テレビで小沢叩きをやってた2月のはじめに、自民党から民主党に田村耕太郎氏が移籍しましたな。
あんまり話題になってないけど、とりあえずこれで参議院の方でも、民主党、国民新党などの会派は過半数になったので、審議は通りやすくなったわけです。

で、そういう数合わせの意味しか感じてなかったんですが、その移籍した田村耕太郎のインタビューを読むと、けっこう、かなり面白い。いまいちばん時代に即したことを言ってる人なんじゃないか?とすら思ってしまう。

僕が自民から民主に「移籍」した理由
田村耕太郎参院議員が本音を語る
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100212/212661/?P=1

とくに面白いなと思ったのは、「税率を上げれば税収が増える時代じゃない」とした、この部分。

(引用開始)-------------
税金の話で言えば『北風と太陽』で、税率を上げれば税収が増える時代じゃないですよね。税率を上げればみんな出ていくから、税収が減ると。逆に税率を下げれば税収が増えるかもしれない。
例えば贈与税なんかをゼロにしたら生前贈与が加速して、消費性向や投資性向が高い層にお金が移転しますから、消費が増えるわけです。消費税だって、下げた方が逆に景気が上向くかもしれない。こういう視点、経営者の感覚が日本の政治には抜けているんです。
(引用終了)-------------

そうなんよ、その通りなんよ、と言いたい。
民主党も自民党も、どっちも官僚が妄想している「均衡財政」の事ばっかり言ってる。
そんなもんな、「経済は投資」なんよ。投資せん限り、経済が上向くなんてこたぁない。
いまは「財政均衡が大事!」という、「官僚のビビリ」にばっかり耳を傾けてるから不況なんですよ。

官僚なんて、「まともな経済行為をした経験もないまま、一生を終えた」一族郎党なんですよ。発想の根本に「経済への信頼=人と人とが協力して生きていくことへの信頼」がないんです。
精神構造そのものが明確に異常な「人種」なんです。
そんな人種の声ばかりがマスコミで喧伝されて大きくなったから、日本は15年も不況のままなんですよ。

●不況の原因は「均衡財政」にあり!

と言いたい。
均衡財政の発想は、「入ってきた税収でなんとかする」という「家計の切りつめ運営」でしかないですからな。そんなもん、経済がシュリンクするに決まってますがな。

ちゅうか、実際、もう10年。いや、小渕さんの一年を除けば、橋本龍太郎が「財政再建」を謳って以来15年。均衡財政策、財政再建策を続けてきたのに、全然良い方向に行ってないじゃないですか。その事実が「均衡財政、財政再建案は効果がない。」ということを、証明しまくっている、というのが事実じゃないですか。

「官僚の言い分」が、えんえんずーーーっと、日本経済をガタガタにしてるんですよ。ええかげん、そこに気付かないと、国が潰れてしまう。

ここはとにかく減税とか積極投資とかをして、経済を回していく方向に舵を切らないとダメです。もう、本当にギリギリのところに来てると僕は思うんですよね。

で、そのあたりの「成長戦略」に関しては自民党もダメだったけど、民主党もイマイチでして、「うーん、ちょっとなぁ」という不満はあったわけです。
子供手当とかは、概ね間違ってないんですけど、あの政策は4年、5年経たないと効果が見えにくいでしょうし、なによりあれは、「投資」と言うより「資産の再分配」の機能の方が大きいですからな。直接経済を回す策というのとはちょっと違う。長期的戦略に属する案であって、いまは即効性のある政策こそが望まれてるわけですよ。そういうのがなくて困るワケです。

しかし、田村耕太郎は、そこいらも「政府主導で海外市場に打って出る」という発想があって、非常に面白いわけです。

(引用開始)--------------------
ですから、グローバルで考える、それと経営センスを持って国家財政を運営していく、この2点を強調したいですね。

 昨年12月の成長戦略策定会議・検討チームの会合で、竹中(平蔵慶應義塾大学教授)さんと菅(直人副総理兼財務相)さんが議論を交わした中で、菅さんは「供給よりも、まず需要を作ることが重要」だと仰っていました。

 けれど、既に膨大な需要が世界中にあるわけですね。だって新興国のインフラ市場だけでも、向こう10年で800兆円。その1割を取ったって80兆円、年間の国家予算ぐらい出る。日本には、高速道路や新幹線やダムや橋梁を造る技術があるんだから、やりようによっては、1割以上取れると思います。

 これを今の民主党政権は「民民」でやれと言っているんですよ。しかし民民でやるには、「ドバイメトロ」の件みたいに非常にリスクが高い(編集部注:今年1月、アラブ首長国連邦ドバイ首長国で、ドバイ政府発注の鉄道工事を進めていた日本企業連合が、代金の支払いが滞ったため、工事の一時停止に踏み切った)。

 やっぱり政府保証とか、在外公館を通じて相手のバックグラウンドをチェックするとか、あるいは外交の場でトップセールスをするとか、政府の後押しが必要。少なくとも、世界中はそうやっているわけです。

(引用終了)--------------------

「外交の場によるトップセールス」。
これです!これ!
日本政府に欠けているのは、これなのですよ。
で、これは政治家こそが旗を振って動かさないと動かない事なんですよね。

商売のネタは、それこそいろいろあるわけです。日本の技術力は高いですからな。っちゅうか、資源のない国ですから、戦後、ずーっとそういう「技術磨き」ばっかりやってきてたわけです。それはそれはすごい技術が山盛りあるわけですよ。

たとえば、海水の淡水化技術(浸透膜技術)なんていうのは日本がトップクラスで、世界が追いつけない分野です。で、水のビジネスというのは、これから人口が爆発していく地球において、非常に重要な市場なわけです。ここを逃す手はない。

それから石油精製技術。石油を掘り出しても、その石油を成分分離して、用途に応じて材料化しなければ活用できないわけで、少し前の石油の価格高騰も、アメリカで石油精製施設が少なくて行き渡らなかったという事が影響して起きた部分もあるそうです。

スーパーの無料ショッピング袋も、もともとは、まさにその精製の過程で生まれた廃物利用製品なわけで、その「廃物利用」をやめて、カバンを持ち歩くようにしてしまったら、逆効果ですがな。実際の話が。石油を単に燃やすだけじゃなくて、精製の過程で余分なものを袋に変えて、それが無料で配られて、しかもそれが家庭に入ってゴミ袋として、またまた再利用される。しかもそれがそのまま焼却炉にほおりこまれるから、焼却炉の燃料にもなって、ものすご~くエコに貢献しとる。そういう技術活用文化までひっくるめて日本の技術はすごい、と考えねばいかんのですよ。

それから当然太陽電池がありますわね。前に紹介した電気自動車エリーカの開発者である清水先生に言わせれば、エネルギーに関しては概ね太陽電池!と言うお話し。作物をエネルギーにするとかあるけど、それは作物を育てるのに大変なエネルギーを使うので、太陽エネルギーの変換方法としてはまったく非効率で結局は太陽電池だ、という話でありました。(原発に関しては「むにょむにょ」と言葉を濁してらしたが、まぁ概ね「ダメ」という意見らしい。やっぱり効率が悪いとかなんとか、そういうことなんでしょうね。)

太陽電池なんて、それこそ、いまや生産量でドイツに抜かれてますけど、それはドイツが政府主導で市場を作ったからこそなわけです。政府が「こっちだ!」と旗を振って動かさないと市場自体ができませんよ。(政府が原子力!と言ってるから困るんやけど。)

そういう「稼げるネタ」を積極投資で支えて、日本が世界に打って出て、そこで稼いだ金に正しく適正な「このくらいの税金なら、腹が立たない」という金額で税をかければ、もっともっと経済が広がって、税収の自然増収につながっていくわけですよ。

このあたりは、以下に引用する田村耕太郎の話がとても参考になるはずです。

(引用開始)------------------
―― 田村さんは、昨年、香港やアブダビなど積極的に海外へ出向いて、世界の経済人や投資家と議論を交わしていますね。グローバルで金儲けを狙う人々と触れて、温度差をすごく感じた?

 まったくその通り。成熟経済こそ成長するんだということを、香港もシンガポールも示してくれている。これからもまだ2ケタ成長するんだという意欲を見せているんです。

 彼らからすると、我々より条件が揃っているのに、何で日本ができないんだろうと不思議がっていますよ。技術も、お金も、文化的コンテンツも揃っているのに、何で儲けようとしないのと。欧米だって、政府高官や経済人が、必死でトップセールスをしていますからね。
(引用終了)------------------

政府高官や経済人が必死でトップセールスをする。そして成熟経済だからこそ「2ケタ成長するんだ」と意欲を持つ。これこそが、あたりまえの「あるべき姿」なんですよ。

実際、上にもあるように、「金も、技術も、文化的コンテンツも、全部日本は持ってるのに、なんでやらないんだ?」と海外からは見られてる。

その「やるべきこと」を止めてるのが官僚で、ほんとうにこいつらはどうしようもないバカだってことです。
そこいらを、もうちょっとしっかり、日本人自身が気付かないとダメなんですよね。

そういう「政府主導」をするためには、とにかく、国会から官僚を排除せよっちゅう小沢さんの発想は、基本的に正しいわけです。「働いたことがない」官僚を、国会に入れたら、こういう成長戦略に対する「ノリ気」が奪われてしまいますよ。

●官僚が勢いを削ぐ。

んです。

つまり、正しく認識しないといけないのは、いつも言うことですが、

●官僚の発想が「異常」

ということです。言葉は悪いが、やっぱり、「あいつらは、基本『キチガイ』やしなぁ」と認識しておくべきことだってことなんです。官僚という人種は税金によって生かされている(自分の力で生きたことのない)「精神的カタワ」なのだ、ということです。
(なのに、日本のマスコミは、その官僚の流すペーパーばかりでニュースを作って流してるんですよ!これが官製不況でなくて、いったい何なんんだ!ということですが。)

だから、今後大切なのは、税額は、あくまで「適正率」を求めると。納税する側が「負担」に感じるような税率なら、市場が冷え込むのは当たり前なんです。
経済が上向きになれば、必然的に税収も増えます。
事実、平成の借金王、小渕さんの時は国債を発行して総合対策を実施し、次の年にすぐに財政黒字になったんですよ!事実がそこにある!それをやらない方がどうかしてるんです。

「消費税アップ」みたいな低脳な発想しかできない官僚にベラベラと「政策」を語らせていたらダメですし、そのお題目みたいな「ビビリ」の理屈を、マスコミを通じて世間に流しまくるという悪癖を、ほんとうになんとかしないといけません。

で、そういう事は、この田村耕太郎みたいに、「ひとりで動く」事でもずいぶんと違うわけです。田村氏ひとりが「こっちで行く!」と決めたから、参院での民主系多数が安定したわけですから。

そういうことを、とても深く感じた情報でありました。

これからの日本。うまく成長していきたいですな。うむ。

コメント

お日様だいすき
2010年2月20日2:08

総務省で大臣になった原口が原口ビジョンって出してますが、この中で「創富力」とか言ってますな。(私は自給力だと思うんですが)

<URLが書けないので、総務省のHPのトピックで自分で探して・・・>

この中の 5ページ目の絵が実に判りやすくて・・・・。(まあ、本人が描いたのではないでしょうが・・・)コンセプトとしては正解でしょう。

シゲ
2010年2月20日2:40

>お日様だいすきさん
書き込みありがとうございます。
原口総務大臣! あの方はなかなかに素晴らしいですね。次の総理を狙える人ではないかなぁと思います。
原口ビジョンを読んでみましたが、なかなかに面白いです。あ、それと資料の中にちゃんと「創富力と自給力」って2つ並べて書いてますよ。(笑)

自給はこれからの地域運営では外せない基本項目だと思います。地産地消でやった方が中央(東京)経由のムダを省けて小回りが利くアジェンダはすごく多いでしょうし、そのためには自給力にプラスして富を「創造」するような企画力とか発想が大切なんだろうって思いますね。地域特性で発想は全然変わりますもんね。
単純な話、太陽電池は日照時間も平地も多い四国にはメリット多いですけど、東北地方とかだと、あまり向いてないですし。そのバランスと多様性を、どう活かして行くかでしょうね。
これからは、もう地域の現場も知らない中央官庁がああせいこうせいとうるさく言う時代ではなくなっていく、ということでしょうか。その方が良いと僕は思います。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索