民主党政権に変わってから、いろいろと思うことが多々ありますなぁ。

自民党政権というのは、官僚による支配で、それはつまり官僚たちをアメリカが直接コントロールしていた政権であって、関岡英之さんが『拒否できない日本』で紹介したように、「年次改革要望書」という文書のとおりに日本が改造され、アメリカの属国としての日本、というアプローチしか政策がなかったという事なんだ、というのが、大きな枠組みとしての理解だと思うんですね。

で、最近僕が、「あ、そうか」と気付かされたのは、例の田中宇さんのメルマガに、日本と中国が本気で手を組むことの意味が書いてあったことです。

(引用開始)-----------------
すでに英国の新聞は「明治維新以来の仇敵だった日本と中国が同盟を組む交渉を始めたので、世界は驚いている。世界第2位と3位の経済規模の日中が組めば、世界最強の勢力となる」と報じている。日本人の多くが自覚しないうちに、すでに世界は「日中同盟」を気にしている。
(引用終了)-----------------

ってことなのですな。
だから結局、アメリカは、もう昔から日本と中国が手を組むことを妨害してたんだなぁと、しみじみと実感したわけです。

佐藤栄作の沖縄返還からノーベル賞への流れも、(これはヨーロッパ勢からの牽制もあるでしょうが)、田中角栄の日中国交再開からロッキードによる追い落しまでの流れも、小泉君の靖国参拝から中国非難までの流れも、ようは外国勢による日本・中国の切り離し策としての側面が、かなり大きかったんだなぁって思う。

外からのあやつりに翻弄されるしかないのが日本だったのだなぁと。

いやまぁ、いまの民主党政権もそれなりに海外とのつながりはあるでしょうけどな。でも自民党みたいに、結党時にCIAからお金が出てたとかはないんやろなぁ、とは思います。ヨーロッパの貴族とか、そのあたりからは金が出てそうやけど。

やっぱり、国内文化から世界を見ようと思っても、それは無理なんよねぇ。まず地球をビー玉みたいに、ひとつの環境として見て、その中での関係性を見るとか、大きな世界史の流れの中に日本という国の歴史を位置づけるとかしないと、概略が見えてこないんやなぁとしみじみ実感したというような事ですね。

日本の、若く、貧しい層が痛めつけられていた、ここ数年、そういう層の人たちこそが「反中国!」とかを叫んでいて、「ああ、大きな力にあやつられてるんやろなぁ」という感じが強かったわけです。ネット右翼とかも同じ流れにありますわな。

なんなんやろね、あの、若い貧困層の人たちは。ネット右翼で、なぜか小泉君や麻生君が大好きで、中国攻撃ばっかりしている層。ここしばらくで、えらく増えた。たぶん、世の中の仕組みの変化で、自分たちが一番踏みつけにされていて、そのためにうっぷんは溜まるけど、友達や一般社会は同じ日本人として攻撃する気になれず、その分中国に恨み辛みをぶつけてたとか、そういう事なんやろなぁ。

でも、それはアメリカに都合が良かったから、そういう層が拡大することも、そのままにされてたって事なんよなぁ。

もともと、「死んだら仏さま」になる日本の文化では、「死人=スーパーパワーを持つスピリチュアルな存在」なので、むごたらしい殺し方をしたら、霊に恨み殺されるという宗教文化があって、それゆえに「苦しめずに殺す」というのが政治解決の手法の一つである戦(いくさ)においても当然だったわけです。

しかし、こんな文化は日本だけのものですから、中国の文化とは相容れません。中国人の歴史観では、偉人であれ悪人であれ、それは歴史という壮大な「空間」の中に永遠に生き続ける「人間」そのものなので、歴史的に「悪人」と規定されている人物は、わざわざ悪人の像を作ってツバをみんなで吐きかける、てなことまでします。

なので彼らは、ものすごくむごたらしい殺し方をするし、そういうところが日本人にはものすごく非道に見えて、どうしても国民的に好きになれないっていうのがあるわけです。
けど、それもまた文化なのでねぇ。好悪の感情とは別に、「アジア人同士仲良くする」というのは、しないとダメだと思うのよな。ご近所さんなんだから。

で、こういう文化の違いみたいな事は、実は中国でも日本でもない欧米人からの方が良く見える。丸見え。だから、それを利用されるわけだ。
で、わざと仲を引き裂くようにミスリードする。

南京大虐殺だって、レポートを書いたのは欧米人だしね。後からギャースカ言ってたのも、確か中国系「アメリカ人」だったわけですしな。

南京大虐殺で「30万人もの人が殺された」という一文があるんですが、あれは、もともと中国語を知っている人なら読み間違わないらしい。「30万人」というのは「ものすごく多くの」という意味の接頭語なんだそうです。中国語にはピンインがあるから、次の言葉につなげて修飾するには3万とか一万とかではゴロが悪くて修飾詞として使えず、どうしても30万になっちゃうんだってさ。

でも、それを分っていて「30万人」とわざと英語に誤訳した層というのがいてるわけです。
いや分っていてなのかどうかは、証拠がない。単なる誤訳かも知れない。そういう証拠のない感情操作っていうのをきゃつらはやるわけだ。実にずるい。けど、まぁ頭はいいよなぁ。ズル賢い。

で、「多くの人間が殺された」というのは事実だから、南京大虐殺を否定すると、日本人はウソつきであるかのように、向こうの人は思っちゃうわけですよ。

こういうズル賢い策略にはまったらアカンのです。日本人の宗教心と中国人の宗教心が水と油だ、ということまで、欧米人には見透かされてるんだから。
なので、別に「仲良く」まではしなくてもいいけど、協力したり、手を組んだりするのはどんどんしたら良いんだよなって思う。「アジア人同士争わず」だ。ああ、副島隆彦さんの提言は、やっぱり優れとるなぁ。感服してしまう。

中国の電車の中はゴミ溜めのようだし、中国産の食品は、なんだかんだいってもやっぱり不安だし、どうしても彼らの事はあまり好きにはなれないのですが、でもやっぱりお隣の国とは仲良くしなくちゃアカンのよな。結局はそこに行く。
嫌いだなぁという自分の感情を否定する必要はないと思うけど、そこをわざわざ拡大する必要もない。相性のあわん奴はおるよ。それはしょうがない。ま、是々非々で考えて行きましょうや。

そういう気がする。

コメント

どん太
2009年10月14日17:23

ネット右翼に関する感想、実に同感です。

なんなんやろね。
あの連中。。

ほんとに、「プアホワイトはなぜ共和党に入れるのか」と同じ疑問を彷彿とさせます。

シゲ
2009年10月14日22:45

> どん太さん

「プアホワイトはなぜ共和党に入れるのか」なんて言説とか事実情報とかあるんですか。ほー。それは知りませんでした。情報ありがとうございます。まぁ、いずこも同じってことですか。

なんかねぇ、ウロボロスというか、自分のしっぽを食べる蛇みたいな、そういう感じがあります。日本の貧困層は、小泉改革によって生み出されていて、しかも、まだまともな政治家なら、改革と同時に、反対意見も聞いて、セーフティーネット構築などで反対意見も吸収した上で改革断行という手順を踏むのに、あの人はそういうセーフティーネットとか考えもせずに「雰囲気」で「やってまえ!」と改革しただけなんですよね。ワンフレーズポリティクスで「改革なくして成長無し」とか言うだけ言って。

だから、ネット右翼の不満の根源は小泉君にあるのは、明々白々、誰が見てもわかろうものなのに、なぜかそういう層が「小泉バンザイ!」とか言ってたわけですよ。う~ん。

前の郵政改革の時も、弱者救済という流れが必要なのに、そういう話が全然出ないからこそ、「なんだ小泉、お前おかしいぞ!」という事をここで書いたり、よその掲示板でここの意見を紹介したりしたら、いちばん被害者になるような人こそが「小泉シンパ」だったので「なんだこりゃ?」と愕然とした覚えがあります。
「お前ら、自分を不幸にする人に投票するわけ?なんで?」って感じでした。

だから、これはもう、前の郵政選挙の時からずーっとなんですよねぇ。
なんなんだろう、これは?
ようは「改革」だったらなんでも良いって事ですかね?
私ゃ、わけがわからんです。

基本、小泉君は、米百俵の話で、国民に「まずガマンせよ」という事を言った段階で、「あ、こいつはアカン」と思いましたから。それを言うなら、まず小泉君自身が、自分の給料を受け取らないとかしないと話にならん。そう思ったんですよね。アップルのスティーブ・ジョブスを見ろよって事ですけど。彼は年収1ドルだぞ!って事です。

まぁそんなこんなで、「小泉は人気やけど、ヒトラーにもなれない、チンケな小物よなぁ。」というのが、あの時の感想だったんですけどね。

国際政治の場でも、ものすごくスキルが低いというのが最初の一ヶ月でわかったし。(アメリカに対して言うことと、ドイツに対して言うことが内容が真逆だったりしたのです。ようは相手におべんちゃらを言ってるだけ。話にもならん。スキル低すぎ。ようはアホ。ワンフレーズポリティクスのケレン味だけが得意だった人ですなぁ。タンカ売のうまいテキヤ稼業が本業というか、血筋なんでしょうな。えらいのを首相にしてしもたわ。日本も。やれやれ。)

(なのに、911の時の小泉の対応はすばやく的確だった。あれは多分、こういう事件が起きることを知ってたに違いないのだ。国際的な陰謀に加担してた可能性がある。それを暴かれたくないから、さっさと引退したに違いないわけで。まぁ、ろくでもない奴だと思いますわ。)

(ちなみに、リーマンショックで日本がものすごいショックを受けたのも、小泉改革が、別に本質的改革ではなくて、ようは輸出業者への利便を図っただけの微調整改革でしかなかったのが大きいわけです。世界の経済構造が変わったときに対応のしようがなかった。国内消費拡大とか、別のカードで補う余裕がなかった。21世紀は、日本にとって最悪の10年でしたなぁ。)

でもまぁアメリカでもプアホワイトは共和党に票を入れたりするわけですな。はぁ、なるほど。どこぞも同じか。騙される奴は、騙す相手に惚れちゃうわけですね。詐欺師の構造そのものですねぇ。ああ、やれやれ。

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