良書は意外に素顔を隠す。
2007年12月2日 読書
ISBN:483795670X 単行本 本田 健 三笠書房 2006/11 ¥1,470
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/483795670X/249-9767057-8485143
う〜ん、そうだったのか! とうなってしまった一冊。
ずっとアダルトチルドレンの知識をもとに、いろいろ書いてきてましたが、ずっとNLP(神経言語プログラミング)に関してだけは、いまひとつ良い印象がなかったので、あんまり読まずにいたのですね。
というのも、NLPの立場の人は、つねに「トラウマに問題解決の原因を求めても問題は解決しない」という事を言ってたから。
いやー、それはおかしい、根本問題に気付いてなかったから、私は苦しかったし、それに気付いてから随分ラクになったのだよ、と思ってたので、どうにもNLPというのは信用ならなかったんですね。
でも、これもまたアダルトチルドレン関連の書籍と同じで、現場臨床に基づいてテクニックをまとめたものがNLPなので、NLPとタイトルの付いてる書籍はどうしても総花的になってしまい、その結論・総論として「トラウマに注目しても解決にならない」になっているのだと、この本を読んでわかりましたね。
ずっとNLPは気になっていてNLPと名の付いた書籍は立ち読みでサラッと流し読みはしてきたんですけど、テクニックの総まとめみたいな本ばかりで心に響かなかったのですよ。
でもどうも、NLPの本質をちゃんと受け止めて整理してる本っていうのは、タイトルにNLPというような総花的な文言は入らないみたいですな。
という事で、この本ですが、訳者が「幸せな小金持ちシリーズ」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4763184237/249-9767057-8485143
や「ユダヤ人大富豪の教え」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4479790764/249-9767057-8485143
を書いた本田健さんなので、多少は気にはしてた本だったのですが、タイトルがあまりに軽くて敬遠していたんですね。
ただ先日、たまたま、この「一瞬で自分を変える法」の続編である「一瞬で「自分の夢」を実現する法」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/483795684X/249-9767057-8485143
が、いつもはあまり行かない書店にどーんと並んでいて、少し気になったので前作である、この「自分を変える法」を手にとってみた、という事なのであります。
読むまで、NLPの概念に沿って展開されている本だとは知らなかったのですが、いざ読み出すと、これがやたらと面白いんですねぇ。
「一瞬で自分を変える」などと書いてあるから眉唾に感じるわけですけど、でも実際、自分の感情というのは、回りの出来事に敏感に反応していて、一瞬一瞬変化し続けているわけです。
で、マイナス思考になるとか、物事を悪い方に考えるというのは、一種の「クセ」のようなもので、自分の中に悪いクセが何個も何十個も入っているというだけの話で、それをどんどん良く捉えるように書き換えてやれば良いわけです。
それは「悪い捉え方をした、その一瞬」にこそ修正の必要があるわけで、まさにタイトル通り「一瞬で自分を変える法」なんですね。これはなかなかに面白いです。
テクニックはいろいろ書いてありますが、その概念を学ぶだけでも役に立ちます。
良く言われる「コップ半分の水は、『半分しか入ってない』のか『半分も入っている』のかと、捉え方で意味がまったく変ってしまう」という話も、まさにNLPのテクニックそのものだったんですね。
この本、アメリカでの初版がなんと1986年でして、20年も前の本なんですよ。「そうかぁ、こういう事を、すでに20年も前からやってたのか」と感慨深いものがあります。
日本では、NLPのいろいろなテクニックのわかりやすいところだけが、いろんな書籍のいろんな部分に掲載されたりしてきたって事なんだろうなという気がしました。
それに、テクニックだけではダメなんですよね。NLPの技法は汎用的に役立つけど、それらはあくまでテクニックで、個別事情に応じて最適のテクニックを活用してくれるようなカウンセラーにつかないと、あまりに深く根付いてしまった「クセ」には難しいのかも知れないし、やはりNLPに長けたカウンセラーにつくのが、ベストなんでしょうけど、でも、この書籍に紹介されているテクニックや考え方を知るだけでも、そうとうに面白いのです。
たとえば、自分の悪いクセの解消に、悪いクセの原因行動と、それが解消されてうまく行くようになった自分のイメージとをワンセットでイメージする手法、なんていうのは「あ!なるほど!」と目ウロコでした。
悪いクセを持っているという事を、逆に力として利用するわけですね。悪い考え方や行動が出てきた時に、理想の姿もセットで思い出すようにイメージングして、で、頭のスクリーンの中で悪いクセを縮小し、良いクセを拡大する。で、その良い状態をしっかりと味わう。(どれだけ臨場感を持って味わうかがポイントなようですね。色・匂い・音などなど。)
これだけでも相当に現実的に役立つテクニックであります。
すでに自分がアルコール依存症になりかけているという人が、飲みたいなと思った瞬間に、二日酔いではない、快適な目覚めをイメージするようにセットしておくとかね。こういう「瞬間」を日々積み重ねて、イメージ練習していく、というものなわけです。
これはあくまでテクニックのひとつではありますけど、発想として、ものすごく新鮮でした。悪癖の力を逆に活用させてしまうわけですから。実に面白い。
まぁもちろん、これは自分の悪癖を自覚してないと、全然効果がないテクニックで、酒を飲む事自体を問題視してない場合には役に立たないわけですけど、その場合でも「何が嫌で、どうなりたいか」というのは、みんな考えてるわけで、その「嫌」と「ありたい自分」をワンセットでイメージングすれば、かなり効果があるって事ですわ。
これねぇ、ブラインドタッチの練習とそっくりなんですよね。実は一時期ブラインドタッチの練習ソフト(シェアウェア)の開発をやってた時期がありまして、いろいろ調べてたんですが、練習する過程で、「苦手なキー」というのが出てくるんです。「Y」とか「?」はかなり打ちにくく感じたりします。でも、その時、「Y」とか「?」を打つ練習したらダメなんですよね。そうではなくて、打ちやすいキーを、もっと素早く正確に打てるようにする。つまり、苦手キー以外の能力をもっと磨く、という事をするのです。これが正解なんですね。
なんでかというと、キーの数は決まってますから、他のキーが完全に打てるようになったら、苦手キーは「それら得意キーとは異なる指の動かし方をするキー」として、必然的に間違わなくなるからなわけです。
たとえば、「Y」は、たいてい「U」と打ち間違うんです。あるいは「T」とか。それなら「U」や「T」を正確に練習すれば、「そうではない打ち方がYだ」と必然的に体が覚えてくれるんですね。
これと結局は同じ事だなぁと思うのです。一日は24時間ですから、「良いことを考える時間」を増やせば、嫌でも「悪く捉えてしまう時間」は減っていくわけです。だから得意な所を、うまく伸ばせば良い訳です。
まぁ実際には、こういうテクニックだけでは「良い生き方」が身に付くわけでもないのだろうとは思いますが、アダルトチルドレンの概念だけでは、どうにもうまくいかないなぁという部分も多々ありましたので、僕的には大発見だったのでありますよ。
特に、ここをご覧になっている方には、けっこう面白い書籍かもしれませんなぁと思ってご紹介した次第であります。ご一読あれ。
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/483795670X/249-9767057-8485143
う〜ん、そうだったのか! とうなってしまった一冊。
ずっとアダルトチルドレンの知識をもとに、いろいろ書いてきてましたが、ずっとNLP(神経言語プログラミング)に関してだけは、いまひとつ良い印象がなかったので、あんまり読まずにいたのですね。
というのも、NLPの立場の人は、つねに「トラウマに問題解決の原因を求めても問題は解決しない」という事を言ってたから。
いやー、それはおかしい、根本問題に気付いてなかったから、私は苦しかったし、それに気付いてから随分ラクになったのだよ、と思ってたので、どうにもNLPというのは信用ならなかったんですね。
でも、これもまたアダルトチルドレン関連の書籍と同じで、現場臨床に基づいてテクニックをまとめたものがNLPなので、NLPとタイトルの付いてる書籍はどうしても総花的になってしまい、その結論・総論として「トラウマに注目しても解決にならない」になっているのだと、この本を読んでわかりましたね。
ずっとNLPは気になっていてNLPと名の付いた書籍は立ち読みでサラッと流し読みはしてきたんですけど、テクニックの総まとめみたいな本ばかりで心に響かなかったのですよ。
でもどうも、NLPの本質をちゃんと受け止めて整理してる本っていうのは、タイトルにNLPというような総花的な文言は入らないみたいですな。
という事で、この本ですが、訳者が「幸せな小金持ちシリーズ」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4763184237/249-9767057-8485143
や「ユダヤ人大富豪の教え」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4479790764/249-9767057-8485143
を書いた本田健さんなので、多少は気にはしてた本だったのですが、タイトルがあまりに軽くて敬遠していたんですね。
ただ先日、たまたま、この「一瞬で自分を変える法」の続編である「一瞬で「自分の夢」を実現する法」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/483795684X/249-9767057-8485143
が、いつもはあまり行かない書店にどーんと並んでいて、少し気になったので前作である、この「自分を変える法」を手にとってみた、という事なのであります。
読むまで、NLPの概念に沿って展開されている本だとは知らなかったのですが、いざ読み出すと、これがやたらと面白いんですねぇ。
「一瞬で自分を変える」などと書いてあるから眉唾に感じるわけですけど、でも実際、自分の感情というのは、回りの出来事に敏感に反応していて、一瞬一瞬変化し続けているわけです。
で、マイナス思考になるとか、物事を悪い方に考えるというのは、一種の「クセ」のようなもので、自分の中に悪いクセが何個も何十個も入っているというだけの話で、それをどんどん良く捉えるように書き換えてやれば良いわけです。
それは「悪い捉え方をした、その一瞬」にこそ修正の必要があるわけで、まさにタイトル通り「一瞬で自分を変える法」なんですね。これはなかなかに面白いです。
テクニックはいろいろ書いてありますが、その概念を学ぶだけでも役に立ちます。
良く言われる「コップ半分の水は、『半分しか入ってない』のか『半分も入っている』のかと、捉え方で意味がまったく変ってしまう」という話も、まさにNLPのテクニックそのものだったんですね。
この本、アメリカでの初版がなんと1986年でして、20年も前の本なんですよ。「そうかぁ、こういう事を、すでに20年も前からやってたのか」と感慨深いものがあります。
日本では、NLPのいろいろなテクニックのわかりやすいところだけが、いろんな書籍のいろんな部分に掲載されたりしてきたって事なんだろうなという気がしました。
それに、テクニックだけではダメなんですよね。NLPの技法は汎用的に役立つけど、それらはあくまでテクニックで、個別事情に応じて最適のテクニックを活用してくれるようなカウンセラーにつかないと、あまりに深く根付いてしまった「クセ」には難しいのかも知れないし、やはりNLPに長けたカウンセラーにつくのが、ベストなんでしょうけど、でも、この書籍に紹介されているテクニックや考え方を知るだけでも、そうとうに面白いのです。
たとえば、自分の悪いクセの解消に、悪いクセの原因行動と、それが解消されてうまく行くようになった自分のイメージとをワンセットでイメージする手法、なんていうのは「あ!なるほど!」と目ウロコでした。
悪いクセを持っているという事を、逆に力として利用するわけですね。悪い考え方や行動が出てきた時に、理想の姿もセットで思い出すようにイメージングして、で、頭のスクリーンの中で悪いクセを縮小し、良いクセを拡大する。で、その良い状態をしっかりと味わう。(どれだけ臨場感を持って味わうかがポイントなようですね。色・匂い・音などなど。)
これだけでも相当に現実的に役立つテクニックであります。
すでに自分がアルコール依存症になりかけているという人が、飲みたいなと思った瞬間に、二日酔いではない、快適な目覚めをイメージするようにセットしておくとかね。こういう「瞬間」を日々積み重ねて、イメージ練習していく、というものなわけです。
これはあくまでテクニックのひとつではありますけど、発想として、ものすごく新鮮でした。悪癖の力を逆に活用させてしまうわけですから。実に面白い。
まぁもちろん、これは自分の悪癖を自覚してないと、全然効果がないテクニックで、酒を飲む事自体を問題視してない場合には役に立たないわけですけど、その場合でも「何が嫌で、どうなりたいか」というのは、みんな考えてるわけで、その「嫌」と「ありたい自分」をワンセットでイメージングすれば、かなり効果があるって事ですわ。
これねぇ、ブラインドタッチの練習とそっくりなんですよね。実は一時期ブラインドタッチの練習ソフト(シェアウェア)の開発をやってた時期がありまして、いろいろ調べてたんですが、練習する過程で、「苦手なキー」というのが出てくるんです。「Y」とか「?」はかなり打ちにくく感じたりします。でも、その時、「Y」とか「?」を打つ練習したらダメなんですよね。そうではなくて、打ちやすいキーを、もっと素早く正確に打てるようにする。つまり、苦手キー以外の能力をもっと磨く、という事をするのです。これが正解なんですね。
なんでかというと、キーの数は決まってますから、他のキーが完全に打てるようになったら、苦手キーは「それら得意キーとは異なる指の動かし方をするキー」として、必然的に間違わなくなるからなわけです。
たとえば、「Y」は、たいてい「U」と打ち間違うんです。あるいは「T」とか。それなら「U」や「T」を正確に練習すれば、「そうではない打ち方がYだ」と必然的に体が覚えてくれるんですね。
これと結局は同じ事だなぁと思うのです。一日は24時間ですから、「良いことを考える時間」を増やせば、嫌でも「悪く捉えてしまう時間」は減っていくわけです。だから得意な所を、うまく伸ばせば良い訳です。
まぁ実際には、こういうテクニックだけでは「良い生き方」が身に付くわけでもないのだろうとは思いますが、アダルトチルドレンの概念だけでは、どうにもうまくいかないなぁという部分も多々ありましたので、僕的には大発見だったのでありますよ。
特に、ここをご覧になっている方には、けっこう面白い書籍かもしれませんなぁと思ってご紹介した次第であります。ご一読あれ。
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