今回の選挙は、前の郵政選挙の時とは違って、アンチ小泉君の僕としては、まぁ納得の行くものでした。

しかし、本当は郵政選挙の時に、こういう結果になってなけりゃいけなかったんだと思う。

でも、そうはならなかったのは、単純に小泉君の言う「改革だぁ!」というかけ声だけの改革論を、イメージで「改革は良いことだ」と無批判に受け入れてしまった層が少なからず、というか、ものすごく多くいたからでしょう。

改革すりゃぁなんでもいいのか?新しくなれば、それで全部OKなのか? 中身もちゃんと確かめないで? そんなアホな話はない。だから、そういう単純な判断っていうのが本物の「敵」なんだよなぁって思うのです。

「改革だぁ」というかけ声を聞いても、「ん? どういう改革?わしアホやし、ようわからんわ。わかるように説明してくれや。」と問いかけて、それでわかりやすく説明しようとする(ちゃんと説明できてなくても良い)方を、僕としては信用したい。

小泉君のやり方でよくわかったのは、「改革だぁ」と言って景気をつけたら、その後説明もせずに「ドンドン行け!」とか言って無茶苦茶をする人間が、この世の中を悪くしているって事です。

「よーわからん。わし、アホやし。」

これほど強力な態度はないはずなのに、なぜかこの重要な態度を取る人間が少ない。「分かってない自分」を受け入れてないって事なんでしょうね。分かってなくても良いのだ。実際に分かってないんだから。で、分かっていない自分というものを、正しく受け入れてこそ「分からないから、勉強しよう」って事になるわけで。

(っちゅうか「わかってないな、ワシ」と思えたら、まずその段階で心の基礎体力はクリアですよ。その後勉強するかしないかは、また別のチョイスですからな。まず大事なのは自分を知るという事やと思う。)

いま、安倍君はいろいろに叩かれているけれど、本来、いまの政治に対する不満は小泉政権の時に無茶苦茶をやったツケが回ってきているだけであって、安倍君の責任はそれほど大きくはないと思うわけです。

(いや、安倍君の「美しい国へ」も読んだので、安倍君という人間が人格的にかなり問題のある人だというのは直感的にわかってたんですがね。このあたりはmixiの日記で去年の今頃に書いたんですが、まぁここでは書いてないので、読みたい方はmixiで読んでください。連絡もらえれば招待もしますよ。)

でも、まるで安倍君が全て悪いかのように、みんなゴチャゴチャ言うけど、そうやないやろ! って思う。小泉の「改革だぁ!」を「そうや、そうや!」と、わかりもせずに無批判に支持した奴がいてたという事こそが問題で、そういう我々の心のあり方をこそ、徹底批判しないとダメなんだと僕は思うのです。

で、私がいつも意見を参考にさせてもらっている副島隆彦氏も、森田実氏も今回の小沢一郎を高く評価してます。そして、小沢さんは、今回の選挙で、ヘリやら小型チャーター機まで使って山の奥まで分け入って演説したらしい。体もそれほど良くないのに。そういう部分を副島さんなんかは評価してて、僕も「そうなのか、えらいなぁ」とは思うのだけど、小沢がエライという事もさることながら、まず「わけもわからず『改革』に飛びついた浮ついた人達」についてこそ、キチンといましめないといけないって思うのですよ。

僕は民主党のマニフェストが、まさに小泉君がほっぽり出してほうかむりしていた部分を明確に指摘していて気持ちよかったのです。(「年金手帳」「子供手当」「農業を元気に」って部分ね。)(あ、でも比例は民主に入れなかったなぁ。まぁいいや。)

でも、そういう事って、普通に普通の実感を持って生きていたら、普通に気になるテーマのはずなんですよね。
でも、そこに気付かせないようにするのが「改革だぁ!」というかけ声だったりするわけです。

だから本当に小泉君の大衆にこびた政治の仕方ってのが嫌いです。で、それはみんなが嫌うべき事なんだって思うんですが、どうなんでしょ。いまだに小泉クンのファンがいたりするからなぁ。やだなぁ。

とりあえず、内容を精査しない「改革!」とかにはノーと言いたいですね。改革するのはいいけど、内容の精査こそが重要と言いたい。

ようは、安倍君とかが悪いとか、「改革が良い」とか、小沢がえらいって事じゃなくて、「わからんもんはわからん」と、自分にちゃんと問いかける事が大事って話なんだって事が言いたいのでありますよ、私は。わかってない自分をちゃんと自覚するって言うか…。ね。

ま、今回の選挙の結果で思ったのは、そんなことでありました。

コメント

nophoto
陶子
2007年8月2日23:04

こんばんわ。
小泉さんの雰囲気作りはすごく上手かったですよね。
小難しいことは抜きにして、とりあえず人々の不安を解消するのがうまかったなと。
そこに実態はなかったりするのに、みんな乗っちゃうんですよね。
めんどくさい真実よりも、なんとなくいいことありそうな感じが好きってことなのでしょうか。
何だかあるある詐欺にひっかかった人が、犯人に散々不安を煽られたあげく、「これは詐欺なんですよ」と言う警官に「お願い!嘘でもいいから(お金)振り込ませて!」と言ったという話を思い出してしまいました。
とりあえず目の前にある不安から解消されたいという思いから出た言葉だと思うのですが、人の心理ってそうなんだ・・・としばし考えてしまいました。

現実を見るというのはかなり大変なことなのかもしれませんね。
わからないことを認めない、怒りの感情を認めない、不安を認めない。
そういう状態の人から「考え過ぎだよ」とか言われると、頭に血が上って上って大変です。まるで夏の夜空にドーンと咲く大玉花火のようです(無理矢理きれいに締め・・)

シゲ
シゲ
2007年8月3日8:16

>陶子さん
そうですねぇ。大衆の人気を得るのはうまい人でしたね、小泉君は。
僕はほんとうに小泉君が嫌いで。
あのアメリカにこびへつらった態度。そのくせ国内ではカッコイイ首相ってイメージだけは保とうとする。

アメリカと日本の関係って、親会社と子会社・関連会社みたいなものだと思うのですが、親会社とは関係なく、独立経営で客を増やし収益をあげるのが本来の姿なのに、親会社からの発注だけを頼みに社内統括をする、ダメダメ雇われ社長みたいなのが小泉のバカですから。
で、親会社からの発注と連結決算ばーっかり気にしてて、で、回りから「自社独自の商品力や営業力をつける事も考えなきゃ会社が自滅ですよ。」と言われて「へ? 何それ? そんなこと、考える必要あったの? 俺良くわからんわ。やっといて。」と、平気で言ってしまうタイプの社長です。
ほんとに最悪。戦後の首相の中で、もっともひどい首相でしょうね。

でも、そういう最低宰相を「コイズミしかいてないやん論」で選択したのが、我々国民でして。そこがまた情けない。いまは「アベしかいてないやん論」で自民党が沈みかけてますが、その前に郵政選挙の時に、日本自体がものすごく深く沈んでしまったんだという事を、国民みんなが理解すべきですけどねぇ。まぁ無理か。トホホ。

みんな嫌な事は見たくないんよなぁ。特に「自分が間違ってた」という事は見たくない。困った事です。

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