ISBN:4828411127 単行本 副島 隆彦 ビジネス社 2004/03/27 ¥1,575

知る人ぞ知る副島隆彦(そえじま・たかひこ/ふくしまじゃないからね。)さんである。私は心底尊敬する。世界基準の知性を持つ人である。

テレビにはあまり出ない。が、このあたりは何も言うまい。とにかくテレビの政治番組なんか見てるヒマがあったら副島さんの本を読みなさい。その方が500倍勉強になる。

でも。

実はいままで、もう何冊も何冊も副島さんの書籍は読んでるのだけれど、一冊たりともこういう場などでは紹介してこなかったのであります。実は読む人を選ぶのである。日本的な土俗の考えに染まりすぎてる人が読むと腹が立って大嫌いになるという可能性も高いのだ。

それまでにどれだけたくさん勉強してきたかとか、そういうことで内容を理解できるかどうかなどで差が出るのです。

だから、いままで紹介してこなかった。副島氏の本は、バカが読むと床に叩きつけたくなるくらい気に入らない、てなことになるのである。いままでの本は、まぁほとんど全部そういう要素があった。

しかし、この本は良い。安心して勧められる。これならいいや。安心してみんなに「読んでごらん、おもしろいから。」といえる。つまり、「床に叩きつけたくなる」とかにならない。

そういう意味でお勧めなのである。

内容に関しては紹介しません。書店で手に取って確認して、読んでみたいなと思った人だけ読んでください。この人はほんとうにすごいです。

どうすごいのか、この本の最初の一ページの最初の三行と、最後の三行を引用する。

(引用開始)---------------
この本は、緊急出版の本である。私は、この本を本当にたったの一週間で書き上げなければならない。今日は、2004年3月9日(火曜日)だ。この本が、日本全国の主要書店の棚に並ぶのは、4月の初めである。
(中略)
私はたったの一週間で一冊書き上げて見せる。それでも私はこれまで一冊たりとも粗末な内容のいい加減な本を書いて出版したことがない。それは私、副島隆彦の本の読者になってくださった皆さんにはよくお分かりのことと思う。
(引用終り)---------------

ということです。

で、付け加えて副島本読者として言うなら、「その通り!内容の粗末な本など一冊たりともなかったぞ!」である。

一週間で本を書く。しかも品質に自信を持って。こんなことができる人間はザラにはいません。すごいです。私も一冊二冊は書いたことがあるのでわかる。一週間で一冊。とんでもないです。恐ろしいです。半端でなくすごいです。

で、私はもう何冊も副島さんの本を読んでます。だから保証しますが、どれもこれも世界レベルです。(この世界レベルというのがどういう意味かはちょっと解説が必要なんだけどなぁ。うーん。またいずれ書きます。)

副島さんは小室直樹の弟子であることを、この書籍の中でも言っておられますが、私は小室先生の書籍も、もう何冊も何冊も読ませていただいてます。とんでもなく勉強になります。小室先生も半端ではありません。

しかし、このあたり、いろいろな書籍を読んだり比較検討しつつ自分で確かめてこないと、結局は納得できないものです。「あーあの人のファンなのね」というような程度の理解しかできないでしょう。学問というのがわかってない人は、まぁそうなります。

そうじゃないんだよ。学問っていうのは証明されつつ進むもんなんだよ。この人たちは日々検証されながら進んでる人たちなんだよ。とだけは言っておきたい。ま、それも「検証」する意欲のある人間にしかわからんことですから、これ以上は言わない。

ということで、ここで私と副島さんのご本の出会いについてだけ、ちょっと書いておきます。そういう話の方がよっぽど意味があるので。

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阪神大震災の時、あまりに国が国民を見殺しにするような政策が多く、かつまたテレビで報道される国民の姿が、あまりにお上に忠実なのが気持ち悪く、「この報道を海外の人たちが見たらどう感じるのだろうか。金日成の葬式の泣き女みたいに"ヘンなの"と感じるのではないだろうか」という思いを持ちまして、私は英語の勉強をはじめたのです。

言っておきますが、その時で35才です。
しかも、「Itの複数形はIt’s?」と平気で言うほどのアホでした。
普通なら、もう間に合わん、というようなことでしょうけど、でも私は気持ち悪いのは嫌だったので、とにかくコツコツやりはじめた。

細目は省きますが、そこまで実力がないと、勉強しても実力はまったく進まないんです。ですから、なんとか効率的に勉強がしたくて、「英語の学習の仕方」というような本とか、その他参考書やテキストなどなど、何十冊も買っては読んだのです。

まぁそうだなぁ、当時で二十冊は読んだかなぁ。中学校の英語の参考書からやりはじめましたから。毎日一時間。赤ペン持って。

しかし、どれもこれも帯に短しタスキに長し。さして役には立たなかった。

その時、この副島さんの「道具としての英語 基礎の基礎」に出会った。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796616500/ref=sr_aps_b_/250-8146917-6509803

この人、予備校の英語の教師もされてましたからね。で、この本を読んだ。たまたまタイミングとか出会いが良かったということもあるだろうけれども、少なくとも僕は、この一冊で頭の中の霧が一気に晴れた。

そらもうね、この一冊でいきなりいろんな英文が、そうとう読めるようになったのですよ。

これはすごい。

以来、私はこの人の「英語の参考書」に関しては絶大な信頼を置くようになった。

で、この人がアメリカの政治評論の本も書いているのは知ってたんだけど、それは全然信用してなかったのね。英語の学習書に関しては絶大な信頼を置いてましたが、「アメリカの政治ィ? そらまぁ向こうの新聞とか直接読める人やから、そういうこともできるやろけどなぁ。まぁ眉唾ね。」という態度でありました。

が、しかし。その後数年して、副島さんの政治評論の本を何冊も読んで、副島英語本がどうしてあれだけ分かりやすくて役に立ったのかの理由が良くわかった。

半端じゃないんです。

欧米の500年にわたるヨーロッパ近代の歴史を、かの小室直樹から学び、学問=サイエンスとはどういう体系で組み上げられているのかを体得した上で、ヨーロッパ・アメリカの現在の社会の仕組みを政治構造から理解した上で、ひとつひとつの英単語の語源にまで遡った上で、把握して、そうして噛み砕いた上で、日本人にわかりやすく解説を書いていたから、副島英語本は役に立ったんです。

それが良くわかった。

逆に言うなら、こういう文化の厚みがわからなければ、英語などという異文化の言葉は理解できないのである。
そういうことだったんだと痛感したわけです。
それこそ痛感です。体にビシッ、です。

副島さんの本を読んだ上で、副島さんの視点からのアメリカ批判等を知った後では、各種のマスコミ等での世界情勢の記事とか批判とか、あまりに甘ちゃんで聞いてられないっす。
ましてや、そういう世の中の風潮に流されてる程度の意見とかは、もうアホくさい。

反米とか言うんなら、せめて副島レベルの知識を持った上で言え、だわなぁ。ほんと。

結局、副島さんの政治関連の書籍も10冊以上読んでますなぁ。全部面白かったし、素晴らしかった。半端ではありません。この本もあまりに面白くて2日で読んでしまいました。

そういう本です。

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