本日は「えべっさん」の日である。

他の地域の方々にはわからないかも知れないけれど、大阪における戎神社というのは、商売繁盛のお祭りであって、けっこう大賑わいのお祭りなのだ。

今年一年の商売繁盛を祈願して、笹の葉に飾り物をつけたものを持って帰る。(去年の笹は今年奉納する。)そういうお祭りで、大国町の戎神社は何千、何万という人出がある。

のだが。

今年は事務所が北の方に変わっちゃったので、どうせならと打ち合わせの帰りに堀川戎に寄る。

「えべっさん」と言っても、キタにはキタの「えべっさん」があるのである。

いやまぁ、大国町の「えべっさん」に比べれば、確かに小規模だけど、これはこれでなかなかに大したイベントじゃないか! と感心して帰る。

大阪は商売の土地柄とか言われているが、本当は違うのだ。「はたらくことは良いことだ」という土俗的な信仰があって、それに単に従っているというだけのことなのだ。

だから「儲け」を最優先するのではなくて、「はたらくこと」そのものを優先している。庶民が日々、汗水たらして体を動かし、泣いて笑って商品やサービスをやりとりする、その生活そのものを肯定しているのだ。

なので、五木寛之氏あたりが「大阪は商都と呼ばれているが、本当は宗教都市なのだ」という言い方をしているのが正解だろうと思う。

「えべっさん」のかけ声は「商売繁盛で笹持ってこい!」で、これに節をつけて、「しょーばい、はんじょで、ささもってこい!」と歌うようにみんなが唱える。

他の土地の人からしたら、「商売繁盛」という言葉からがめついイメージになっちゃうのかも知れないけど、そうじゃないんだよなぁ。本当は。いや、大阪人はみんな自分のことを「がめつい」と思ってますけどね、ほんとうは別にがめつくもなんともないんだよ。

「しょーばい、はんじょで、ささもってこい」ってのは、「商品やサービスをもっとやりとりして楽しく暮らしまひょ」というかけ声なのだ。そういう暗黙の了解があるからこそ、明るく笑ってみんなが唱和するのだ。

まぁ、そういう土地なんだよね、ここは。

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