「おくりびと」を見ました。
昨日、とくだん予定もなかったので、ふと思いついて「おくりびと」を見に行くことにしました。

とりあえずリンクはDVDの「おくりびと」ね。すでに発売されてます。
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/B001Q2HNOW

まだ劇場でやってるのかな? と思って検索してみると、いちばん近い劇場で上映中。そのままネットで座席指定してしまったということなんですが。

で、いざ出かけてみると、ファーストシーン、はじまって5分も経っていないタイトルバック前、本木君演ずる納棺士が、まるでお芝居のワンシーンのように美しく遺体に服を着せていく様子を見て、もうグッときてしまって涙が出そうになるのでありました。

なんちゅうかねぇ、それなりに人生を過ごしてきて、肉親を亡くしてる人なら、みんなグッと来るよなぁって思う。そういう映画です。

とにかくもう、最初から最後まで、ずっとそんな感じでグッと来るシーンの連続ですな。
劇場中で嗚咽やらすすり泣く声が、静かに流れ続けるという、そういう映画であります。こういう映画もめずらしいんじゃないの? って思う。

まぁ、単純に「遺体を棺に入れる」という作業だけの話なわけですよ。基本は。
人間、どんな状況であっても、とにかく少なくとも日本では火葬することになってるので、棺に入れないといけない。

ちなみに、キリスト教文化圏では土葬が中心ですね。なんせ復活の日に神様が死者全員を蘇らせて審判を下すわけですから。焼いてしまったら、その時に体がないって事になってしまうわけです。アカデミー賞での上映の時に、このあたりの説明とかどうしたのかな? とかは思いますねぇ。

でもまぁ、おそらく土葬であっても、棺を使ったりはするでしょうしな。「納棺」自体は、きっとあると思う。

で、納棺業者の社長である山崎努が「大丈夫、うちは仏教から、キリスト教、イスラム、ヒンズー教まで全対応だ。」ってセリフがあって、そこがかなり良かったのです。
このセリフのおかげで、ワールドワイドな作品になってるなぁって思うんですよね。外人さんから見て「納棺士というのは日本独特のしきたりなのか?」と思われなくて済んでる。あくまで「宗教を越えた商売」というような形になっているところが、この作品を愛らしいものにしてると、僕は思いましたな。

ま、途中、あまりに説明口調すぎるところがあったり、ラストシーンが理詰めすぎて、ちょっと優等生すぎる気もしないでもないですけど、まぁセリフ無しでラスト数分を盛り上げたのは実に映画的で良かったのではないかと思います。

作品云々という前に、人の死そのものが持つ日常性と重要性そのものが素晴らしいと言うことなんでしょうね。僕もボロボロ泣きました。
で、ただそれだけの映画です。
そして、それだけの映画だから良い映画って事でしょう。

劇場を出る時に、どこかのおばちゃんが「ああ、よう泣いてしもたわ。」と言うてはりましたが、まぁ、その通り。
で、この映画を見て、みんな泣くんだなぁと言うことがとても良く分かったというのが、これまた劇場で見る意味のある事なわけです。

ほんとに劇場で見て良かった。
DVDだと、このあたりの事が実感できないから困りものです。

ということで、オススメです。機会があれば、ぜひ劇場でご覧ください。

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