになります。現実というのは、もっともっと多様でありながら共通項もあるという、すごいものなのです。

だから人間は、この「全部同じ」も正しく知っておくことが大事だし、「みんな違う」も自分でキチンと把握しておくことが大事なんですね。現実に対処する、というのはそういう事です。

ただ、「自分を知る」というのは上記で書いたとおり、意外に大変なんですね。「世間さまといかにずれているか?」と言うことは、自分で注意深く自分自身を観察していないと、なかなか気付けないわけです。

僕の場合の話をもうひとつするなら、虫歯が痛かった、という話もあります。

歯医者で虫歯治療をしたのですが、治療したのに、やたら痛かったのです。仕方ないので歯医者さんに行くと、「おかしいですね。もう神経は抜いてあるから痛みが出るはずがないんですけど」と言われました。

で、レントゲンを撮り直したら、どうやら僕のその歯に限っては神経が二股に分かれていて、その片方が残ってしまったのではないか? という事でした。

そら痛いわ!
神経残ってるんやんけ!

ということですね。

でも、神経が二股になってるなんて、知らないし。医者にだってわからんわなぁ。そりゃしゃーない。普通は二股になんてなってないんやから。僕だけ特別やったんやから。そらしゃーない。痛かったけど、それはしゃーない。自分が特殊だったからと言って、この歯医者さんがダメ医者だったわけじゃない。(ところが、こういう事があると、医者をダメ医者と判定するような人もいてます。それはどうだろうか。)

実際、その時の対応が誠実かつていねいだったので、僕はもうずっと、この歯医者さんのところに定期検診で通っているくらいであります。

ともあれ、私にとっては、

●世間では睡眠サイクルは90分。でも、私は80分。

●一般的に歯の神経は一本筋。でも、私は二股。

という事自体が大事だったわけです。

睡眠時間の事ではものすごく苦しんだのですが、それでも睡眠サイクルの存在を学習し、自分の睡眠サイクルが80分であるという事を自己確認できれば、問題は解決したわけです。正直、この問題解決だけで20年以上かかってしまいましたが、それでも解決はした。

歯の痛みだって、「二股なのではないか?」という歯医者さんの推論のもと、もう一度神経を抜く治療をし直したら痛みはなくなりました。「もしかしたら、こうなってるんじゃない?」と仮説を立てて、それに沿って対処していけば、仮説が外れることもあるけれども、いずれ問題は解決する、ということなのであります。

自分自身が持つ問題点に、自分で気付けないかぎり、実はかなりいろいろと苦しまなければならないと言うことは多いのです。
で、その問題の渦中にあるときは、世間に対して反感を持ったり恨み言を言ったりしてしまうものなのですが、それはやっぱりちょっと違うんですよね。
単に、「自分の持つ問題点に気付いてないだけ」なのではないか? という視点も持ってみた方が良いのですよ。

で、その問題点がわかれば、実は今の世の中、対処法というのはかなり充実してるわけです。問題点さえはっきりすれば、解決までは一直線ということも多々ある。

だからやっぱり「自分を知る」という事が、何より重要で、そこを多くの人に意識してもらいたいと僕は思うのであります。

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