最近、表題のキーワードを、くりかえしつぶやいております。

これは先日読んだ、

「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4806131032

にちょろっと書いてあったテクニックから発見した事なんですけど、このキーワード、かなり重要であるように思っております。

上記の本で、著者である吉永賢一さんは、

●問題集に「カンタン」と書く

というテクニックを紹介してくれているのですよ。

これは、難しそうな問題に取り組む時に、その問題の頭に、まず「カンタン」と書き込みましょうというテクニックなんですね。
で、解けなかった問題や復習が必要な問題には「!」を加えて「カンタン!」と書くようにします。

で、後から問題集を見て「!」マークの付いているものは復習の必要がある問題ですから、そればかりを復習するのですが、その復習の際にも、またもう一度「カンタン」と、その問題の頭に書き足すのです。

こうすると、難しい問題ほど「カンタン!」という言葉が並ぶわけですね。

これ、なんでもないことだけど、かなり重要なテクニックだぞ、と思ったわけです。

というのは、自分で英語の練習とかやってるんですが、僕もこの「マークをつけて苦手問題を見える化する」というテクニックは使ってるんですね。○印だったり、正の字だったり、それはいろいろですが。

でも、これをやってると、苦手問題ほど、どんどん印が増えて行って、より一層苦手感が高まってしまうんですよ。で、勉強が辛くなってきてしまう。
「あー、苦手なのが、こんなにたくさんあるよー」って思ってしまうわけです。

しかし、この「苦手意識」って、何の役にも立たないんですね。勉強する気合いを削ぐだけなんです。ほかにメリットがまったくない。

でも、多分、まだこの「カンタン」テクニックは使ってないので実感はないのですが、「カンタン」と書いてあると、多少はやる気が出ると思うのですよ。

それで、ああ面白いなぁと思ったわけです。

不得手問題にチェックを入れてそれだけを集中学習っていうのは、復習の基礎テクニックなんですけど、このテクニックのおかげで、どんどん日々「しんどい事が増えていく」って言うのが、問題なんですよね。

そういう意味で、この価値観のひっくりかえしは面白いなと思ったんです。

で。

実は、この価値観のひっくり返しって、ものすごく重要な意味を持っているぞ! とハタと気がついたのです。

というのは、いままで自分が何かを身につけてきた時の事をふり返ってみると、たいていは「そんなに難しいわけはないだろう」という、実に物事をバカにした態度で取り組んできた、という事なんですね。

ウクレレの練習とかでも同じなんですよね。「まぁ、この曲ならカンタンだから、そう難しくはあるまい」と手を出すわけです。

で、実際がどうだったか、というと、これがそんなもの一発でうまく行くことなんてあるわけがないわけですよ。絶対に失敗する。

でも、「カンタンだ」と思いこんでるから「あれ? ちゃんとできなかったなぁ。おかしいな、もう一度やってみよう。」とか、悩みもせずに再チャレンジするわけですよ。

「カンタンなはずだ」と思ってるから再チャレンジしてしまうんです。

わかります? ここのところ。

だからたとえば、「誰が練習しても100回くらい練習すればなんとかなる」ような課題があったとして、カンタンだと思っていると、この100回を、何の躊躇もなく、「あれ? おかしいな。なんで?」と即座に繰り返してしまうわけです。

で、カンタンだ、と思ってるから、その再チャレンジの回数は、全然覚えてないわけですよ。3回から5回くらい練習してるのに、それをひとまとめにして「1~2回さらえた程度よな」と思いこんでしまってる。で、結局100回練習してるんですけど、自分の主観イメージでは、「まぁさすがに15~6回は練習したかな? いや30回くらいはやったか。」とかいう感じになっていて、「でもまぁカンタンやったわ。」ってなるわけです。

しかし、これを「これは難しいのだ」と思って練習してしまうと、この100回を繰り返す時に一回ごとに深呼吸と心の準備と、お茶とお菓子と、父さん・母さんへの報告、あるいは友人・配偶者との雑談が必要になってしまう。で、結局、ものすごーい時間をかけて、98回くらいまで練習して「ダメだ。やっぱり難しい。あきらめるわ。」ってなってしまうんだと思うんですよ。

結局、世の中、そういう事と違うの?
って思ったって事なんですね。

これを分りやすく言い換えるなら、「カンタンなはずだ」という前提に立てば、モチベーションがものすごく上がる! という事なわけですよ。

これ、すごい発見だと思いませんか?

すごい発見をしたと、僕は思ってるんですが。

というのはね、最近思うのは、世の中の「プロ」という存在なんです。世の中には、ありとあらゆるプロがいてるわけです。うちのウクレレの先生みたいにウクレレやギターのミュージシャンとして活躍してる人もいれば、マンションの内装を引き受けてやっている人もいますし、ビルの設計をする人もいてれば、それを建てる人もいてます。

で、ビルを建てる、なんて事は、どうやったらいいのかさっぱりわかりませんけど、やっぱりプロがいて、その人達はその仕事をキチンとやり遂げているってことなんです。

そのやり遂げている仕事の一つ一つが、果たして「困難だ」と思ってやっているかというと、まぁ、たいていは「カンタン」にやってるんですよ。

簡単化する方法やノウハウとかはいろいろありますから、個別にはどんな事かわかりません。けれど、たとえば引っ越し屋さんだと、いろんな家財道具を傷つけずに運ぶための伸縮自在のキルティング加工がされた緩衝材を持っていて、どんな荷物でも、そういうので手早く「カンタン」にくるんで持って行ってしまうわけです。

ああいう緩衝材は引っ越し屋さん専用に販売されてたりするらしいんですけど、とにかく、やってるプロは、そういう事を「カンタン」にやってのけるわけですよ。

だから、世の中に起きているあらゆる事は、基本、「カンタン」なんですね。事実として、まずカンタンだから世の中が成立してるわけです。ビルを建てるなんて、ものすごく困難に感じますけど、建っている限りは、それは「カンタン」だから建ってるわけですよ。

つまり「簡単化」する方法は存在している、という事ですね。

だから後は、いかにそこに到達するか? なわけですけど、これ、「到達は難しいぞ」と思ってたら、やっぱり難しくなっちゃうわけですよ。で、98回目で「やっぱりだめだ」とか思ってしまう。

でも、「カンタンだ」と思っていると、とにかくお茶もお菓子も口にせずに、100回練習してしまうわけです。「カンタンなはず」だから。

だから、難しい問題にチャレンジするたびに「カンタンだ」と書き込んでカンタンと思いこむみたいに、とにかくあらゆる課題を「カンタンだ」と、まず思いこんでみるっていうのが大切だよなぁと思うのです。

難しく考えない。
とにかくカンタンなのだ、と言うことにしてしまう。

で、そのためには、とにかくまず、「すべての事はカンタンである」とつぶやいてみるというのが、思った以上に効果的であるように、私は思っているのでありますよ。

ま、そんな事で。

コメント

nophoto
吉永賢一
2009年2月23日2:02

あれこちらでもご言及くださり、ありがとうございます。

「すべてのことは、カンタン!」ということは、ぼくも思っています。

なぜ、「カンタン」と書くのかと言いますと、その背景を述べるならば、「カンタン」か「むずかしい」かは、あくまでも主観に過ぎないわけです。

ところが、生徒は、「この問題はむずかしい」と言う。

ほんとうは、「今の自分の理解力はまだ足りない」とか、そういうことであって、問題がむずかしいんじゃないんだと思うんです。

こういう部分については、ぼくの記述が足りなくて、「自己暗示」的にとられてしまうことが多いのですが、そうではなく、「事実、カンタン」だということで、シゲさまのおっしゃる通りだと思います。

わかれば、カンタン
むずかしいのは、わかってないから

というのは、ぼくが自分のためにつくったスローガンです。

そして、本エントリーに関連しているスローガンで自作のものに、

ナメてかかって、意地をはる

というものがあります。これも、ぼくは自分では、すごくいいことばだと思っているんです。

とにかく、とりかかるには、ナメてかかんなくちゃいけない。そして、ナメてかかると、やっぱりいろいろと困難が出てくる。そこで投げ出さずに、今度は意地をはる。

そうやって、進んでゆくのだと思うわけです。

むずかしいっていうのは、あくまでもぼくの心の中にあるだけで、ぼくが何と思おうと、世界は進展してゆくのだと思います。

シゲ
2009年2月23日13:27

>吉永賢一さん
こちらの方にも書き込みいただきありがとうございます。
いや、先の書き込みは自転車からみの話で「書評」ではなかったし、なにより書籍へのリンクを貼ってなかったので、あらためて書いた、ということです。

しかし、

●ナメてかかって、意地をはる。

というのはすごいですね。それはかなり有効なモチベーションアップのテクニックだと思います。最低限、心の健康と、体の健康さえ整っていれば、あとは何事も「ナメて」取り組んだ方が良いですよね。それは思う。
あと「意地を張る」というのは、他者から見れば「責任を果たす」ということでもあると思います。
ただ、「責任を果たす」と考えるとしんどい。重たいですもんね。そこは逆に主観で「意地をはる」としたほうが気が楽です。

でも本当は、大変なことでも「こんなのカンタンだよ~。」と真剣にそう信じ込んでしまう方が良いですよね。自己催眠とか自己暗示とかできると良いかなぁと思います。あんまり根拠のない自信ばっかりでも困りますけど、基本は「こんなのカンタンだよ~」ですよね。

このあたりはNLPのテクニックとも共通するのかもしれないですが。

よかったら、また覗きにきてくださいませ。

裏pico
裏pico
2009年2月23日20:21

ちょっと趣旨から外れますが、仕事で実践していることは
面倒だったり、やりたくない物から片付けて、終わったらそのご褒美に、遣り甲斐のある物や好きなことに取り掛かる。という方法を実践しています。
嫌なことを後回しにすると、嫌なことばかりたまっていき、さらにモチベーションが下がるので、単純なことですが効果を感じています。
特に、午前中に終わらせる!など目標を決めると気合いが入るので、タスクを消化する達成感も手伝ってなかなか良いです。

シゲ
2009年2月24日9:38

>裏picoさん
そうですね。やりたくない事はさっさと片付けるに限ります。ごほうびをぶら下げるのも重要ですよね。何事であれ、やらないと進まないんですからね。
ここで書いてる「すべての事はカンタンである」って言うのは、その「やりたくない事」を増やさないためのテクニックなんじゃないかな?と思っています。どうせなら、やりたい事ばかりになった方が、より楽しいわけですし。
僕が最近効果あるな、と感じてるのは「やりたくない事」に関して、何故やりたくないと感じているのかを、自分なりに明確化して、その原因を潰す、という事ですね。当然仕方ない事はありますし、受け入れるしかない事も多いのですが、それらは瞑想などで「忘れる」ようにして、それ以外の原因は自分でつぶします。
なぜ「やりたくない事」なのかを明確化して「やりたい事」に変えていくってことですね。これがけっこう良いように思ってます。なかなかできないんですが。
意外に、単純に寝不足でモチベーションが下がってるだけ、とかありますしね。
ともあれ、モチベーションアップは、本当に大切だと思います。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索