去年の10月からやってたんだけど、一月いっぱいで終わるということだったので、「本田宗一郎と井深大展」をひとりで見に行ってきた。

やっぱり日本人はモノづくりだよなぁとつくづく思う。
宗教観とか、社会ルールとかは、そう簡単に海外から取得してマネッこできないけど、モノづくりは違うのよなぁ。モノそのものがあるから、確実に世界の最先端に到達できるし、日本人のまじめさや精緻さがあればいきなり世界一になれたりするんだなぁとつくづく感じた。

そういう何か突き抜けたことをやれる人はやっぱり違うよなぁと、いろいろ感心する。

まぁ本田宗一郎さんにせよ、井深大さんにせよ、ありとあらゆるところで話題になっている人たちだから、たいていのことはすでに知ってる話ばっかりだったんですけどね。

でも「展示物」とともにそういうエピソードがあると、やっぱり説得力が違うのよなぁ。

で、私的に感動したのは、本田宗一郎さんが、マン島のバイクレースで日本一になった時のバイクの音を音声ガイドで聞いた時でした。
(展示会とかに行くと500円とかで貸し出ししてくれる音声ガイドってありますよね。今回、それを聞いたのであります。)

いやー、すごいよ。
エンジン音がすごいよ。
やったるでーって叫んでるよ。

なんかそういう感じがすごくあってうれしかった。
こればっかりは聞かないとわからんよなぁ。
仕事で鈴鹿サーキットに行って、あそこでエンジン音聞いた時もすげーなぁって思ったけど、それに近いものを感じたわねぇ。

で、もっと感激なのは、「音」は井深大さんがやり続けてきたってことですわな。
この展示会はようするに音と車の展示会でもあったわけで、そういう意味でも感慨深かった。

なにより本田宗一郎さんと井深大さんは個人的にアニキと呼び合う親友同士だったということもあって何か意義深く感じてしまいましたなぁ。

で、僕はエンジンとかには詳しくないけど、身の回りに来ている人たちはとても若い人たちで、展示されている当時のエンジンスペックとかサスペンションの方式とかを見ながら「へぇ〜○○方式って言えば、○○で使ってたやつやん。うんたらかんたら」とか言いながら、床にはいつくばって、携帯を懐中電灯代わりに車の裏を照らしながら観察したりしてるわけです。

うーん、日本人の文化は死なずだなぁ。と思うのですよ。
この探究心が、ごく普通なんだもんなぁ。
まだまだ大丈夫だよなぁと思う。

しかもこの展示会、うれしいことに「写真撮影可」なのです。
ああ、すばらしい。
実に日本人的だ。
オープン。

みんな携帯デジカメでパシャパシャやりまくり。
それこそ若い女の子まで。

いいよなぁ。
うれしいよなぁ。
なんか。

携帯デジカメも日本人ならではだしなぁ。

なんつーかDNAは受け継がれるよなぁという感じがあっていいのですよ。

で、展示会が終わると感想を書く用紙とボックスがあったのだけれど、そのボックス前には、いままでに書き込まれた感想が壁一面に張り出されててねぇ。
読むとねぇ、感動するわ。ほんと。
なんつーか、みんな元気をもらって帰ってるんだなぁと。

いやまぁ、逆に、いまの世の中に、それこそ本田さんや井深さんのような、良き「オヤジ」がいなくなったのが問題なのかも知れないんですけどね。
だからこういう展示会で足りなくなったものを得に来ようとしてるのかも知れない。
でも、ともあれ、もらえたんならいいじゃんとは思ったなぁ。

私的には展示の最後にソニーのワープロが置いてあって、生前の井深氏が「この機械でワープロに挑戦しようと、本田宗一郎氏宛ての手紙を書き始めたところ、とたんに本田宗一郎氏の訃報が飛び込み、それ以来生涯井深氏はワープロには手を出そうとされなかった」というのがなんともしみじみ来た展示だったんですが。
いや、私、文章書きが商売なもんでね。

んー。
うむ。

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