今日は完全にマニアックな話題です。

ウクレレ好きの人なら、たいていみんな知っている、ウクレレの神様、ハーブオオタさんのビデオを購入した日であります。ハワイの人です。日系です。日本語はしゃべれます。けっこうなお年です。

で、説明するのが面倒なので、さらっと流しますけど、とにかく良いビデオでありました。なんつーかなぁ、単にこうやってこうやって弾いてまんねんというのを、ハーブオオタさんと、これまたウクレレ好きで有名なサザンの関口さんとの会話で進めていくというビデオなんですが、それこそ単にウクレレ好きの会話をそのままビデオに撮影しただけ、みたいな世界なので、たぶん興味のない人にはとてつもなくつまらないビデオだと思うんですが、ただそれだけのビデオに、見入ってしまったのであります。

解説のためのフリップも出て来ないし、カメラに向かって指の形を見せるとかもしないんです。ただ、オオタさんが関口さんに1フレーズずつ指づかいをやってみせて、「で、ここでD7sus4ね。」とか言ってるだけ。わからん人には、まーったくさっぱりわからん。というか、多少は知識のある人が見ても、わけわからんのです。どんな指使いしてるかとか。

なのにもう全然楽しい。早送りもなにもなしで、ただじーっと見てた。巻き戻しすらほとんどしなかったなぁ、もう見てるだけでうれしい。その空気が楽しい。細かいところはわからないんだけど、でも見ちゃう。あのパートがこんな指使いなのか、というのがぼやっとわかるだけでウキウキしてしまう。ウクレレ好きな人がウクレレ好きな人に教えている時間、空間、それ自体が楽しい。

で、ハーブオオタさんの演奏がまたよろしい。音だけ聞いてると「すごいとは思うけど、なんかギターみたいでおもしろくない。」とか思ってたんですが、ビデオで見ると世界がまったく違う。

「キャー、ワーッ! ウクレレ一本で、しかもあんな簡単な指使いで、あそこまで行けるの? そうなん? 知らんかった! キャー楽しい。おもしろそう! ああ、やりたいやりたい! 素敵ィィィ!」

という感じなんですね。

あー、わからんやろなぁ、一般の人にはこの感じ。

で、それに加えて。

いちおう教則ビデオの体裁をとっているので、ずーっとハーブオオタさんのソロだけを収録してあったんですが、最後に2曲、オオタさんとずっとコンビで演奏しているギターの人とのホテルでのミニコンサート風景が収録されてたんですね。

これがいい。
やたらといい。

名演奏ってわけじゃないんです。けっこう適当。ふたりの間で、ちょっとコードのズレとかもあるんじゃないの? って言うくらい。

なんですけどね、とにかくオオタさんも、そのギターの人も、心底楽しんでる。楽しんで弾いてる。コード体系とかが体に、指に入っていて、それが自由に引き出されていて、そのこと自体を楽しんでいる。

それも昔馴染みの合奏仲間がいて、あうんの呼吸でアドリブ入れたりとか。なんかねぇ、それがもう涙が出るくらい良かったですよ。いいなぁ、これ。

いや、たぶん、このあたりで感動する人って少ないと思うんですけどね。でも僕、ギターもウクレレもちょっとはかじってますから。その練習の向こうにこういう世界があるのかぁ、いいなぁみたいな、すごーく地続きのあこがれというかなんとかいうか。

いや、ハーブオオタさんの境地にはそう簡単にはたどりつけないんですよ。でも、その楽しんでいる心は同じというかなんというか。ああ、うまく言えない。

とにかく、私はたいへん幸せな時間を過ごしたのでありました。

以上。

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