効率が10倍アップする 新・知的生産術
2008年8月8日 読書 コメント (1)
■月10冊と50冊の差。
今日は昨日読み終えた、勝間和代女史の
効率が10倍アップする 新・知的生産術
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4478002037/503-1393334-5299133
のご紹介。
最近、「今月読んだ本」で毎月読んだ本をリストアップして書くと、どっちでも良いような本にも一言二言書く、なんてことになって、そのくせ、「これはいろいろ書きたい」という本への言及が、後回しになっちゃうなぁと感じて、これはいかん!という事で書くことにしたのであります。
というのも、この本に「アウトプットを高めよう」という話が載っていて、ああ、その通りだなぁと思ったからなんですね。こつこつとアウトプットをしていれば、アウトプット力が高まってくるからやるべきだって事なんですね。
勝間さんのご本は、
●無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4887595441/503-1393334-5299133
●無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4887595867/503-1393334-5299133
●お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/433403425X/503-1393334-5299133
に続いて4冊目ですが、勝間さんの勉強法・ノウハウで、いままで「ちょっと変だなぁ」と思ってた部分がかなりこの「新・知的生産術」でクリアされていてスッキリした気はします。
ひとつに思っていたのは、勝間さんの知的生産の方法には、あまり紙媒体が登場しないと言う点。そこが気になっていて、書店で勝間さんの手書き色紙を見て「あ、あんまり上手い字じゃないなぁ、だからか。」と感じてたのですが、この本では、そのあたりの自分の偏りがまずいと感じられたのか「紙でもデジタルでも、なんでもいいからまずメモしましょう」という、当たり前のことがちゃんと書かれてました。(浅いけど。)
で、実際、勝間さんもウェストポーチにメモ帳を必ず入れてるんだそうです。ボイスレコーダーも使うけど、人の前では失礼になって使いづらいという事だそうで。
ノートパソコンを持ち歩くっていうのは、悪くないけど、現実問題としてはメモ帳をポケットに入れておいて、気がついた時にどんどんメモするって方が圧倒的に自分の発想を掬うには便利なんですよね。
だから、ちょっとやっぱり勝間さんはデジタルの方に傾き過ぎだと思うなぁ。この本でも、メモとか紙とかの優位性については言及してるけど、具体的な道具については一切語ってないんです。多分、紙はデジタル化する前のテンポラリなものとしてしか考えてないんだろうなぁって思う。
まずペン習字を二週間くらいでいいから練習して、メモを取るときにあわてず、自分が読むときに読みやすい字を書くように気をつける、というだけで、情報整理のあり方がかなり変わるだろうに。あと、自分の手書きの字を好きになること。それだけで、かなり文章自体が変わってくるはずなんだけどなぁ。もったいない事です。
まぁいいや、話がズレた。アウトプットが大切って事でした。
僕の読書歴で言うと、実は子供の頃にマンガが好きで、たくさんマンガは読んでたんですが、自分でもマンガを書きたくて、各種の「マンガ入門」の本を買ったという経験があるわけです。
石ノ森章太郎も手塚治虫もそういう「マンガの描き方」のような本を書籍として書いてるんですね。実は、僕にとって活字との接し方というのが、そういうハウツー物が子供の頃の印象深い形態のひとつとして存在してたので、「本は、読んだら、実際にやって試してみること」というのが、当たり前になってるところがあるんです。
なので、やたらとハウツー物の本が好きでして。
そういう意味で行くと、勝間さんの本は良いのですよね。ノウハウが実行しやすい具体的な形で書いてあって。当然、そのまま真似てもあんまり意味ないですけど。
ともあれ、本は、読んだら試さないと意味がない。
逆に言うなら、何かをやり始めよう、行動しようと思って本を読む、って事でもありますね。そういう姿勢が大事だろうなぁって思う。
まぁそういう人間なので、どんどん小説が読めなくなっちゃうんですけど。いや、小説も大事なんだけどね。まぁ、それはそれとして。
勝間さんも、読んだら試すって人らしく、そういう意味では共感するところの多い本でした。逆に言うと新鮮味は少なかったんですけど。7割くらいは同じような事を考えてるなぁって感じがしました。
ただ、違う部分3割が、やっぱりこの人はすごいんですけどね。
違う部分3割で「そうかぁ、なるほど」と思ったのは、「フレームワーク」という考え方の部分。これは新鮮かつ「そういう考え方でいくのは効率的だ」と、かなり刺激を受けました。やっぱり優れてる人は違うね。
でもまぁ、このあたりは、まだ僕が咀嚼しきれてないし、同じ勝間さんでも別の著作で「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」というのが出てるので、そっちを読んでから、また書くことにします。
ともあれ、この「7割は同じ発想だけど、3割は違う」っていうのは、要するに読んでる本の冊数の違いだなぁって事を思いました。
私で読了分月7−8冊。途中でやめたり、かじり読みでまぁいいやとしたものまで含めて、だいたい10冊ですが、勝間さんは月50冊ですからね。
速読のスキルも、お金を払って身につけて、ってことですから。
それに英語が出来るから、ものによっては英語の本も読んでおられる。
そういう差です。
速読のスキルもちょっとは身につけないといけないなぁって思いますね。まぁ、その前に、まず、出来ることをする、という事でテレビを見ずに本を読む時間をなんとか作り出せって言うのが、普通の人へのメッセージとして重要なんでしょうけど。
少なくとも僕はもう、それはクリアしちゃってるからなぁ。
読んだらわかる事ですし、僕自身はすでに実行してる事なので、わざわざ書くのもどうかと思うのですが、「そのとおり!それが一番!」と思った事を、ちょっとまとめますと、
●TO DO LIST より NOT TO DO LIST
これは上記のテレビを見るな!と同じ事ですね。自分の生活の中で「やめるべきこと」をリストアップして、やめるなり減らすなりしましょうって事です。
テレビの他にも、酒、タバコ、ゲームなどなど、けっこういろいろあります。
僕だとすでにタバコはやめてるので問題ないんですが、一年ほど前から酒の味を覚えて、毎日のように飲むようになっちゃったんで、これを減らさないといけない。ちゅうか、やめないとダメですね。あと、エロページを含む、ネットサーフ。これも減らすかやめるかしないといけない。(でも性的なものを「排除」するというのは、人間の本質からかけ離れているので、それはウソですね。減らせても排除はできんだろうな。)
速読も大事なんだけど、普通の人なら、まず「読む時間の確保」が先なんですね。で、その時間の確保にテレビ視聴時間を減らすというのは相当効果が高いです。
テレビにも有用な情報はあるんですが、万人受けさせるために内容が薄くなっていて、情報取得の時間効率がとても悪い、というのが勝間さんの指摘。まさにその通りなんですよ。書店での立ち読みや、書籍による情報取得の効率と、テレビでの情報取得の効率を考えると、僕の実感では20倍くらい違うと思う。テレビはひたすら、自分が知りたい事とは関係ないことを、えんえんずっと見てないとダメなんですよね。「ここだ!」という時に必ずCMが入るし。まぁ「無料」で広告してる媒体なんだから、しょうがないですけど。
やはり情報はお金を払って得るというのが一番で、それは結局「コスト的に見れば同じ事」になると勝間さんはおっしゃる。一万円払って得られる情報の質は、どの媒体でも結局は同じ事なんですね。2000円の本を5冊買うか、500円の本を20冊買うかは、結局同じなのだ、という話です。そういう意味で行くと、無料のテレビ放送で、一万円分の価値のある情報は、まず得られないって事ですね。
ここは、肝に据えておいた方がよろしい。実際その通りですから。
●お金より情報が大事
これは、この本の最初に書いてあった事なんですが、なんとなくは思っていながら、こうもはっきり書かれると、「そうか!そうだったのか!」と改めて気付かされる事で、僕はかなりショックを受けた一言でした。この一言を読んでしばらく、半日くらいかなぁ、「お金より情報が大事、お金より情報が大事、お金より情報が大事…」と、えんえん念仏を唱えるみたいにつぶやいてました。
上記の「テレビを見るな」と同じ事なんですが、いまの世の中、「お金がいちばん」というような時代になってしまっているように見えるんですが、その実、実態は「お金を出して情報を買っていて、それが大事だから金をつぎ込んでる」わけですよ。
つまりそれは「お金より情報が大事」って事なんです。
だから、本を読まないとダメなんですね。本です。本。もう、これは絶対。
●情報ソースは自分と他人と良書
で、勝間さんが上げてる大事な情報ソースは3つ。自分自身と他者の頭と良書なんですね。これも、僕はライターをやっていて、インタビューが仕事になっているので、すごく良く分かる。
「お金より情報が大事」と分れば、では情報はどこから生まれるのか? と考えなくてはなりません。で、情報が生まれているところは、テレビとかではなくて、人間の頭の中なんですね。
良い情報を自分の頭に入れて、キチンとフレームワークに沿って考えれば、それなりのアイディアや発想とかは出てきます。これをうまく掬うことです。これがまず一番重要な情報。
(ただし、ゴミを入れたらゴミしか出ないという問題がありまして、インプットしてない人は、まず先にインプットを増やさないと、良いアイディアも出ません。これまた当たり前の事です。)
他人の頭というのは、違う立場の人と実際に接してお話しをうかがうって事ですね。僕で言うと、この日記とかには書けないですけど、仕事上で企業の社長さんにインタビューしたり、ノーベル賞クラスの学者さんの講演DVDを文字起ししたりする機会がかなりあるんですが、そういう時の情報は、すごく有用です。本を10冊読むよりインパクトが大きいです。
で、次が良書。
これは言わずもがなです。本が良いのは、持ち歩いて空き時間にちょっとでも読み進められる事ですね。これを毎日5分からでいいからやってるかやってないかは、ロングスパンで見た時に、とんでもなく大きな差になると思います。
●生活習慣の技術がすべての基礎
これも、当たり前の事なんですが、「継続は力なり」です。本当に、これは大きな力でして、この継続力をつけるために生活を見直しましょうと勝間さんはおっしゃってる。
で、睡眠や食事から見直していきましょうとおっしゃる。勝間さん曰く、「睡眠は投資なんです。」という事。ちょっと目の前の楽しさに釣られて、つい夜更かしするのは、生活資金が足りなくてキャッシュローンを借りてるのと同じだという事なんですね。
効率の悪い頭でボケボケで、内容のない薄っぺらな情報を見てるというのは、金利がべらぼうに高いお金を借りてるような事で、賢い人がするべきことではない。
睡眠時間は、確実に確保することで体の修復、情報の整理が着実に行われてリターンが大きい。確実な投資であると考えなさいって事なんです。
これもその通りでして、僕が前から書いてる「後退することこそが進歩すること」にもつながるんですね。学習していて進歩できない時は、ワンステップ前の知識や学力が足りてない事がとても多いんです。そういう時は、自分が確実にできる基礎に立ち戻って問題点がないかを確認するのが、とても効果が高い。
そういう意味で、もっとも効果の高い「立ち戻り」は、まさに生活習慣でして、睡眠量を増やし、早寝して、朝の時間を有効活用し、食生活も質素にしていくというのが、結果的に、ありとあらゆる分野に良い効果を生むんですね。
僕はまだまだ、この基礎ができてないんですが、いまは早寝早起きにチャレンジ中であります。
あ、あと砂糖とか白米とか白いものは避けよ、ってのも勝間さんの言う事であり、僕も感じてる事ですなぁ。砂糖は中毒性があるよなぁ。やばい。
中毒というのと依存というのは一体化したものですからな。アダルトチルドレンってのが人への依存というのと同じで、依存に偏るのはヤバイです。
●バックアップは複数持つ。
あと、これはあまりに当たり前の事で、わざわざ言うほどの事でもないんですが、まぁ一時期ウィルス対策ソフトが大事かどうかとかの話をやりとりしたことがあるので、ちょっと。
勝間さんは、ノートPCを使ってるので、日々バックアップを取ってるそうです。当然ですわね。ノートパソコンも複数台持って、どれか壊れても他のノートで仕事ができるようにしてるそうです。
このあたりは当たり前の事で、僕も自宅と仕事場でパソコンは二台あって、それぞれにメールの記録は完全に二重に保管してあるし、仕事で自分が書く原稿に関しては、全部をひとつのテキストにまとめて、自宅と仕事場と、自分のホームページにバックアップと3つのバックアップを取ってます。
仕事帰りには毎回(とも限らないけど、まぁ週に4回から5回)は、そのテキストをFTPするわけですね。
で、自宅に帰ると、そのテキストを自宅のPCに取り込みます。
これで、まぁ必要な情報はキチンとバックアップがとれる。どれかパソコンが壊れても心配はない。これが自己責任って事ですね。こういう事を日々やってれば、別にウィルスなんて恐いものではないわけですよ。
さる世界的大企業の親会社さんのお仕事をさせていただいた時も、そのグループ会社の全データを預かるようなデータセンターというのを、そういう大企業さんだと持ってます。データを管理する専門の建物を建ててるんですね。耐震性のある独自設計の建物で、すごいものでした。
で、そこで何をやってるかというと、ものすごいセキュリティがかかっていて、IDカードを持ってないと入れないブースの中で、膨大な数のサーバーが、24時間、えんえんデータをバックアップし続けてるわけですよ。
データがなくなったら、自分の企業の終わりですからな。
自己責任の社会っていうのは、こういう自分の「お金より大事な情報」を、自分で徹底して守る社会って事です。
当たり前だけど。
だから、とにかく「何を残しておかなければいけないのか?」を自分に問いかけて、絶対に必要な情報に関しては、日々バックアップを取るって事ですね。
で、大事なのは、この「自分への問いかけ」で、ここを正しく考えないと、どうでも良いゴミ情報までバックアップするという愚行に走ることになる。
で、そういうような愚行に走ると、どんどんバックアップを取るのが面倒になって、大事な情報ですら複数持っていないという状態になっちゃうんですね。
で、そういう不安がある人が、「ウィルス対策ソフト」に頼ったりしてたりする。
いやー、ウィルス対策ソフトなんか、屁の役にも立ちませんよ。あんなもの。だっていたちごっこなんだから。こっけいとしか思えない。
大事な情報は、まず自分だって事です。
自分にとってエッセンシャルな情報って何だ? と自分に問いかけることでしょう。
だいたいパソコンは壊れる。(笑)
勝間さんの文章を引用します。
(引用開始)--------------------------
■ノートパソコンは「定期的に壊れる」ことを前提に
とはいえ、ノートパソコンは定期的に壊れます。水をかけてしまったり、落としたり、理由もなく立ち上がらなくなります。
銀行のオンラインシステムや大きなウェブショッピングのシステムなどは、必ずシステムの二重化を行っており、24時間何かトラブルがあった場合にでも、動き続けるように設計されています。
私たちのノートパソコンも同じなのです。ノートパソコンは必ず壊れます。したがって壊れた後にあわてないために、下記のようなリスクマネジメントをお薦めします。これも生産性を落とさないための技法の一つです。
(引用終了)--------------------------
とあって、その後に、
・パソコン2台以上用意
・バックアップを定期的に(バックアップソフトの紹介)
・メールはローカル以外にGmailでも保存
・ノートの修理も速いサービスを選択
・電池も同じものを二個用意し定期的に交換して使う。
となっておりまして、まぁ実に見事に「ウィルス対策ソフト」なんてものは紹介されてすらいない。見事だなぁ、さすがに外資系に勤めてた人は違う。
日本人だと、この発想に「でも、ウィルスって伝染して他人に迷惑かけるじゃん」っていう気遣いが入るんですよね。だから「ウィルス対策ソフトを入れるのは礼儀だ」みたいな事を考えてしまう。
でも、それ以前にパソコンは壊れますから。最近の台湾製のボードなんか、「技術の進化を考えれば、パソコンは買い換えが必然。3年以上使えるパソコンを設計するのはコストのムダ」って発想ですしね。だからパソコンはウィルス以前に、まず壊れるんです。そうなってるんです。
なので、まずデータは自己責任でつねにバックアップを取る以外に手はないし、ウィルス以前にPCが壊れた時を想定してないとダメって事です。PCって、もともとそういう文化を背景に発展してきた道具なんだから、それはしょうがないよって事でね。
まぁ、僕的には「そんな事当たり前やん」って話なんですけど、まぁ勝間さんがわざわざリストにして書いてると言うことは、こういう当たり前の事も考えつかない人の方が多いってことなんだろうなと逆に気付いて紹介しました。
僕的には上記の対策のうち、
・電池も同じものを二個用意し定期的に交換して使う。
というのが「ああ、それは良いな」と思いました。携帯電話だとバッテリーってアホほど高いのだけど、ノートパソコンの場合は、本体に比べると、まぁまぁそこそこの値段であるし。良いアイデァですねぇ。
--------------------------
まぁ、こんなとこかな、この本に関しては。
でも、おおむね一般人にはお勧め出来る内容だと思います。情報の整理・集約度が高いので、あまり情報整理・知的生産関連の書籍を読んでない人(それこそ月1冊と読まない人)には、モレ・ムダがなくて良い本だと思います。あんまり読んでない人には、こういう集約度の高い本をお薦めしたくなりますわね。
(このモレ・ムダがないってのが、また勝間さんならではのノウハウなんですが、それはまた。)
今日は昨日読み終えた、勝間和代女史の
効率が10倍アップする 新・知的生産術
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4478002037/503-1393334-5299133
のご紹介。
最近、「今月読んだ本」で毎月読んだ本をリストアップして書くと、どっちでも良いような本にも一言二言書く、なんてことになって、そのくせ、「これはいろいろ書きたい」という本への言及が、後回しになっちゃうなぁと感じて、これはいかん!という事で書くことにしたのであります。
というのも、この本に「アウトプットを高めよう」という話が載っていて、ああ、その通りだなぁと思ったからなんですね。こつこつとアウトプットをしていれば、アウトプット力が高まってくるからやるべきだって事なんですね。
勝間さんのご本は、
●無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
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●無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4887595867/503-1393334-5299133
●お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/433403425X/503-1393334-5299133
に続いて4冊目ですが、勝間さんの勉強法・ノウハウで、いままで「ちょっと変だなぁ」と思ってた部分がかなりこの「新・知的生産術」でクリアされていてスッキリした気はします。
ひとつに思っていたのは、勝間さんの知的生産の方法には、あまり紙媒体が登場しないと言う点。そこが気になっていて、書店で勝間さんの手書き色紙を見て「あ、あんまり上手い字じゃないなぁ、だからか。」と感じてたのですが、この本では、そのあたりの自分の偏りがまずいと感じられたのか「紙でもデジタルでも、なんでもいいからまずメモしましょう」という、当たり前のことがちゃんと書かれてました。(浅いけど。)
で、実際、勝間さんもウェストポーチにメモ帳を必ず入れてるんだそうです。ボイスレコーダーも使うけど、人の前では失礼になって使いづらいという事だそうで。
ノートパソコンを持ち歩くっていうのは、悪くないけど、現実問題としてはメモ帳をポケットに入れておいて、気がついた時にどんどんメモするって方が圧倒的に自分の発想を掬うには便利なんですよね。
だから、ちょっとやっぱり勝間さんはデジタルの方に傾き過ぎだと思うなぁ。この本でも、メモとか紙とかの優位性については言及してるけど、具体的な道具については一切語ってないんです。多分、紙はデジタル化する前のテンポラリなものとしてしか考えてないんだろうなぁって思う。
まずペン習字を二週間くらいでいいから練習して、メモを取るときにあわてず、自分が読むときに読みやすい字を書くように気をつける、というだけで、情報整理のあり方がかなり変わるだろうに。あと、自分の手書きの字を好きになること。それだけで、かなり文章自体が変わってくるはずなんだけどなぁ。もったいない事です。
まぁいいや、話がズレた。アウトプットが大切って事でした。
僕の読書歴で言うと、実は子供の頃にマンガが好きで、たくさんマンガは読んでたんですが、自分でもマンガを書きたくて、各種の「マンガ入門」の本を買ったという経験があるわけです。
石ノ森章太郎も手塚治虫もそういう「マンガの描き方」のような本を書籍として書いてるんですね。実は、僕にとって活字との接し方というのが、そういうハウツー物が子供の頃の印象深い形態のひとつとして存在してたので、「本は、読んだら、実際にやって試してみること」というのが、当たり前になってるところがあるんです。
なので、やたらとハウツー物の本が好きでして。
そういう意味で行くと、勝間さんの本は良いのですよね。ノウハウが実行しやすい具体的な形で書いてあって。当然、そのまま真似てもあんまり意味ないですけど。
ともあれ、本は、読んだら試さないと意味がない。
逆に言うなら、何かをやり始めよう、行動しようと思って本を読む、って事でもありますね。そういう姿勢が大事だろうなぁって思う。
まぁそういう人間なので、どんどん小説が読めなくなっちゃうんですけど。いや、小説も大事なんだけどね。まぁ、それはそれとして。
勝間さんも、読んだら試すって人らしく、そういう意味では共感するところの多い本でした。逆に言うと新鮮味は少なかったんですけど。7割くらいは同じような事を考えてるなぁって感じがしました。
ただ、違う部分3割が、やっぱりこの人はすごいんですけどね。
違う部分3割で「そうかぁ、なるほど」と思ったのは、「フレームワーク」という考え方の部分。これは新鮮かつ「そういう考え方でいくのは効率的だ」と、かなり刺激を受けました。やっぱり優れてる人は違うね。
でもまぁ、このあたりは、まだ僕が咀嚼しきれてないし、同じ勝間さんでも別の著作で「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」というのが出てるので、そっちを読んでから、また書くことにします。
ともあれ、この「7割は同じ発想だけど、3割は違う」っていうのは、要するに読んでる本の冊数の違いだなぁって事を思いました。
私で読了分月7−8冊。途中でやめたり、かじり読みでまぁいいやとしたものまで含めて、だいたい10冊ですが、勝間さんは月50冊ですからね。
速読のスキルも、お金を払って身につけて、ってことですから。
それに英語が出来るから、ものによっては英語の本も読んでおられる。
そういう差です。
速読のスキルもちょっとは身につけないといけないなぁって思いますね。まぁ、その前に、まず、出来ることをする、という事でテレビを見ずに本を読む時間をなんとか作り出せって言うのが、普通の人へのメッセージとして重要なんでしょうけど。
少なくとも僕はもう、それはクリアしちゃってるからなぁ。
読んだらわかる事ですし、僕自身はすでに実行してる事なので、わざわざ書くのもどうかと思うのですが、「そのとおり!それが一番!」と思った事を、ちょっとまとめますと、
●TO DO LIST より NOT TO DO LIST
これは上記のテレビを見るな!と同じ事ですね。自分の生活の中で「やめるべきこと」をリストアップして、やめるなり減らすなりしましょうって事です。
テレビの他にも、酒、タバコ、ゲームなどなど、けっこういろいろあります。
僕だとすでにタバコはやめてるので問題ないんですが、一年ほど前から酒の味を覚えて、毎日のように飲むようになっちゃったんで、これを減らさないといけない。ちゅうか、やめないとダメですね。あと、エロページを含む、ネットサーフ。これも減らすかやめるかしないといけない。(でも性的なものを「排除」するというのは、人間の本質からかけ離れているので、それはウソですね。減らせても排除はできんだろうな。)
速読も大事なんだけど、普通の人なら、まず「読む時間の確保」が先なんですね。で、その時間の確保にテレビ視聴時間を減らすというのは相当効果が高いです。
テレビにも有用な情報はあるんですが、万人受けさせるために内容が薄くなっていて、情報取得の時間効率がとても悪い、というのが勝間さんの指摘。まさにその通りなんですよ。書店での立ち読みや、書籍による情報取得の効率と、テレビでの情報取得の効率を考えると、僕の実感では20倍くらい違うと思う。テレビはひたすら、自分が知りたい事とは関係ないことを、えんえんずっと見てないとダメなんですよね。「ここだ!」という時に必ずCMが入るし。まぁ「無料」で広告してる媒体なんだから、しょうがないですけど。
やはり情報はお金を払って得るというのが一番で、それは結局「コスト的に見れば同じ事」になると勝間さんはおっしゃる。一万円払って得られる情報の質は、どの媒体でも結局は同じ事なんですね。2000円の本を5冊買うか、500円の本を20冊買うかは、結局同じなのだ、という話です。そういう意味で行くと、無料のテレビ放送で、一万円分の価値のある情報は、まず得られないって事ですね。
ここは、肝に据えておいた方がよろしい。実際その通りですから。
●お金より情報が大事
これは、この本の最初に書いてあった事なんですが、なんとなくは思っていながら、こうもはっきり書かれると、「そうか!そうだったのか!」と改めて気付かされる事で、僕はかなりショックを受けた一言でした。この一言を読んでしばらく、半日くらいかなぁ、「お金より情報が大事、お金より情報が大事、お金より情報が大事…」と、えんえん念仏を唱えるみたいにつぶやいてました。
上記の「テレビを見るな」と同じ事なんですが、いまの世の中、「お金がいちばん」というような時代になってしまっているように見えるんですが、その実、実態は「お金を出して情報を買っていて、それが大事だから金をつぎ込んでる」わけですよ。
つまりそれは「お金より情報が大事」って事なんです。
だから、本を読まないとダメなんですね。本です。本。もう、これは絶対。
●情報ソースは自分と他人と良書
で、勝間さんが上げてる大事な情報ソースは3つ。自分自身と他者の頭と良書なんですね。これも、僕はライターをやっていて、インタビューが仕事になっているので、すごく良く分かる。
「お金より情報が大事」と分れば、では情報はどこから生まれるのか? と考えなくてはなりません。で、情報が生まれているところは、テレビとかではなくて、人間の頭の中なんですね。
良い情報を自分の頭に入れて、キチンとフレームワークに沿って考えれば、それなりのアイディアや発想とかは出てきます。これをうまく掬うことです。これがまず一番重要な情報。
(ただし、ゴミを入れたらゴミしか出ないという問題がありまして、インプットしてない人は、まず先にインプットを増やさないと、良いアイディアも出ません。これまた当たり前の事です。)
他人の頭というのは、違う立場の人と実際に接してお話しをうかがうって事ですね。僕で言うと、この日記とかには書けないですけど、仕事上で企業の社長さんにインタビューしたり、ノーベル賞クラスの学者さんの講演DVDを文字起ししたりする機会がかなりあるんですが、そういう時の情報は、すごく有用です。本を10冊読むよりインパクトが大きいです。
で、次が良書。
これは言わずもがなです。本が良いのは、持ち歩いて空き時間にちょっとでも読み進められる事ですね。これを毎日5分からでいいからやってるかやってないかは、ロングスパンで見た時に、とんでもなく大きな差になると思います。
●生活習慣の技術がすべての基礎
これも、当たり前の事なんですが、「継続は力なり」です。本当に、これは大きな力でして、この継続力をつけるために生活を見直しましょうと勝間さんはおっしゃってる。
で、睡眠や食事から見直していきましょうとおっしゃる。勝間さん曰く、「睡眠は投資なんです。」という事。ちょっと目の前の楽しさに釣られて、つい夜更かしするのは、生活資金が足りなくてキャッシュローンを借りてるのと同じだという事なんですね。
効率の悪い頭でボケボケで、内容のない薄っぺらな情報を見てるというのは、金利がべらぼうに高いお金を借りてるような事で、賢い人がするべきことではない。
睡眠時間は、確実に確保することで体の修復、情報の整理が着実に行われてリターンが大きい。確実な投資であると考えなさいって事なんです。
これもその通りでして、僕が前から書いてる「後退することこそが進歩すること」にもつながるんですね。学習していて進歩できない時は、ワンステップ前の知識や学力が足りてない事がとても多いんです。そういう時は、自分が確実にできる基礎に立ち戻って問題点がないかを確認するのが、とても効果が高い。
そういう意味で、もっとも効果の高い「立ち戻り」は、まさに生活習慣でして、睡眠量を増やし、早寝して、朝の時間を有効活用し、食生活も質素にしていくというのが、結果的に、ありとあらゆる分野に良い効果を生むんですね。
僕はまだまだ、この基礎ができてないんですが、いまは早寝早起きにチャレンジ中であります。
あ、あと砂糖とか白米とか白いものは避けよ、ってのも勝間さんの言う事であり、僕も感じてる事ですなぁ。砂糖は中毒性があるよなぁ。やばい。
中毒というのと依存というのは一体化したものですからな。アダルトチルドレンってのが人への依存というのと同じで、依存に偏るのはヤバイです。
●バックアップは複数持つ。
あと、これはあまりに当たり前の事で、わざわざ言うほどの事でもないんですが、まぁ一時期ウィルス対策ソフトが大事かどうかとかの話をやりとりしたことがあるので、ちょっと。
勝間さんは、ノートPCを使ってるので、日々バックアップを取ってるそうです。当然ですわね。ノートパソコンも複数台持って、どれか壊れても他のノートで仕事ができるようにしてるそうです。
このあたりは当たり前の事で、僕も自宅と仕事場でパソコンは二台あって、それぞれにメールの記録は完全に二重に保管してあるし、仕事で自分が書く原稿に関しては、全部をひとつのテキストにまとめて、自宅と仕事場と、自分のホームページにバックアップと3つのバックアップを取ってます。
仕事帰りには毎回(とも限らないけど、まぁ週に4回から5回)は、そのテキストをFTPするわけですね。
で、自宅に帰ると、そのテキストを自宅のPCに取り込みます。
これで、まぁ必要な情報はキチンとバックアップがとれる。どれかパソコンが壊れても心配はない。これが自己責任って事ですね。こういう事を日々やってれば、別にウィルスなんて恐いものではないわけですよ。
さる世界的大企業の親会社さんのお仕事をさせていただいた時も、そのグループ会社の全データを預かるようなデータセンターというのを、そういう大企業さんだと持ってます。データを管理する専門の建物を建ててるんですね。耐震性のある独自設計の建物で、すごいものでした。
で、そこで何をやってるかというと、ものすごいセキュリティがかかっていて、IDカードを持ってないと入れないブースの中で、膨大な数のサーバーが、24時間、えんえんデータをバックアップし続けてるわけですよ。
データがなくなったら、自分の企業の終わりですからな。
自己責任の社会っていうのは、こういう自分の「お金より大事な情報」を、自分で徹底して守る社会って事です。
当たり前だけど。
だから、とにかく「何を残しておかなければいけないのか?」を自分に問いかけて、絶対に必要な情報に関しては、日々バックアップを取るって事ですね。
で、大事なのは、この「自分への問いかけ」で、ここを正しく考えないと、どうでも良いゴミ情報までバックアップするという愚行に走ることになる。
で、そういうような愚行に走ると、どんどんバックアップを取るのが面倒になって、大事な情報ですら複数持っていないという状態になっちゃうんですね。
で、そういう不安がある人が、「ウィルス対策ソフト」に頼ったりしてたりする。
いやー、ウィルス対策ソフトなんか、屁の役にも立ちませんよ。あんなもの。だっていたちごっこなんだから。こっけいとしか思えない。
大事な情報は、まず自分だって事です。
自分にとってエッセンシャルな情報って何だ? と自分に問いかけることでしょう。
だいたいパソコンは壊れる。(笑)
勝間さんの文章を引用します。
(引用開始)--------------------------
■ノートパソコンは「定期的に壊れる」ことを前提に
とはいえ、ノートパソコンは定期的に壊れます。水をかけてしまったり、落としたり、理由もなく立ち上がらなくなります。
銀行のオンラインシステムや大きなウェブショッピングのシステムなどは、必ずシステムの二重化を行っており、24時間何かトラブルがあった場合にでも、動き続けるように設計されています。
私たちのノートパソコンも同じなのです。ノートパソコンは必ず壊れます。したがって壊れた後にあわてないために、下記のようなリスクマネジメントをお薦めします。これも生産性を落とさないための技法の一つです。
(引用終了)--------------------------
とあって、その後に、
・パソコン2台以上用意
・バックアップを定期的に(バックアップソフトの紹介)
・メールはローカル以外にGmailでも保存
・ノートの修理も速いサービスを選択
・電池も同じものを二個用意し定期的に交換して使う。
となっておりまして、まぁ実に見事に「ウィルス対策ソフト」なんてものは紹介されてすらいない。見事だなぁ、さすがに外資系に勤めてた人は違う。
日本人だと、この発想に「でも、ウィルスって伝染して他人に迷惑かけるじゃん」っていう気遣いが入るんですよね。だから「ウィルス対策ソフトを入れるのは礼儀だ」みたいな事を考えてしまう。
でも、それ以前にパソコンは壊れますから。最近の台湾製のボードなんか、「技術の進化を考えれば、パソコンは買い換えが必然。3年以上使えるパソコンを設計するのはコストのムダ」って発想ですしね。だからパソコンはウィルス以前に、まず壊れるんです。そうなってるんです。
なので、まずデータは自己責任でつねにバックアップを取る以外に手はないし、ウィルス以前にPCが壊れた時を想定してないとダメって事です。PCって、もともとそういう文化を背景に発展してきた道具なんだから、それはしょうがないよって事でね。
まぁ、僕的には「そんな事当たり前やん」って話なんですけど、まぁ勝間さんがわざわざリストにして書いてると言うことは、こういう当たり前の事も考えつかない人の方が多いってことなんだろうなと逆に気付いて紹介しました。
僕的には上記の対策のうち、
・電池も同じものを二個用意し定期的に交換して使う。
というのが「ああ、それは良いな」と思いました。携帯電話だとバッテリーってアホほど高いのだけど、ノートパソコンの場合は、本体に比べると、まぁまぁそこそこの値段であるし。良いアイデァですねぇ。
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まぁ、こんなとこかな、この本に関しては。
でも、おおむね一般人にはお勧め出来る内容だと思います。情報の整理・集約度が高いので、あまり情報整理・知的生産関連の書籍を読んでない人(それこそ月1冊と読まない人)には、モレ・ムダがなくて良い本だと思います。あんまり読んでない人には、こういう集約度の高い本をお薦めしたくなりますわね。
(このモレ・ムダがないってのが、また勝間さんならではのノウハウなんですが、それはまた。)
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