ドーンと天神祭

2001年7月25日
この日は言わずと知れた天神祭り。

事務所が天満宮の近くなので、いっしょにやってるデザイナーさんチームは、少し前から松坂屋の屋上ビアガーデンを予約する。

ふだんは3000円で飲み放題なのだが、今日は6000円だってさ! ひぇ〜。僕は招待していただいたという形。

若いデザイナーさんたちは、だいたいビアガーデンというもの自体を知らない。「はじめてです」と喜んでたりする。いや、よろこぶようなものではないと思うぞ。

値段も高いので事務所の5人だけ。しかも男ばっかり。つまらないことはなはだしい。

で、天神祭りは基本的に船渡御がメインなわけですが、実は長年大阪に住んでいながら、天神祭りに出かけたことがなかったので、その肝心かなめのことがわかっておりませんでした。しかも、5人が全員初体験。

なので、船渡御のことも忘れて、花火を楽しみに出かけてまってた。そもそも、ここが間違い。ボーッと花火を待つものの、ポポンと上がって、10分くらいたって、やっと次のがまたポポン。ちーとも面白くない。

しかも、座席的には花火も見えにくい場所。なんだかすごくおかしい。「これで6000円?」なにかが間違っている。

どうもおかしいと思ったので、ビールを片手に屋上ビアガーデンをうろついて探索をはじめる。なんかおかしい。なにかが間違っている。

そう思って歩いていると、北東の角になにやら少々人だかりができている。なんじゃこりゃ。

見ると、「船渡御立ち見席」と書いてありまして「んん?」と思って行って見ると、これが大パノラマ!!!

大川を渡る船たちが全部上から見下ろせるし、大川沿いの南天満公園の木々の間からは夜店の光がぼんやりと漏れ、川沿いには松明がとうとうと輝く。

船から放たれる何百という風船がOMMビルに向かって立ち上っていくし、そこに時折花火が加わることで、はじめてそれら全体がひとつの、一大ページェントになってたわけなのですよ。

「ししし、しまった、花火はお飾りだったのだ!」とその時やっと天神祭りのメインディッシュは船渡御なのだと気付いたという次第。

船渡御のスペクタクルシーンに時折花火が加わるから、壮大なのであって、花火だけ見てても意味なかったのだ!!

実は、この飲み会の後に別のパーティーも控えていたので、そろそろ出る時間になってたのだけれど、この立見席の事を他の仲間たちに、知らせないわけにはいかない。

あわてて、席に戻り、「立ち見席ですよ、立見席がここのメインディッシュですがな。ほらほら立って、すぐ行かないと!」とけしかける。

けしかけるんだけども、すでにもうビールが入ってるから、みんないまいちノリが悪い「ええよ、ここで」とか言ってる。

あたりを見回すと、驚くなかれ、他のテーブルに座っている人たちも、ほぼ同じように何も見えないテーブル席でボーっとしてる。

なんじゃこりゃ?
こりゃ! 松坂屋! 立見席のことくらいちょっとはアナウンスせんか! とは思ったけど、立見席の場所ってすごく狭いから、そんなにたくさんの人は入れないのね。「わかってる奴だけ立ち見で見たらええやん。あとは知らん。」という、そういう仕組みなのであった。

もう、ほとんど手を引いていかんばかりの勢いで、「とにかく立ち見席にいかなあきませんがな」と連れて行くと、「ほおおおお、そうか確かに。花火は添えもんやったんや!」と納得してくださった次第。せっかく招待してもらってるんだし、このくらいはね。

あとで調べてみると、大阪の花火は市内なら平成淀川花火が最大で2万5000発。かの有名なPLの花火だと、なんと12万発。

でも、天神祭の花火は、たったの1500発なんだってさ。そら、花火だけ見ててもアカンわなぁ。

そんなドタバタがあって、ハッと気付くと次のパーティーのための連絡の時間が軽く20分は過ぎておりまして、そのために大変なことになってしまったのだけれども、それはここでは書かないのであります。

松坂屋! ちょっとは責任取れ! 無理か。とほほ。


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