ずいぶん長い間、この日記を書かないままにしてました。
まぁなんせ、震災はあったわ、原発はぶっ壊れるわ、プライベートでも葬儀があったわ、風邪はひくわで、まともに考える時間自体がとれなかったのであります。

ちゅうことで、今日は概略だけ、ちらりと書くことにします。

原発事故による今後の電力供給をどうするか?という話ですが、先に技術的な話と必要電力の事だけ確認しておきます。

基本的に、


●原発がなくても電力が足りなくなることはない。


ということです。
これはいろいろな側面から充分に考えられることでして、それほどおかしな意見ではありません。
いま東日本では電力不足で計画停電が実施されたりしてますが、あれは別に原発が壊れたから、という単純な事ではなくて、火力発電所や、途中の送電施設など、多様な電力システム全体がやられたから、というのが一番大きな理由です。
しかし、この肝心なことを、あまりテレビでは言わない。原発のニュースをバンバンやって、次に計画停電のニュースをやって、という順番になると、どうしても「原発が壊れたせいで電力不足」という風に思いこまされてしまう。
ここがかなり問題です。

いま現在、日本人の多くはテレビを主たる情報源にしていて、とくにこういう震災の時などは、速報性で勝り、映像というセンセーショナルな手法を使う媒体にたよりがちになってしまうのですね。

しかし、多くの皆さんに伝えたいのですが、基本、


●東京電力はテレビ局の重要スポンサーである。


ということです。
だから、東京電力に不利になる言説はテレビには全然登場しないのですよ。東電の副社長ばっかり出てきて、社長が全然顔を出さず、会長のカツマタ君という化け物が登場するまで、テレビでは「どうなってるんだ東電!」の声すらあがらなかった。なんだこれ? あまりにおかしかろう。この国難のさなかでも批判すべきを批判できないテレビ。話にならない。


で、このことに関してもっともっと明確にしたいのは、


●日本のマスメディアは「編集権の確立」がなされていない。


と言うことです。

編集権の確立というのはどういう事かというと、「コンテンツ内容が経営権とは連動しない」ということでして、たとえばスポンサーに不利な情報でも、番組制作上必要なら放映する、ということです。

残念ながら、この重要な機能を日本のマスメディアは持っていません。
欧米の新聞社とか出版社は、多くの場合、経営権と編集権は、完全に独立していて、いくら経営側が「東京電力を悪く言うような情報は流すな」と言っても、編集側は「それは出来ません。記事を作成する上でどうしても必要ですから情報として流します。」ということができるわけです。

でも、日本のマスメディアがそれができない。

だから、いまだに、原発の情報をテレビで流しても福島第一の3号炉がMOX燃料(プルトニウムを混ぜたプルサーマルという奴)を使っていて、再臨界(悪くすると核爆発?)の危険があるという話は前面には出てこないわけです。
(いや、まぁ、実際にはプルトニウムがかなり一カ所に集約しないと再臨界は起きないようなので、可能性は低いようですが。)

このあたりの情報は、「もっと知らせるべき情報」のはずなのに、テレビでは全然流れないわけですね。
で、その流さない理由として「知らせてパニックが起きたら、その方がよほど問題だからだ」という言い訳をメディア側はするわけですけど、ウソつけ!と思う。
最悪の事態がどうなのかを知った上で、自分の行動の選択をすれば、安心して暮らせるけど、なにがなんだかわからないままだと、不安ばかりでどうしようもなくなるのだ。それはちょっと嫌なんだよ私は。
そういう事なわけです。

ということで、いま日本人の多くの人が「原発の情報は8割をテレビに頼っている」という状況があるということ自体を、私は大変憂うのであります。

ということで、テレビに出ない重要情報を以下にいくつか並べます。

●2003年に原発の点検のために17基の原発が一斉に止まったが停電は起こらなかった。

http://ameblo.jp/tensaij/entry-10833696958.html

東海村原発事故の年ですね。原発止めても大丈夫です。問題なし。

それから、必要電力が6400万キロワットで、供給できるのが4000万キロワット、各種の休眠中の火力を復活させて5000万キロワットで1000~1400万キロワットくらいが不足する、てなことを言っていて、まぁおおむねウソではないとは思うのですが、この数字を私は、ものすごーーーーーく眉唾だと考えております。

というのは、電気というのは、電線を通して供給する限り、必ず電線による熱放出ロスが発生するからです。その比率は30%とも40%とも言われてます。ここで話題になっている電力量は発電所の供給能力の単純加算でしかないから、実際に電気を使用している現場では、この7割くらいしか必要としてないはずなんですね。

だから、「中央で一括して発電して、それを電線で一括供給する」という仕組み自体を見直すということをすれば、かなりの無駄が省けて、充分に電力はまかなえるはずなんですよ。

たとえていえば、コジェネレーションシステム。コジェネとも略されてますが、電熱併設とも言うのかな? 大型のショッピングセンターとか、地域電力システムとかで採用されているところも多いようです。これは単純に言ってしまえば電気の地産地消で、必要な場所で電気を作り、その地域や施設内で「効率的に」供給するという仕組みです。

「効率的に」というのは、発電の時に発生する熱をお湯の供給やら、ヒートポンプを使って冷房やらにも活用するという仕組みでして、元のエネルギーから使用状態に持って行くまでの効率がものすごく良いわけです。
デメリットとしては、いわば発電所が足下にあるわけですから、地震の時に火事に見舞われる率が高いという事です。でも、これは規模が小さいから前もっての対処もしやすいはずです。

このコジェネを、別に石油で動かす必要もなくて、ガスタービンとかで回す方法だってあるはずなんですよ。なんなら石油と天然ガスの併設にしたっていいでしょう。その方が管理は大変だろうけど、一気に全面ストップするという危険は避けられるわけです。

ガスに関して言えば、家庭のコンロの根本まで、少なくとも熱放出ロスは使わずに供給されてます。(そのかわり、これも地震の時にはガス噴出→火事のリスクはある。)

このあたりの地域電力システムみたいなのが、なんで成立しないかというと、それこそ日本の電力会社が「地域独占体制」だからなんですよ。

僕はまだ勉強が追いついてないので、詳しくはないですけども、海外の場合は「発電・送電・配電」が厳しく別権利として分割されてるようなんですね。
それは多分、上に書いた「編集権の独立」と言うことと同じ事です。

電気というのは、いまだに効果的な蓄積手法が見つかっておらず、(せいぜいリチウム電池くらい。今後の電気自動車に期待したい。電気自動車では使えなくなった電池を家庭用としてなら使えるからリサイクルするという計画がすでにあるようです。)送電線で発電所を結びあって、電気のやりとりをして、必要なところに送電するという仕組みが、どうしても必要というのはよく分かるのですが、それはあくまで「送電システム」として独立してればいいことで、家庭用の太陽電池の余った電気を購入する事と、原発の電気を流すことを、両方同じ「電気」として差別せずに扱うという責任が電力会社に発生するように、仕組みから変えないといけないはずです。

でも、そういう事が、テレビでは全然話題として出てこない。

どういうこと?

いや、それどころか、ラジオで、「東京電力は問題だ!」と発言しただけで、あの上杉隆は番組を降板させられちゃったんですよ。

■上杉隆 緊急インタビュー
http://www.timeout.jp/ja/tokyo/feature/2754

たかがラジオで、これですよ。どう思います? みなさん。 テレビなら推して知るべしであります。

だから本当に、テレビというのが、いま日本人にとっては、大問題の存在なんです。情報を握られてしまっているという大問題。ここのところにこそ、するどく気づいて欲しい。

とにかくいまは、ネットのいろいろな情報をまめに漁り、どの情報が正確度が高くて、どの情報が正確度が低いのか?ということを、自分で体当たりで調べていくしか、他に方法がないのです。
あと書籍とね。書籍は読むのに時間がかかるのが辛い。

それから、電気供給量が足りないと言う話で出てくるのが夏場だ、ということがありますが、基本的に原発は「ピークの解消」に効果的というだけの話で、夏場のピーク電力自体が年に一回の特別なことなんだから、そこにすべてを集中して電力形態を整えるという発想自体がおかしい。

なんでそういう体制になるかといえば、一言で言えば、


●そうしたほうが電力会社が儲かるから。


でしかないんですけど、その話は置いておきます。
それよりも、言いたいのは「ピークをいかにやりすごすか」の施策はいろいろ考えられるということですね。

まず工場などがサマータイムとか土日操業とかでピークをずらすと言う手がありますし、夏のピークが「甲子園の高校野球をクーラーの効いた部屋で見る」という事で生まれている要因が大きいのだから甲子園を秋口にずらしてやってもらう(今後永遠に)というのも手です。

しかし何より、ピーク時の電力供給という観点でだけ見れば「太陽電池」ほど効率的なものはないはずなんですよね。太陽が照っていれば、発電量も増える太陽電池。まさにピーク時の電力の枯渇を補うには最適です。

なのに、こういう「ピーク時の緩和策としての太陽電池」という視点が全然語られない。なんで? たぶんそれはやっぱり「ピークのために原発がある」という事になってるからでしょう。ちょっとまってくれよー、それは理屈としておかしかろう。

あと、待機電源のムダなんかも原発と直結している問題やねんけどなー。

・電気保温ポット
・電気炊飯器ジャー
・便座ウォーマー・ウォシュレット
・テレビがボタン一つでパットつく

などなど。
こんなもんいらん。
ものすごく小さいメリットのために原発をずっと動かして、危険を抱え込んでるわけでして、まさに愚の骨頂。

ウォシュレットなんて、トイレに小型スプレーを用意して、水をいれておいて、トイレットペーパーにシュッと一ふきすれば、充分に代用になるし、便座ウォーマーは「はってはがせる便座カバー」のたぐいで充分に代用可能。
電気炊飯器などより圧力鍋の方が、利便性も時間の活用もおいしさも圧倒的に上だし、お湯をわかすのも最近はやりの「大電力で一分でお湯が沸く」タイプのもののほうが利便性も高いしムダも少ない。ちゅうか、1人分のお湯ならガスコンロで湧かした方が速いよ。

こういうことも、キチンと反省せねばなりませんわね。

ともあれ、そんなこんなを見ていけば、数字的にも、仕組み的にも、原発なしの電力供給というのは充分可能です。

しかし、そこに行き着く前の問題が、あまりに大きい。

それは、


●情報の独占体制をいかに崩すか?


ということです。
こっちの方が、はるかに重要。

でも、それを言う人も少ないし気づいていない人の方がはるかに多い。

だから「嫌いだけどしょうがないよね原発」になっちゃってるし、多分日本全体がそうなっていくんでしょう。
だってみんなテレビしか見てないもん。

あかんねんってテレビは。ほんまに。

しつこく言うけど。

テレビがあかん。
テレビを消せ。
それが一番の節電だ、っちゅうことであります。

コメント

オサム
2011年4月5日18:02

シゲさん
洞察力と論理展開力、確実に上達していますね。(*^-^)b
ご無事で何よりです。

nophoto
ペルソナ
2011年4月7日17:33

久しぶりです。

原発に関する言論統制があまりにも露骨で危険になってきたので
君とは「一次休戦」です。

4月6日、総務省が、あろうことか「東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応に関する電気通信事業者関係団体に対する要請」という言論統制を発表しました。

以下引用
---------------
地震や原子力発電所事故に関する不確かな情報等、国民の不安をいたずらにあおる流言飛語が、口伝えや電子メール、電子掲示板への書き込み等により流布されており、被災地等における混乱を助長していることから、このような流言飛語に惑わされることのないよう、関係省庁が連携して、広く注意喚起のための措置を講じる。
特に、インターネット上の流言飛語については、関係省庁が連携し、これらの実態を把握した上で、インターネット利用者に対して注意喚起を行うとともに、サイト管理者等に対して、法令や公序良俗に反する情報の自主的な削除を含め、適切な対応をとることを要請し、正確な情報が利用者に提供されるよう努める。
また、国、地方公共団体等は、あらゆるメディアを通じて信頼できる情報発信に努める。
---------------

インターネット上の書き込みは問題で、だから「メディアを通じて信頼できる情報発信に努める。」だそうだ。
あれだけ
「原子炉は大丈夫」と報道してきたマスコミこそ、いらずらに”安心を煽った”だけだろう。記者クラブに属するごく一部のマスコミだけが官製報道を繰り返している構造(その背後にある経済構造)こそが問題であり、ネットはそこに風穴をあけているだけです。

取り急ぎ、信頼できそうなソース一覧をまとめたのですが、URL禁止なのでアップできません。送る方法はありますか?

シゲ
2011年4月8日1:01

>ペルソナさん
おひさしぶりです。
原発に関する原論統制は一定の調子でずっと変わらないですね。ずっと「安全デマ」という色調は帯びたままです。
でも、それがマスメディアの限界という気もしますが。

それと原論統制は原発だけでなくて、多種多様な項目におよびます。いまにはじまったことではないです。
インターネットに対する「問題視発言」が先に来る態度も相変わらずです。いままでマスメディアがネット批判より先に「ネットの賢い使い方」を提案したことはまったくありません。その段階でマスコミの利便性は全然なしです。

ともあれ有用情報は大歓迎です。
で、ここのコメントはurl禁止です。
wwwあたりまでを省略してUPしてもらうしかないので、よろしくです。

きゃおる
2011年4月8日9:06

あれー、ペルソナさんだ。
10年くらいぶりにお名前見たかもー(^_^)
相変わらず読みやすいコメントでホッとしたりして。

ところでネットの風穴といえば、Twitterだとおもうのですが、
意外とNHKのかぶん(科学文化部)のツイートが、なかなかやってくれてる様子はご覧になってますか?
やればできるんだろうな、メディア。と思いながら見ています。




シゲ
2011年4月8日13:25

>きゃおるさん
書き込みありがとう。

「やればできる」のは確かです。NHKに限らず、どこの局でも「やればできる」のです。しかし問題は、報道に関しては時には経営層とかの「上と戦う」という事も必要で、それをやる気概のあるチームもあるけれど、そういうチームが少数派であり、上記の上杉隆さんのように、上からの圧力で降板などというような事態が起きている事が問題なのです。

いくら「やればできる」人たちでも経営権と編集権をごちゃまぜにされたままだと戦えないんですよ。そこが本質的に大問題なんです。「できる人がいる」事は、だから救いにはならないんです。問題は「ほとんどの人が上の言う事を聞くしかない」状況なんです。
ここをわかってあげないと、マスコミは変わりようがない。

いま、本当に大事な問題を追及するジャーナリストが、いかに表舞台から追放されているか。
上杉隆だけではなくて、週刊朝日の山口一臣さんなんか、検察の非道な捜査などの報道で上杉隆と二人三脚でがんばっていて、部数を続伸させていたのに編集長降板させられたのです。

他にも、お金がない中で、東京電力の全記者発表を、24時間体制で、ボランティアでユーストリーム中継してくださっている岩上安身さんも大きな収入源であるはずのTV番組のレギュラーを6月で切られました。少し前には硬派な取材で話題だった鳥越俊太郎さんも番組自体の打ち切りが決まりました。どちらも数字や評判は良かったはずです。

いくら降板や打ち切りがあろうとも、本当に正常な報道体制が維持されているのなら、別に何の問題もありません。しかし、ネットでさまざまな情報を右も左も調べていくと、あまりにネットとマスメディアでの意見が異なりすぎてる場合が多々あるので、どうしても「マスメディアは本当にちゃんと報道をやっているのか?」と疑わざるを得ないのです。

僕の場合でtwitterのフォローしている人が1000人、フォローくださっている人で800人くらいいてます。そういうある程度のボリュームのある人たちのアンテナにひっかかってくる「重要ニュース」とテレビで報じている内容にあまりに開きがある。そこがとても心配なわけです。

そして、数少ない「信用できるジャーナリスト」が、こうも次々に降板させられると、「マスメディアは本当にダメだ」と思うしかなくなってしまうわけです。

「やればできる」人たちや番組は、実はかなりの覚悟でそれをやってます。でも、そういう「覚悟」が必要ということ自体がかなりおかしい。そこを、まず一般の人間が気づいて、それこそ真剣な応援をしないとよく分からない「何か」に、そういう報道の良心というような番組までつぶされてしまったりするんです。

ほんとうに、ほんとうに注意が必要です。日本のマスメディアの状況は、本当に悪いです。
とても悪いです。
そこを、まず我々一般人が気づくことが、とても大事だと思います。

オサム
2011年4月9日13:12

マスコミによる日本の支配、おっしゃるとおりここが日本の崩すべき本丸です。
小泉首相のときに我々が意識を持って崩せてればまだ情勢は変わってきたのですが。

岩上安身さんはレギュラーを降ろされてしまったのですか。
拾ってくれた番組はないのですか?

いよいよ不買活動の大きな呼びかけ、企業へのマスコミへの広告の自粛と
あまりマスコミに上納金を納める企業には不買活動で対抗しなきゃいけない段階に
入ってきているかも知れませんね。
心の準備はしておく必要がありますね。

nophoto
ペルソナ
2011年4月9日21:14

とりあえず、リストをアップしました
送れるかな…。
henomosu.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09

nophoto
ペルソナ
2011年4月10日3:07

まずね。
圧力をかけているのは、東京電力ではありません。そこを矮小化してはいけません。
圧力の源は、大きく分けると二つあります。

                    ◆◇◆

一つ目は、電気事業連合会(より正確に書くと、その背後にある政・官・業・学・メディアまでが一体となった「電力利権」であり「原子力ムラ」)です。

原発村相関図 twitpic.com/4in9uj

まともな学者、たとえば小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)などは干されていて、「原発は安全」「原発を推進」の人たちだけが電力会社や経産省から潤沢な資金を提供され、政治、官僚組織(委員会を含む)、電力業界や電機業界、大学で活躍できるという仕組みなのです。

原子力安全委員会も原子力安全保安院もこの構造の中にありますから、チェック機関、歯止めとして機能するはずがありません。原子力行政は、はじめからブレーキを付け忘れた存在ですから、だれにも止めることができないのです。

この構造は、戦前の「統帥権」に似ています。その結果日本は、核爆弾を落とされて、ようやく敗戦を迎えました。今度は、自ら核汚染をまき散らしてですね。いま政府がやっいることは、敗色が決定的なのにまだそれを認められない、しかし終息のさせかたが分からないという、まさに断末魔の状態なのです。


                    ◆◇◆

しかし。
マスコミが報道を控える理由は、それだけじゃありません。それだけなら、マスコミがここまで大人しくはならないです。

(長文なので分割・続きます)

nophoto
ペルソナ
2011年4月10日3:11

二つ目の圧力のヒントになるのが、数ある新聞の中で日経新聞が、群を抜いてシビアに原発問題を報道をしている…という点です。
たとえば、2つ上の書き込みのリンクにある日経の記事を読んでみてください。オブラートにくるんではいますが、「現状では、東京ですら500日で一般人の許容年間被曝量になる」と書いています。
日経新聞なんて、「政・官・業・学・メディアまでが一体となった」電力利権構造にいちばん近いところにいるメディアです。それがここまで書いている。つまり、他のメディアも、仮に電気事業連合会あたりから圧力がかかったところで、この程度のことは書けるのです。しかし、それをしていない。

                    ◆◇◆

私は、日本のマスコミの本質を、「受け手(大衆)が欲している情報(だけ)を提供する情報機関」だと思っています。その体質は、戦前から、ちっともかわらっていません。

戦前、マスコミは大衆と同調して、松岡外相の弱腰を批判し、東条の首相就任に歓喜しました。東条は、首相に就任して方向転換を図ろうとしましたが、前面で統帥権に阻まれ、背後から大衆の歓喜に押され、戦争に突入してしまいます。
いったん戦争がはじまると、否定的な意見はすべて「非国民!」にされていきました。「前線で兵隊さんが苦労しているのに、批判するとは何ごとかぁ!」なんて、まさにいまの状況と同じです。

敗戦になったとたん、態度を豹変させ「東条は戦争犯罪者!」となったのがこの国ですから、この先、東電や原子力安全委員会あたりが袋だたきにされるんでしょうけど、そういうちょっと救いのないミスリードというか共犯関係にあるのが、マスコミと大衆だと私は感じています。

ここが二番目の圧力を考えるヒントです。
つまり、「原発の危機的な状況は聞きたくない」と受け手である大衆が望んでいるから。それが答えです。いまの空気は(「空気読め」なんて典型的なファシズムなんですけど、そのことにすら無自覚ですよね)
「いたずらに不安を煽るな」
「いま東電を批判するとは何ごとか」でしょ。
その証左が「みんなで団結すれば、日本はよくなる(エーシー♪)」でしょ?

別に「日経を読んでいる層はインテリだ」などというつもりはありません。ただ、あの新聞の読者(平均年収が他紙に比べ圧倒的に高い)は、基本的に経済人です。彼らは常にリスクと向き合って生活しています。いや、リスクがあるのはどの人も同じですから、正確には「リスクに対して自覚的に生きている」と書くべきでしょう。

リスクに自覚的になると
「リスクはコントロールできる」なんて甘いことは考えないようになります。ただ、「リスクに備える策だけは(常に複数)用意しておこう」と考えるようになります。そして、リスクの正体を把握するには、嫌な情報や怖い情報こそ、知らねばなりません。

たとえば上記の「現状では、東京ですら500日で一般人の許容年間被曝量になる」を読んで、
「危機感を煽ることを言うな!」とは考えないわけです。
たとえば「いま東京の不動産に投資するのはリスクが大きいな」と考える。
それが証拠に、東京の不動産関連株は値下がりが顕著ですが、関西の不動産関連株やリートは震災前の価格を超えて上がっています。
「金しか尺度がないんか!」とお叱りを受けそうですが、
「金(=生きること)という尺度を持っているからこそ冷静に情報を受けとめられる」という側面はあると思うのです。

                    ◆◇◆

アメリカやフランス、IAEA(核の監視が目的で、発電は本来、管轄外です)やロシアまでが乗り出してた本当の理由は(もちろん、日本が原発からリタイアした「あと」を狙っはているのですが)、敗戦直前と同じで
「日本には、もはや問題を掌握する力すらない」
「このまま放っておいたら、世界に汚染がまき散らされる」という危機感がかなりの部分を占めている…と私は見ています。

好むと好まざるとにかかわらず、歴史の大転換点はもうそこまで来ていると、私は考えています。

オサム
2011年4月10日4:39

ペルソナさん
概ね私の『勘』とも一致する内容です。ところでペルソナさんの専門はどちらですか?
ここらへんのことは何でお知りになりましたか?

問題は、ではどういう風にして国としてしっかりと機能していくようにするか、ということです。
民主主義が機能するためにはここ↓で平井憲夫さんが現場から告発した時点で
www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
我々がマスコミを迂回してこれを拾い上げ、伝えて、そこで大勢を決しにいかなければ
ならない。こういう作業はインターネット環境が整った今だからこそ可能なことです。

今やらねばいけないことは決まっています。事態の深刻さに気づいている人、つまり我々
が全力で啓蒙活動に取り組むことです。デモをやっていても始まらない。

結論からいうと、情報統治は必要です。
中国はその点国家がしっかりしている。日本は完全野放し。だから情報産業・マスコミが
肥大する。ここは国が関与する立法と行政の仕組みを実現してはじめて均衡がとれる
ようになっていきます。

つまりは、気づいた人たち、その人たちが現場の人間です。
まず ①現場の人間が発信する。 ②まわりの人間が拾い上げる
③広めていって共通認識にする。
平たく言えば、中間の伝聞がなくて、それぞれがネットワークで直接繋がる
インターネットの強みそのものです。
+日経新聞などのある程度信頼できる情報源ですよね。

つまりは・・・・・ 結論。インターネットの使い方含めた啓蒙活動でしょう。
情報の読み解き方、ツイッターで機能している情報をみなで伝達する仕組み。

気づいた人、あなたは伝えるべき伝道師です。
大事なことを伝え、学び、この情報弱者の日本を高い場所へと導いていく責務があります。

ひとりでも多くの人に、全力で伝えていってください。
それが、あなたの使命です。
全力で啓蒙していきましょう。こっからですよ。

ゆう
2011年4月10日16:42

シゲさん

はじめまして、ゆうです。

マスコミに踊らされすぎているのが私たち人間の弱みだと思います。

私は部屋にテレビありません。

昔はありましたが、弟にあげました。

私の中の自分がテレビに依存しすぎてはならないということでテレビを廃しているのでしょう。

私は強くおもいます。

いちばん崩さなければならないのは

「しがらみ」です。

それを潰すのが重要課題です。

2011年以降はいままでの3~10倍生きていくのはきびしいでしょう?

今回の東日本大震災はあくまでもはじまりにすぎません。

原子力でもなしでも夏場はしのげることを教えてくださってまことにありがとうございます。

しかし、「しがらみ」という枠を潰さなければ、夏の電力不足解消されないとだけ言っておきます。

私たち人間が「強欲」であることに気づき反省して、より良い人間となって行動を起こすことがこれからの困難を乗り切る大きなキーワードです。

リンクさせていただきます。

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