ISBN:4091573312 コミック 島本 和彦 小学館 2005/04 ¥560

敬愛する作家(?)の飯田史彦さんが昨年暮れに倒れられた。脳内出血で、あわやという所、たまたま偶然、入院した先の当直の先生が脳外科の権威。それも、いつもは当直なんかしないのに、この日に限って当直していたという危機一髪。

やっぱ、使命のある人は、そう簡単には死ねないんだと思う。ほんと。

で、年末はファンがみんなやきもきしてたのだけれど、二月に入って無事仕事にも復帰。ホームページを見てみると、いろいろ自分で書いておられて、ほんとうにホッとする。

(あ、飯田さんは、「経営学者」が本業です。前に私「経済学」とか書きましたけど間違い。経「営」学です。人間のモチベーション管理ってことが専門ね。)

そしたら、そのホームページで、この「逆境ナイン」の映画版のDVDのことを書いておられた。そうとうに気に入っておられるご様子。

ふむふむ。と気になったので、昨日ちょっとマンガ喫茶にでかけて原作を読んでみた。全六巻。三時間とかからずに読み終えた。

まず出だしが「逆境とは思うようにならない境遇や不運な境遇のことをいう!!」から始まり、いきなり「廃部だー!」と校長から申し渡される弱小野球部の物語。

廃部を逃れるために甲子園を目指すというギャグマンガなのだ。

「そこの、校長室の隅に、甲子園の優勝旗を飾りたいとは思いませんか?」と野球部キャプテンが校長を説得するという展開。

いやまぁギャグマンガなんだけどね。でも、言わんとしてることがいいんだよなぁ。ようは「いかに逆境を乗り越えるか」ですから。

そらもう、信じられないほどの逆境ばかりが、彼らを襲う。チームのメンバーがラジオ工作していて間違ってハンダごてを素手で握ってしまってバットが持てなくなるとか。(なんじゃそりゃー!)
主人公が一回の表で倒れて、気がつくと9回の表になっていて、112点差とかね。

そんな無茶な逆境を、これまた無茶な熱意で次々乗り越えていくのが主人公の「不屈闘志(ふくつ・とうし)」。
部員達に無茶な練習をさせていることを問われて、こう答える。

「おれが無茶をさせているのではない。しいていえば3つの条件、男の3つの条件がおれたちに無茶をさせているのさ!!
その条件とは、
ひとつ 男はイザというときにはやらなければならない!!
ふたつ 今がイザというときである。
そしてみっつ おれは……おれたちは男なんだッ」

わはははは。いいねぇ。
でもホント、「いまがイザという時」なんだよなぁ。ほんと。

基本は「でっかい目標を持て」ってことですね。廃部だ!と言われて「甲子園優勝」ですから。このギャップがいい。

でもホント、これこそがモチベーション管理の真髄なんだよなぁ。目標がない、あるいは低すぎるから「やる気」が出なくて落ち込んでしまうんだもの。それは本当にそうなんだもの。

そういう意味では「ドラゴン桜」も同じ。あれは受験の物語だけれど、目標管理も重視していて、やっぱりいきなり「東大合格!」から始まる。

おなじ種類の話なんだよなぁ。

でもね、高校で大学受験をするなら、究極は東大が一番上の目標なんだというのはみんな知ってるわけですよ。野球なら甲子園です。だから、そのナンバーワンを目指す手法は、ナンバーツー以下をクリアするのにも効果的であることは間違いないわけです。

ここが大切なんですねぇ。

いま私は、5年くらいかけてTOEIC900点以上を取ろうと思っておりますが、もうね、「TOEIC600点突破のかんどころ」みたいな本とか読まないもの。時間の無駄ですわ。そんなもん。

「逆境ナイン」を読んでいると、西田文郎(にしだ・ふみお)の「ツキを超える成功力」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774506931/503-5482659-9385529
あたりと、言ってることがそっくりなんですな。

西田さんはプロスポーツアスリートの顧問とかもされている方で、この人もモチベーションの維持管理のプロだけど、この人のお話も大好きで。

で、「逆境ナイン」で語られていることが、実に似ている。そっくりなのです。

これは想像だけど、西田文郎も島本和彦も飯田史彦も、みんなB型だと思うのよな。たぶんきっと、ほぼ間違いなくそうだ。

B型っていうと突拍子もない変人とか思ってる人も多いかもしれないけど、この人たちの本とか読むと、その精神構造がよくわかっていい。実に立派な人たちなので(あー、島本和彦はちょっと違うかも知れない。:笑)、ぜひ多くの人が感化されて欲しいものだと思う。

「逆境ナイン」のチームメンバーなんて、物語の最後には、困難が立ちはだかった時に「来た来た来た来た。これが逆境だー!」と目をランランと輝かせるくらいでしてね。

いやまぁ、そんな逆境が来ないと燃えられないって方が本当は問題なんだけどね。普段から燃えておけよってことなんですが。

ともあれ、逆境であろうとなかろうと、幸せであったり充実感であったり、そういう内面的な豊かさみたいなものは「自分の責任」において、いかようにでもコントロールできるのだ、ということが、この本を読めばわかる。(これは本当。)

やる気が出ないだの、幸せを感じられないだの、欲求不満を発散させねばだの、ちんたらぽんたら文句ばーっかり言ってる奴は、ようするに「自己管理」が出来てないだけだっつーことですな。ようは。

いやまぁ「自己管理」っていうのが一番難しいんだけどさ。ま、目標を大きくすると、自己管理も、こまかな修正の手間無く、長続きしてラクだよな、っていうのは思う。
小さな目標をいくつも持つと、それごとにやることが全部バラバラで大変なんだよね。挫折もしやすいし。
目標は大きいほうが管理は簡単だわ。ホント。

「逆境ナイン」映画版のホームページはこちら。
http://www.gk9.jp/

全力でないものは死すべし! だよ。

ま、そんなことで。

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