政治家は、国民の代表なのだから、基本的には応援して、失敗も含めて大らかに見守る必要があると僕は考えています。少なくとも、国民の側をしっかり見ている人なら。

でも、マスコミは、3日に一度という頻度で「支持率調査」をして「いつやめるのか!」とヒステリックに騒いでばかりでした。

この段階で、国民と政治家の間の絆を断ち切ろうという魂胆が、はっきりと見えていたわけです。

当然、政治家の「良い面」は一切出さずに、「悪い面」ばかりを、繰り返し繰り返し報道するわけです。

そんな事されたら、どんな人間でも「悪人」になってしまう。

結局、鳩山さんにせよ、小沢さんにせよ、辞任の段階では、あまり物事の本質を考えない人、あるいは情報源を新聞やテレビだけに頼っている人の「イメージ」では「ろくでもない奴」という印象ばかりが浮かぶようになっていました。
知り合いで比較的まともな事を言う人の間でも、さすがに鳩山さんの腰砕けな点は評判が悪かったですしね。

でも、話を聞いていると、やはり、かなり新聞・テレビによる印象操作にあやつられている、洗脳されてしまっているという側面が大きかったと思います。

で、そういう人でも、鳩山さんの退任の演説を全部読んで「ええこと言うてるやん」とは、なりました。「そういう事考えてるとか、全然知らんかったわ。」てな感じなわけです。

あー、やれやれ、とは思うものの、まぁ、この辞任劇で、そういう側面が多少なりともわかったというだけでも良かったのかなぁとも思うわけで。辞任の退任演説の時くらいしか、いまの国民は「聞く耳」持ってないんですよ。それが、すべての原因。もっともよろしくない点です。

国民が、とにかく、できるだけ政治家の生の声を聞くこと。信用できるかどうかの判断の「情報」を、もっと幅広く得るようにすること。
で、自分がそれをできないのなら、自分が信用している人が、どういう情報源から判断材料を得ているのかを、しっかり確認しておくこと、そういう事が大切です。

(だからツイッターが大事だって事になるんですがね。ツイッターの話は、また今度。)

で、こういう事を言うと、

「新聞・テレビだって情報源じゃないか」

とごく普通に疑問に思うと思うんですよ。
でも、そうじゃないんですね。
日本のマスメディアは、かなりおかしな仕組みになっていて、まともな論説が新聞に載らないという大問題があるんです。

まず何より、記名記事が少ない。有名記者とか人気のジャーナリストというのがほとんどいない。そういう人は新聞社から出てフリーでやるしかない。ようするに、国民の側が記事内容を支持するという仕組みが、日本の新聞社にはないわけです。

いくら、新聞社のトップが「こんな記事を書かせよう」と思っていても、人気記者がいて、その人の連載やらリポートが国民に支持されていて、それが発行部数やら、売上に貢献していたら、トップも何も言えないわけです。

しかし、そういう記銘記事は全然なくて、誰かわからん「一記者」が書いてるだけなわけです。

で、そういう人は、実は、上からの指示に従って書くしかないんですね。読売新聞なんかは、そういうトップダウンがかなりきついらしいです。「社の方針」というのがあって、それに逆らって書くことができない。

これに加えて「記者クラブ」という大問題があります。

この記者クラブ問題は、本当に大問題で、この仕組みによって、日本国民に対して、とんでもない情報閉鎖が行われていると言って過言ではないんですよ。

まさに、この「記者クラブ制度」によって、政治家と国民の間が遮断されてしまっているんです。

記者クラブというのは、各省庁ごとに大手マスコミの詰め所があって、その記者クラブが大臣や官僚の会見を取り仕切っている仕組みなわけですが、とにかく記者クラブに加入している会社の人間しか記者クラブには参加できないわけです。

たとえば、「通販生活」なんて雑誌がありますが、あそこで記者をやっていたフリージャーナリストの畠山さんなんかは、ものすごく素朴に、「うちの雑誌で政治家の記者会見を取材できるんだろうか?」と思って記者クラブに問い合わせたという事だったらしいわけです。

そうすると、「通販生活」は、そういう記者クラブに加盟してないので、取材することはできませんというつれない返事だったらしく。「いや、なんとか取材したいんですけどねぇ」と食い下がると、「記者クラブ外の人には、オブザーバー参加をしていただいてます。」と言われたらしいわけです。

「なんですか?そのオブザーバー参加というのは。偉いンですか?」と聞くと「別に偉いわけではないですが、記者会見の様子を見ていただくことはできます。」と言われたそうです。
「え?じゃぁ質問とかはできないんですか?」「できません」
「カメラで撮影は?」「ご遠慮ください」
「メモは」「それはご自由に」

というものだったそうです。

これ、かなりおかしくないですか?
通販生活なんかは、いろんな商品の善し悪しを確かめながら、それを販売している小売店なわけですから、「小売業としての立場から大臣に質問する」という事はあって然るべきでしょう。

であるのに、そういう視点からの質問は一切させずに新聞記者が自分たちのトップが決めた方針に従って質問するしかないわけですよ。

で、そのトップが決めた方針による質問というのが、「支持率が20%を切りましたが、いつおやめになりますか?」という質問だったりするわけです。

なんじゃそりゃ?

どうでもええわい、そんな事。

と、僕は思うわけで。

この支持率調査が、またひどくて、たとえば小沢さんの政治資金問題などに関しては、実態は本当に「ちょっとした帳簿上のミス」でしかないのに(土地購入のための資金記載が年度をまたいで記入すべきでなかったものが年度をまたがって記入されていただけです。実につまらん。)、そういう説明は一切なしで、

「今回の問題の責任をとって、小沢さんは辞任すべきでしょうか?」

と調査しているわけです。
なんじゃそりゃ。

実にひどい。

そういう前提の部分の報道すべきところを隠して、で、支持率が下がるような、あざとい「支持率調査」を繰り返していれば、そら支持率なんか下がりますよ。ひどい話です。

で、小沢さんが自分の政治資金の帳簿上の説明をやっていた記者会見に関しては、一切テレビ報道も新聞報道もなかったんですね。

唯一(というか、もう1人だったかな?)、上記の畠山さんがオモチャみたいなパソコン用のWEBカメラみたいなもので、小沢会見を中継したわけですよ。それがツイッターで話題になって、すごい人が見た、という話で。

小沢さんは、自分の会見はオープンにしてますからね。記者クラブ以外のメディアにもオープンにしている。(だからこそ、既得権益を守りたい新聞・テレビからは嫌われるわけです。ここのところ、良く理解してください。)
ま、この会見は記者クラブ主催だったのかな?そこまでは良く知りませんが。

そこまで、情報閉鎖がされているのだって事を、まずは、知らない人は知りましょう。それから、知った人は、身の回りの人に伝えましょう。僕はまず、これは書かないとアカンと思って書いてます。

では、なんで、そういう閉鎖的な事を、記者の人たちが唯々諾々と上の指示に従ってやるかというと、これが表題に書いた「特オチの恐怖」からなわけです。

普通、新聞やテレビというのは、ウケ狙いですから、「特ダネ」を狙うわけです。
独自スクープを取ろうとする。

しかし、いまの新聞・テレビは、そういう事より「どの新聞社も大々的に発表しているニュースを報道できずに、自分たちだけが報道し損ねる」という「特オチ」を怖れるわけです。

これ、パッと聞いたら、「そんな事どうでもええやん。別に報道しなかった媒体だけを覚えてたりせんで。」と読者の側としては思うわけですが、現場の記者にしたら、そういうわけにはいかないわけです。なぜなら、


●特オチしたら、出世しない。


からです。上の締め付けが厳しいんです。上記の読売新聞なんかは特にそうです。ナベツネの意志がかなり強く働いているというのを、他社の人ですら感じるそうですから。

特オチしたら、自分の家計に直接響く。だから、それを怖れて、横並びになるわけですね。で、たとえば、検察の捜査状況なんていうのは、本来守秘義務がありますから、オープンにはならないわけです。

でも、それを利用して「これはオフレコですが、ここだけの話として聞いてくださいね。」とかのリークを、各新聞社に持ちかけるわけです。
これは特定の新聞社にだけやることもあるようです。
他社を出し抜いて「逮捕!」とかの発表ができるかも知れないわけです。
だから新聞社は、完全に官僚の側を向くわけですね。あやつられてしまっている。

ここまでの構図が、だいたいやっと最近わかってきました。

だから、基本、僕がやるべきことは、新聞の定期購読はせず、必要に応じて売店で購入するというやり方になるわけです。とりあえずは、それがベストですわ。

新聞社も、いまのような仕組みをいつまでも続けていられるはずがありませんので、記事作成に関して、もっと記銘記事を増やして、読者アンケートなどもやるべきですな。「支持率調査」をするヒマがあったら、少年ジャンプみたいに「読者アンケート:今号で面白かったマンガを3つ教えてください」てな調査をしなさい、っちゅうことです。

で、これらの問題に関して、切り崩していこうとしてるのが、総務省で大臣をしている原口さんが言う「クロスオーナーシップ」の問題。

ようは、読売新聞も読売テレビも、オーナーがどっちもナベツネなのは、いかがなものか?という事です。メディアが系列化して、内容が特定方向に偏ったら、世論誘導が簡単にできてしまうし、多様な意見の吸い上げや提供を行う、メディアとしての役割が果たせないではないか、だからオーナーが複数のメディアを持つということに関しては規制する、という話です。

これは本当に早くやって欲しいですな。いまみたいに、どの新聞社も金太郎飴みたいに「支持率、支持率」とかやってたら、とにかく記事がおもろない。読む気が失せる。そういう話ですから。

最近で言うと、週刊朝日と、週刊ポストが、けっこう面白くなってきてるんですが、それも編集長個人のがんばりやと思うんですよねぇ。ポストは編集長が替わって、かなり面白くなってきました。

でも、週刊誌っていうのも影響力が低下してきているからこそ、やっと方向転換しだした、というのはあるんですよね。売れていると言われる週刊文春ですら発行部数が公称で30万部かな?たかが知れてます。週刊朝日とか週刊ポストなんてどの程度なんやろか?お寒い限りです。

先のツイッターで活躍しているジャーナリストの方達など、フォロワーが数万人レベルまできてますから、すでにそういう媒体と肩を並べられるメディアになりつつあるわけです。
ジャーナリスト一人が、個人メディアを持っているのと同じです。

鳩山さんもツイッターはやってましたが、発言は極端に少なかったし、差し障りのない事に関するツイートばかりでした。まぁ、このあたりは鳩山さんの人柄でもあったのでしょうが、回りの官僚が止めに入ったというのもかなり大きいだろうという気はします。

そういう構図が、いままさに、我々の回りにあるのだ、ということを、まずは1人でも多くの方に理解してもらいたいと思いますね。

新聞・テレビも良いですが、まずは自分から情報を取得して行こうとする気持が必要だと思います。

で、最初にも書きましたが、やはり基本は政治家を信用していこうというスタンスですね。そこがけっこう大事だと思う。彼らこそが我々の代表です。投票によって選ばれているのです。

官僚のトップにせよ、大新聞社のトップにせよ、我々の投票で選んだわけではありません。あまりに国民に不利益があるなら、法的に権利を剥奪してもかまわないのではないですか?

で、それを実行するには、「政治家は国民の代表である。国民の側を向く政治家を国民が応援する以外に自分の国を良くしていく方策はない。」という大前提をしっかりと理解することだと思います。

そこをまず、大前提として考えるべきでしょう。

コメント

オサム
2010年6月5日18:50

シゲさん

民主党に任せられない理由は、国内の問題じゃないですよ。

「外交」 これにつきます。

他国との信頼関係を築けるレベルにいるか、という話。

小沢さんが代表を退くときに、なぜ岡田さんや前原さんではなく

鳩山さんを担ぎ上げたか。外交を軽視しているから、担ぎ上げてはいけない人間を

トップにしている。

実務の先輩である自民党の人たちや官僚の人たちに対して最低限の礼節を

わきまえないから、外交事務の引継ぎが充分にできなかったわけですよ。

そこを見なきゃ。

小沢さんがトップから降りて鳩山さんになった、その時点で、

決して投票してはいけない党ですよ。

Kei.K
2010年6月6日14:57

諦めてはいますが、なぜ、マスコミ・報道関係は建設的なことをしないのか?と常々思います。
批判・非難、過去のあら捜し。、世論調査にいたっては良いか悪いか?指示するしないYes,No?
マイナス発言は少し頭が良ければ誰でも出来るんですよね、きっと。
特に狭き関門を越えて大学に入り、更に狭き関門を越えてマスコミ関係に関係になっている高学歴な方々が人を貶める様な報道の日々、もっと建設的に政策への草案を作り、嘆願書を通すなど出来ないんでしょうかね?
それをやっちゃいけない風潮があるのであれば、それを撤廃すべきだと思います。

ただ、生憎自分はそこまで能が無い。
結果、政治家に丸投げにして、情報はテレビ・新聞から。
何が正しく何が間違ってるか、必要な情報が必要なだけ揃わないのが現実。
なので、性格に見極める目がほしいなと思います。

鳩山氏の文章も読んだ中で、個人的には医療の件が気になります。
特に北海道の地域医療にも携わる職なものですから。
『もっともっと』で済まさずに、今考えていたり、進めている政策を国民にオープンしてほしかった。
個人的な希望ですが、困っている方は大勢います。
患者側も医者もコ・メディカルスタッフも、メーカーや販売業者も皆です。
4月の償還価格改定による弊害も各地で出ているようです。
8ヶ月間でどうこうできる問題じゃないでしょうし、鳩山さんの退陣の発言をキッカケに地域医療問題も本格的に取り組んで欲しいです。(あくまで個人的で申し訳無いですが)

シゲさんの意見もオサムさんの意見も興味深く拝見しています。
これからも至らぬ自分のための情報収集をさせていただきますね!!

ミカエル
2010年6月7日10:01

でも、暴力団と角界には、よく思い切って取り組み始めたって思いますよ~・・・。
記者のみなさんは、毎日毎日、新聞、出版社、テレビ局の出入り口から出入りするしかありません。

報復だって、有り得るんです。
家族だっています。

それを思うと、アッパレだと思います。
一度に、複数を突破するのは危険過ぎますから、

時期を待ってもいいんじゃないでしょうか?♪
ここをほめずして、
認めずして、メディアに色々求めても、

何も応えてもらえないと思いますよ。

どん太
2010年6月8日21:00

TVと新聞がもっともっと凋落してくれないと、日本はどうにもならないんじゃないか。。と思いますね。

あるいは、どうして民主はもっとマスコミを抱き込めなかったのか。。。

シゲ
2010年6月9日0:44

あー、みなさん、書き込みありがとうございます。

でもなー、正直、オサムさんの意見は、聞いてて不愉快です。
できたら、この私の日記から出て行ってもらいたい。うっとおしい。
この歳になってくると正直、表面だけを取り繕わずに、本当の事を言いたくなります。

海外に出かけて、話をしたいのは、その国の歴史を良く知ってる人であって、たとえばよその国の人間で、日本におべんちゃらを使って、日本の事をほめてばかりで、自国の歴史も状況も真剣に語れない人を信用したいと思いますかね?

「投票してはいけない」とかマイナス要因なんか語っても、何の意味もないですよ。何が大切で、何を大事にするために、どこを応援するべきなのか?などを語らねば。
とにかく、あなたの意見は、うっとおしいです。

シゲ
2010年6月9日0:50

>Kei.Kさん

書き込みありがとうございます。
地域医療の問題は、本当に大切ですね。このあたりも地方交付金は削ったのに、消費税の減免措置を、医療関係には適応しなかった小泉改革の弊害が出ていると僕は思います。大企業優先で地域医療を踏みつけにしてたようなんですよね。僕もあまりよく解ってなかったんですけど。

で、知ってる範囲で、それはいかんよなぁと思ったのが消費税の減免措置。なんか貿易関連では消費税減免があるのに、医療費関係ではそういう措置がなくて、そのせいで医療費がいろいろ高くなってるらしいんですよね。

僕は消費税に関しては基本、「減税」派なんです。減税ですよ、減税。景気対策として、減税しろと言いたい。景気対策効果はものすごく高いですから。

でもなぁ菅さん、増税派ですからなぁ。あーやれやれです。

シゲ
2010年6月9日0:58

>ミカエルさん

書き込みありがとうございます。
確かに、マスコミでは一部にそういう立派な方はおられるんですよ。で、いまはそういうところに期待するしかないんですが、それとは別に「記者クラブ制度」に関しては、やっぱりかなり問題です。

もっといろんなメディアのジャーナリストが政治家に直接取材できる、オープンな環境を作らないとダメだと思いますね。

で、閣僚の中にもオープン会見をされている方もおられますから(亀井さんみたいに)そういうオープンになっている情報を、とりあえずはもっと一般の我々が直接、見に行くという事をした方が良いと思うんですよ。

記者クラブのフィルターを通すと、白のものを黒に言い換える事も実に簡単ですから。
そういうテクニックにだまされないように、多様な情報収集ルートを持っておくべきだと思うわけです。

で、多分ツイッターは、そういう意味では、もっとも「多様性」に富んでいると思うんですよね。それこそ、右と言ってる人と左と言ってる人の両方のツイートを読めますし、ツイッターをやっている人間1000人いれば、1000種類の、まったく違うタイムライン(表示画面)が現れるわけですし。

そういう多様性こそが、しっかりした情報態勢を作れるのだと思います。

シゲ
2010年6月9日1:00

>どん太さん

書き込みありがとうございます。
「TVと新聞がもっともっと凋落してくれないと、日本はどうにもならないんじゃないか。」
というのは、まさにその通りなんですけど、田舎のジジババは、まさにテレビ・新聞しか見ないですしねぇ。

いろんな大臣とかがユーストリームでしゃべってる事とかを、なんとか地方の、それこそ病院とか、そういうところで流してくれないかなぁって思うのですよ。

iPadが、そういうメディアになってくれたら面白いんやけどなぁーって思います。
そういう「いままでになかった情報の流れ」みたいなものがないと、なかなか状況って変わりにくいですよね。

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