日米同盟の正体
2010年8月6日
今日は、「日米同盟の正体」という、全日本人必読の素晴らしい書籍を紹介します。
日米同盟の正体
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062879859
参議院選挙が終わって、政局および、日本の社会の方向性その他を、いろいろ考えているのですが、やっぱりまだまだ分かりません。
いったい我々日本人に、どんな情報が「欠けているのか?」が、ですね。
情報が欠けたまま、世の中を見ても、ただひたすら「釈然としない」というモヤモヤ感が残るだけなんです。
この「釈然としないモヤモヤ感」というのは、いろいろな出来事を、キチンと「ああ、なるほど!」と、本質を捕まえながら生きてこないと、なかなか育たないものでして、だからいつも戦争というものは、「誰もに分かりやすい正義」を振りかざして、人生経験の少ない若者を戦地にほおりこむわけです。
日々の仕事や、日常を、ていねいに生きていれば、ひとつの物事が起こるに際して、いかに社会というものが準備周到に用意を重ねているかがわかるはずなのです。
僕は、コピーライターとして、中小の企業さんをいくつもいくつも取材して会社案内などを作ってきたので、そのあたりのリアルな感覚というのが、(かなり中小企業の社長さん寄りではありますが)けっこう身に付いていると思うのですよ。
たとえば、コンデンサ一個作るにしても、バネ(スプリング)一個を作るにしても、クルマ用のブザー一個を作るにしても、いかに現場の工場のひとりひとりの社員が創意工夫をこらさなければ、世界市場を席巻できないか?ということが身にしみてわかります。
「派遣社員の使い捨てで、価格競争に勝つ」みたいな事をやっていて、世界に通用する品質や企業の信頼感、ブランドは創り出せるものではないのです。
だから、「釈然としないモヤモヤ感」というのを感じ取ると、すぐに「は? なんじゃそりゃ? お前、頭おかしくない?」と、かなりキツイ突っ込みを、どうしても入れたくなってしまうんですね。
今日の朝のNHKで、広島の原爆慰霊祭の中継があって、で、そのせいで、楽しみに見ている「ゲゲゲの女房」が38分も遅れたわけですが、それにしたって、わざわざ「ゲゲゲ」をずらさせて、菅首相の挨拶の最末尾部分で「被爆された方の補償についても面倒をしっかりと見ていきます」という「約束」が多くの国民に耳目に触れるようにしとるなぁ、姑息だなぁと感じたわけですが、まぁこれも、なんとも釈然としませんわな。菅さん、本当に「書面を読む首相」に成り下がっちゃったなぁ、というのが、一番の感想で、そういう人が何を言っても、そりゃ伝わらないって。
ゲゲゲの力を借りても、まぁ無力だわ。
その慰霊祭に、今年はじめて、アメリカの駐日大使が参列して「核のない世界」をアピールした、と言う話なんですけど、うーむ、さて、これをいったいどう評価したら良いモノか。
ここに紹介する「日米同盟の正体」という素晴らしい本を読んだ後で、なおかつオバマが「核廃絶」というテーマでノーベル平和賞をもらうという「追い込まれ」状態になっている事とも合わせて考えないといかんから、すごい難しいよなぁって思います。
ともあれ、平均的な日本人だと「核なき世界」と聞いて、諸手を挙げて賛成ってことになるわけですけど、でも、オバマ政権は、クリントン政権以来、ずーっと続いてる「テロとの戦い」政策を、いまだに強力に実行し続けてるわけですから、元々すごい矛盾なわけですよ。
そういう、「アメリカの軍事的方針の現実」みたいな事が、この「日米同盟の正体」には、キチンと書いてあって、実に面白いのです。とても有意義な本です。
特に、日本人は「日米における軍事的な関係」というと、昔々の「日米安保条約」の事しか頭に入っていない人の方が多いから、なおさら、この本は重要なんですね。
この本のタイトルは、キチンと、
●日米同盟
と書いてあります。
もうね、日本とアメリカはね、あの小泉のドアホの時代にね、完全に「軍事同盟化」させられてるわけですよ。
2005年10月29日の2プラス2での合意、と言う奴です。
これね、本当に国民的議論もないままに締結してるわけですよ、ほんまにヒドイと僕は前から思ってたわけですけど、この「日米同盟の正体」を読んで、なおさら、そのアメリカの「大きな戦略的流れ」がわかって、暗澹たる気持にならざるを得ないわけです。
そういう大前提を、日本人は全然わかってないですからな。
僕は2+2の合意なんか、「国民的合意がないから無効である。」と、はっきり言う政治家が出てきて欲しいと思ってるんですけどね。
どうやろ? 鳩山さんなら言ってたかもしれない。あの人、無茶な人やから。小沢さんは「それはそれとして、まずは国連の議決の有無で動く」という賢い逃げ方をする感じですな。どっちが良いとも悪いとも言えませんけど、だいたいそれ以前に日米はすでに「安保」ではなく「軍事同盟」になっちゃってるんだ、ということ自体を、みんなわかってないんじゃないですかね?
この、「日米同盟の正体」には、そういう大前提の当たり前の知識は、もうキチンとはっきり書いてあるわけですが、この本がすばらしいのは、それ以前に、身につけておかなければいけない、世界的な国家間交渉における「幅広い選択肢」についても、キチンと紹介してくれてる事です。
戦略と戦術なら、戦略レベルの「大きな枠組みでの交渉」という事をしっかりと考えた上での書籍になっている、ということです。
そこが、この本の素晴らしいところです。
ただ、正直言って、全8章中の7章までは、いまのアメリカの戦略がどういう方向性であり、日本がいかにその危険性を理解していないかの裏書きをしているような内容なので、読んでいて辛い、というのが実際なんですけどね。
●日本政府、あまりにアホ。
というのが、手に取るようにわかってしまうのが、ものすごく辛い。
アメリカのしたたかな戦略に乗せられて、とんでもなく危険な領域に突っ込んで行きかねない状況に、いまや追いやられてるんですよ、という話ですな。
ところが、第8章だけは、トーンがまるで違うんですよ。そういう最悪の状況はわかった上で、それでも日本人なら実現可能な、平和で健全なる社会貢献による「国家間交渉」を提言してるわけです。もう、8章だけ方向性違いすぎ! というくらいに違う。
1章から7章までの、現実認識の厳しさがあるからこそ、8章の提言がとても素晴らしいんですよねぇ。
とにかく、この本を読まずして、日本の防衛は語れないです。
ぜひぜひ一読を。
超、おすすめです。
日米同盟の正体
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062879859
参議院選挙が終わって、政局および、日本の社会の方向性その他を、いろいろ考えているのですが、やっぱりまだまだ分かりません。
いったい我々日本人に、どんな情報が「欠けているのか?」が、ですね。
情報が欠けたまま、世の中を見ても、ただひたすら「釈然としない」というモヤモヤ感が残るだけなんです。
この「釈然としないモヤモヤ感」というのは、いろいろな出来事を、キチンと「ああ、なるほど!」と、本質を捕まえながら生きてこないと、なかなか育たないものでして、だからいつも戦争というものは、「誰もに分かりやすい正義」を振りかざして、人生経験の少ない若者を戦地にほおりこむわけです。
日々の仕事や、日常を、ていねいに生きていれば、ひとつの物事が起こるに際して、いかに社会というものが準備周到に用意を重ねているかがわかるはずなのです。
僕は、コピーライターとして、中小の企業さんをいくつもいくつも取材して会社案内などを作ってきたので、そのあたりのリアルな感覚というのが、(かなり中小企業の社長さん寄りではありますが)けっこう身に付いていると思うのですよ。
たとえば、コンデンサ一個作るにしても、バネ(スプリング)一個を作るにしても、クルマ用のブザー一個を作るにしても、いかに現場の工場のひとりひとりの社員が創意工夫をこらさなければ、世界市場を席巻できないか?ということが身にしみてわかります。
「派遣社員の使い捨てで、価格競争に勝つ」みたいな事をやっていて、世界に通用する品質や企業の信頼感、ブランドは創り出せるものではないのです。
だから、「釈然としないモヤモヤ感」というのを感じ取ると、すぐに「は? なんじゃそりゃ? お前、頭おかしくない?」と、かなりキツイ突っ込みを、どうしても入れたくなってしまうんですね。
今日の朝のNHKで、広島の原爆慰霊祭の中継があって、で、そのせいで、楽しみに見ている「ゲゲゲの女房」が38分も遅れたわけですが、それにしたって、わざわざ「ゲゲゲ」をずらさせて、菅首相の挨拶の最末尾部分で「被爆された方の補償についても面倒をしっかりと見ていきます」という「約束」が多くの国民に耳目に触れるようにしとるなぁ、姑息だなぁと感じたわけですが、まぁこれも、なんとも釈然としませんわな。菅さん、本当に「書面を読む首相」に成り下がっちゃったなぁ、というのが、一番の感想で、そういう人が何を言っても、そりゃ伝わらないって。
ゲゲゲの力を借りても、まぁ無力だわ。
その慰霊祭に、今年はじめて、アメリカの駐日大使が参列して「核のない世界」をアピールした、と言う話なんですけど、うーむ、さて、これをいったいどう評価したら良いモノか。
ここに紹介する「日米同盟の正体」という素晴らしい本を読んだ後で、なおかつオバマが「核廃絶」というテーマでノーベル平和賞をもらうという「追い込まれ」状態になっている事とも合わせて考えないといかんから、すごい難しいよなぁって思います。
ともあれ、平均的な日本人だと「核なき世界」と聞いて、諸手を挙げて賛成ってことになるわけですけど、でも、オバマ政権は、クリントン政権以来、ずーっと続いてる「テロとの戦い」政策を、いまだに強力に実行し続けてるわけですから、元々すごい矛盾なわけですよ。
そういう、「アメリカの軍事的方針の現実」みたいな事が、この「日米同盟の正体」には、キチンと書いてあって、実に面白いのです。とても有意義な本です。
特に、日本人は「日米における軍事的な関係」というと、昔々の「日米安保条約」の事しか頭に入っていない人の方が多いから、なおさら、この本は重要なんですね。
この本のタイトルは、キチンと、
●日米同盟
と書いてあります。
もうね、日本とアメリカはね、あの小泉のドアホの時代にね、完全に「軍事同盟化」させられてるわけですよ。
2005年10月29日の2プラス2での合意、と言う奴です。
これね、本当に国民的議論もないままに締結してるわけですよ、ほんまにヒドイと僕は前から思ってたわけですけど、この「日米同盟の正体」を読んで、なおさら、そのアメリカの「大きな戦略的流れ」がわかって、暗澹たる気持にならざるを得ないわけです。
そういう大前提を、日本人は全然わかってないですからな。
僕は2+2の合意なんか、「国民的合意がないから無効である。」と、はっきり言う政治家が出てきて欲しいと思ってるんですけどね。
どうやろ? 鳩山さんなら言ってたかもしれない。あの人、無茶な人やから。小沢さんは「それはそれとして、まずは国連の議決の有無で動く」という賢い逃げ方をする感じですな。どっちが良いとも悪いとも言えませんけど、だいたいそれ以前に日米はすでに「安保」ではなく「軍事同盟」になっちゃってるんだ、ということ自体を、みんなわかってないんじゃないですかね?
この、「日米同盟の正体」には、そういう大前提の当たり前の知識は、もうキチンとはっきり書いてあるわけですが、この本がすばらしいのは、それ以前に、身につけておかなければいけない、世界的な国家間交渉における「幅広い選択肢」についても、キチンと紹介してくれてる事です。
戦略と戦術なら、戦略レベルの「大きな枠組みでの交渉」という事をしっかりと考えた上での書籍になっている、ということです。
そこが、この本の素晴らしいところです。
ただ、正直言って、全8章中の7章までは、いまのアメリカの戦略がどういう方向性であり、日本がいかにその危険性を理解していないかの裏書きをしているような内容なので、読んでいて辛い、というのが実際なんですけどね。
●日本政府、あまりにアホ。
というのが、手に取るようにわかってしまうのが、ものすごく辛い。
アメリカのしたたかな戦略に乗せられて、とんでもなく危険な領域に突っ込んで行きかねない状況に、いまや追いやられてるんですよ、という話ですな。
ところが、第8章だけは、トーンがまるで違うんですよ。そういう最悪の状況はわかった上で、それでも日本人なら実現可能な、平和で健全なる社会貢献による「国家間交渉」を提言してるわけです。もう、8章だけ方向性違いすぎ! というくらいに違う。
1章から7章までの、現実認識の厳しさがあるからこそ、8章の提言がとても素晴らしいんですよねぇ。
とにかく、この本を読まずして、日本の防衛は語れないです。
ぜひぜひ一読を。
超、おすすめです。
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