今月もまた、ひと月に読んだ本をご紹介します。
8月に読んだのは、10冊。
●効率10倍 新・知的生産の方法
●任天堂Wiiのすごい発想
●110歳まで生きられる 脳と心で楽しむ食生活
●ワーキングプア 日本を蝕む病
●ワーキングプア 解決への道
●快適自転車ライフ
●ストップウォッチ勉強法
●脳を見える化する「思考ノート」
●脳が教える!1つの習慣
●エリートセックス
以下順に簡単に説明など。
-------------------------------
●効率10倍 新・知的生産の方法
書評済み。
「月10冊と50冊の差」
http://12917.diarynote.jp/200808081252550000/
を参照ください。
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●任天堂Wiiのすごい発想
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4827204187/503-1393334-5299133
ゲーム業界の内実紹介本。プレステが登場した前後は、この手の「ゲーム業界裏情報紹介ビジネス本」がたくさん出てましたねぇ。よく読んだものです。ずいぶん久しぶりに出てきたなぁって感じ。
Wiiの話ばかりかと思ったら、そうではなくて、この10年くらいのゲーム業界の大きな流れをざっくり紹介してる本で、まぁ知ってる事もかなり多かったので1日でサラリと読めました。
ゲーム業界の事をあまり知らない人にはお勧めですかね。
なんちゅうか、ゲームはするけどビジネス的な裏の話を全然わかってないゲームファンとかいてるから、そういう人は読んだ方がいいかも。
やっぱ単純に、スーファミ時代の任天堂は、あまりに殿様商売しすぎてたよねぇって思う。本当に。ちょっと引用してみましょう。
(引用開始)--------------------------
まず、ソフトメーカーに莫大な資金が必要だった。カートリッジ方式だったが、ソフトを焼き込む基板代とロイヤリティで2400円が任天堂の取り分となっていたという。6千円程度のソフトでこれだからソフトメーカーは厳しい。しかも前払い。しかも全量買い取り。しかもソフトメーカーが広告宣伝費や流通経費営業費も全て自前で負担しなければならない。任天堂は何もしない。
(引用終了)-------------------------
という事でしたからねぇ。だからカートリッジ方式はダメだっちゅうことで、CDで焼くプレステが出てきて成功したわけです。そら成功するよ。ねぇ。落語の「はてなの茶碗」のセリフ、「京都の人間はえげつないとは聞いてたけど、あまりに口銭(こうせん)のとりようが…。」という奴ですわなぁ。もうまるで落語のセリフそのままでんがな。
ま、このあたり、社長が岩田さんになってから随分変わったそうです。DSはいまだにカートリッジ方式だし、携帯ゲームはやはりカートリッジ方式が正しいと僕は思うのですが、さすがに家庭用ゲーム機のWiiの方はディスク方式に変わりました。基板代が多分何十分の一以下になってるだろうと想像されます。
でも、長い間、このソフトハウスに優しい、ディスク方式に移行ができなかったんよなぁ、任天堂は。そらボロ儲けしすぎてたら、簡単にはディスクには移行できまへんわなぁ。事業の収益構造そのものの変革をせなアカンわけですから。そら、ニンテンドー64が失敗するのも当たり前でおます。当然。
ともあれ、それでも任天堂は復活しました。その過ちから復活するまでをざっくり描いてるし、どこかに荷担した書き方ではなく客観的に描いてもいてるので、なかなか面白いです。ゲーム業界に興味のある方でしたらどうぞ。
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●110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/414088231X/503-1393334-5299133
著者の家森幸男さんという方は、世界中の長寿な地域の人たちの食事を研究して、食事と病気との関連を研究されてる方です。カスピ海ヨーグルトを日本に持ち込んだ人でもあるらしい。その方の書かれた食事と健康に関する書籍です。
その研究対象は、例のグルジア(実は長寿国として大変有名なのです。)から、マサイの戦士たちまで、実にワールドワイドです。中国の山奥の村まで調査にでかけておられますね。
その調査の方法も、科学的な定量性を確保するために、尿と血液を定量採って持ち帰り分析するという手法でありまして、「24時間の尿採取」をするために、専用の「しびん」を開発してるのがスゴイというか笑えると言うかですな。
ただまぁ、長寿と言いながらも、家森さんの研究対象は、日本人の死亡原因のうちかなりの率を占めている脳卒中の予防というところに限られているというか、「脳卒中の予防」を大前提とした研究なんだというのは、ちょっと頭に入れておかないといけません。
で、そういう大きなところでさっ引いて読んでみるに、まぁ塩分は取りすぎないように、というのが一つ大切な事で、もう一つは大豆のイソフラボンは、やはり、かなり健康に効果が高いらしいという事がわかりますね。
この方は、大豆イソフラボンの研究でも第一人者のようで、そのものずばり「大豆イソフラボン」という本も出しておられるようです。大豆イソフラボンがすごいというのを発見した人なんじゃないかなぁ。良く知らないですが。
まぁこまかな話は置いといて、けっこう面白い本でした。
しかし、いちばん面白かったのは、この大豆研究の基礎が、ごくごく普通の一般の主婦の人たちの募金がきっかけでWHOに認められて世界的な研究に発展したっていうところです。なんか「食事と健康って関係あるに決まってるわよ。そんな事も研究されてなかったの?それは主婦として許せないわ! プンプン」という主婦の憤りがこの研究を生み出したのではないか? と感じて面白かったです。ヒモつきではない研究をされたという事なんでしょうね。いやまぁ、実態はわからないけど。
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●ワーキングプア 日本を蝕む病
●ワーキングプア 解決への道
この本は書評済み。
http://12917.diarynote.jp/200808291343590000/
必読の書なので、ぜひとも読んでください。
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●快適自転車ライフ
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4007000476/503-1393334-5299133
ちょっと、いま、自転車が気になってるのです。
キチンとした、「走れる」自転車が欲しい。
そう思ったてので、前から勉強しなくちゃなぁと思ってたんですが、いったい誰の本を読めばいいのかがわからなかったわけです。
で、いろいろ人に話を聞くと、この疋田智さんの本が良いとは聞いてたんです。でも、なぜかきっかけがなくて読んでなかったんですね。
で、読まないままに「ま、とりあえずママチャリで通勤っちゅうのをしてみよう」と思って、この4月からやってたわけです。
詳しくは、
自転車ツーキニストになるまでの紆余曲折。
http://12917.diarynote.jp/200805231106010000/
を読んでいただくとして。
やってみると自転車通勤、かなり良いのですよ。たとえママチャリであっても。
でも、どうもママチャリだと距離が走れない。3㎞か、まぁせいぜい5㎞が限度なんじゃないの?というのがありまして。で、「良い自転車」「まっとうな自転車」を買いたくなってきたんですよ、私は。
で、たまたま、どこかのニュースサイトで、この「快適自転車ライフ」の著者の疋田智さんの記事が載っていて、そこのいろいろと自転車選びの基準とかがキチンと書かれてたんですね。
●エコ&健康&カッコイイ! ヒキタの自転車入門講座
http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/column/hikita/080729_bicycle/
この連載がかなり良いのです。「おお!これこそまさに私の求めていた情報!」と思った。
で、「自転車ツーキニスト」という言葉の生みの親という事もあり、前々から伝え聞いていたので、「やはりこの人の本から読むしかあるまい」と、この「快適自転車ライフ」を買って読んでみたわけであります。
いやー、素晴らしい。大正解でしたね。僕が知りたい事を、本当に丸々ていねいに書いてくださってるという感じ。
と言うことで、今は疋田さんのご著書にはまりまくり。連続して読んでおるのであります。来月の「読んだ本」では、疋田さんの本が数多く並ぶでありましょう。
で、この本において疋田さんは、「ママチャリまで含む自転車通勤」について書いておられるところが、とても好感が持てるのでありました。なんだかんだ言っても、日本においては自転車の入り口はママチャリになりがちですから。(でも実はママチャリこそが諸悪の根源という側面もあるのですが。そういう話は、またいずれ。これは多分絶対に書くでしょう。)
ちなみに表題の「快適自転車ライフ」は、本としてはおすすめしません。というのは、この本と同じ内容で、世の中の動きに合わせて、改訂して内容を修正、追加原稿もたっぷり入った、
大人の自転車ライフ
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4334783619/503-1393334-5299133
という本が気軽に買える文庫本で出ているからです。読むならこっちの方が絶対にお得。何にも知らないものだから、両方買ってしまったのであります。
自転車の話は、また書くことになるでしょう。はい。
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●ストップウォッチ勉強法
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4847017846/503-1393334-5299133
えー、今度また書きますけど、私、自分のモチベーションを高めるために、キッチンタイマーとストップウォッチを、よく使ってるわけなのですよ。
で、これがかなり効果が高いんですね。読書量を増やすとか、英語の練習をするとか、そういう時に、何かと効果的なんです。
で、この本はそういう話っぽいなと思って読んでみましたら、まぁ、その通りだったんですが、うーん、ただものすごくちゃっちいキッチンタイマーと記録用の手帳を付録に付けてるので、本の内容が薄い。
そこがかなり問題でしてねぇ。
これでは女性向け雑誌の付録の冊子という感じになってしまう。
いやまぁタレント本だし、そこまで期待しちゃいかんのでしょうが。
ともあれ、「ストップウォッチ勉強法」と、キチンと「やり方」の方に焦点を当ててるところは買います。理念だけを語っているのではないところはよろしい。
うーん。でもあんまりお薦めはしにくいなぁ。内容は良いのに、もったいないです。
で、そういう話とは別にキッチンタイマーによるモチベーションアップ、という手法は大変効果的です。それに加えてこの本でも書いている「記録する」というのもすごく効果は高い。なので、構造としては、かなり良い本になるはずだった存在、と言えるでしょうね。内容をビジネスマンにも使える物にアレンジするとか、いろいろ、もうちょっと暖めてから出せば良かったかも…だなぁ。
ひたすらもったいない本です。
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●脳を見える化する「思考ノート」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4828414487/503-1393334-5299133
で、その記録するとか、文字化するという事を、もっと気軽の手軽にやりましょう!という事を書いてるのが、この本。
「もっと、ノートに書き込みしましょう。ノートを脳の補助装置として使いましょう!」という本です。僕としては大変お薦めの本。
これは良い本なので、また改めて書きたいと思います。
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●脳が教える!1つの習慣
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062144700/503-1393334-5299133
この本も、かなりの良書。
勉強でもダイエットでも、何でも良いのですが、何かを達成しようとして、やり始めて、それがキチンと継続して結果が出るところまで続けようと思うのなら、まず最初の一歩を小さく小さく取りなさい、という事が書かれた本です。
この本はお医者さんが書いた本でして、お医者さんが太っている人に運動が必要だと言う場合に、「一日に○○kcal減らす運動をしなければいけませんよ。」とか言ってもダメなのだ、という事なんですね。
「テレビでも見ながら足踏み運動からでも始めてください。」というのが良いと。
そんな運動、ダイエット効果なんかほとんどありません。ないのですが、実際にはこういうものすごく小さな一歩から始めた方が、継続性や効果・結果につながりやすい、という話なんです。
まぁ、これもここでけっこう何度も書いてますけど、まず「最初の一歩を小さく」なんですね。それが達成感も味わえるし、自分の心の内面に潜む「変わる事への抵抗感」も小さくしてくれるから良い、ということなんですね。
これもまた、とても良い本で、得るところがものすごく多かったので、改めて書評を書きたいです。(書けるかなぁ。どうも良い本ほど書評を書いてない気がする。)
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●エリートセックス
ごぞんじ!(かどうかは知りませんが)AV(アダルトビデオ)男優の加藤鷹さんが書かれた本。
やはり、どんな世界でも「第一人者」になった人は違うよなぁと思わされる内容でした。
一番感銘を受けたのは「AV女優は、なぜAV女優になったのか」というところの説明。これねぇ、AV業界にいてる人とか、風俗ライターというような人でも、みんな「お金のため」って答えるんですよ。
たとえば、「AV女優100人にアンケート調査!」とかやって質問すると「87%が『お金のため』でした! やっぱりね。」とか書いてるわけです。まぁ僕なんかもそういう答えを見て「やっぱりね。」とか思うクチだったわけですが、やはりさすがというか鷹さんは違う。
「そんなもん、ひとりひとり理由は違うよ。」って事でした。AV女優さんたちがAV女優になった理由は、語り出すとものすごく大変なわけです。それこそ前に書いたゲーテの「幸せな家庭は一様に同じだが、不幸な家族はそれぞれに個性的だ」という話と一緒なようです。
ここでも何度も書いてますけど、やっぱりアダルトチルドレンなんですなぁ。親子関係とか、そういうのが心の内面で複雑化してしまってるわけです。だから「なぜAV女優になったのか」を語り出したら、とても大変で、そんな事をいちいちじっくり聞いてくれる人も少ないから(鷹さんは、本番前に彼女たちとじっくり話しをするのだそうですが)とりあえず誰でも納得しやすい「お金のため」とだけ答えることが多いと。そういう事なんですね。
ああああ、そういう事だったのか! って思いますわね。そら、アンケートの小さな解答スペースには書ききれませんわねぇ。そら「お金のため」って書くのが一番ラクだわなぁ。そうかぁ、そういう事だったのかと改めて納得でありました。
いや、実際、おそらく風俗関係に進んでる人(男女問わず)は、アダルトチルドレンの人は多いだろうなぁとつくづく思うのでありますよ。いやほんと。
加藤鷹さんは、そんなアダルトチルドレンの知識なんか全然持ってないけど、もう、言ってることは完全にACの話で、しかも! そのACへの対処の仕方までキチンと実践の中から見つけてるという感じです。
まぁ、すごい人はすごいと。そういう事ですね。はい。
僕としては先月読んだ、「人生は勉強より『世渡り力』だ」の世界に冠たる「痛くない注射針」を作った技術者、岡野雅行さんと同等の「トップの人」の匂いを感じました。
トップに立つ人は同じ匂いがあるなぁって感じ。
この二人を対談させても面白いだろうにとか考えてしまった。
通じるところはきっとあるはずやけどなぁ。うーむ。
ま、今月はこんなところでした。
8月に読んだのは、10冊。
●効率10倍 新・知的生産の方法
●任天堂Wiiのすごい発想
●110歳まで生きられる 脳と心で楽しむ食生活
●ワーキングプア 日本を蝕む病
●ワーキングプア 解決への道
●快適自転車ライフ
●ストップウォッチ勉強法
●脳を見える化する「思考ノート」
●脳が教える!1つの習慣
●エリートセックス
以下順に簡単に説明など。
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●効率10倍 新・知的生産の方法
書評済み。
「月10冊と50冊の差」
http://12917.diarynote.jp/200808081252550000/
を参照ください。
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●任天堂Wiiのすごい発想
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4827204187/503-1393334-5299133
ゲーム業界の内実紹介本。プレステが登場した前後は、この手の「ゲーム業界裏情報紹介ビジネス本」がたくさん出てましたねぇ。よく読んだものです。ずいぶん久しぶりに出てきたなぁって感じ。
Wiiの話ばかりかと思ったら、そうではなくて、この10年くらいのゲーム業界の大きな流れをざっくり紹介してる本で、まぁ知ってる事もかなり多かったので1日でサラリと読めました。
ゲーム業界の事をあまり知らない人にはお勧めですかね。
なんちゅうか、ゲームはするけどビジネス的な裏の話を全然わかってないゲームファンとかいてるから、そういう人は読んだ方がいいかも。
やっぱ単純に、スーファミ時代の任天堂は、あまりに殿様商売しすぎてたよねぇって思う。本当に。ちょっと引用してみましょう。
(引用開始)--------------------------
まず、ソフトメーカーに莫大な資金が必要だった。カートリッジ方式だったが、ソフトを焼き込む基板代とロイヤリティで2400円が任天堂の取り分となっていたという。6千円程度のソフトでこれだからソフトメーカーは厳しい。しかも前払い。しかも全量買い取り。しかもソフトメーカーが広告宣伝費や流通経費営業費も全て自前で負担しなければならない。任天堂は何もしない。
(引用終了)-------------------------
という事でしたからねぇ。だからカートリッジ方式はダメだっちゅうことで、CDで焼くプレステが出てきて成功したわけです。そら成功するよ。ねぇ。落語の「はてなの茶碗」のセリフ、「京都の人間はえげつないとは聞いてたけど、あまりに口銭(こうせん)のとりようが…。」という奴ですわなぁ。もうまるで落語のセリフそのままでんがな。
ま、このあたり、社長が岩田さんになってから随分変わったそうです。DSはいまだにカートリッジ方式だし、携帯ゲームはやはりカートリッジ方式が正しいと僕は思うのですが、さすがに家庭用ゲーム機のWiiの方はディスク方式に変わりました。基板代が多分何十分の一以下になってるだろうと想像されます。
でも、長い間、このソフトハウスに優しい、ディスク方式に移行ができなかったんよなぁ、任天堂は。そらボロ儲けしすぎてたら、簡単にはディスクには移行できまへんわなぁ。事業の収益構造そのものの変革をせなアカンわけですから。そら、ニンテンドー64が失敗するのも当たり前でおます。当然。
ともあれ、それでも任天堂は復活しました。その過ちから復活するまでをざっくり描いてるし、どこかに荷担した書き方ではなく客観的に描いてもいてるので、なかなか面白いです。ゲーム業界に興味のある方でしたらどうぞ。
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●110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/414088231X/503-1393334-5299133
著者の家森幸男さんという方は、世界中の長寿な地域の人たちの食事を研究して、食事と病気との関連を研究されてる方です。カスピ海ヨーグルトを日本に持ち込んだ人でもあるらしい。その方の書かれた食事と健康に関する書籍です。
その研究対象は、例のグルジア(実は長寿国として大変有名なのです。)から、マサイの戦士たちまで、実にワールドワイドです。中国の山奥の村まで調査にでかけておられますね。
その調査の方法も、科学的な定量性を確保するために、尿と血液を定量採って持ち帰り分析するという手法でありまして、「24時間の尿採取」をするために、専用の「しびん」を開発してるのがスゴイというか笑えると言うかですな。
ただまぁ、長寿と言いながらも、家森さんの研究対象は、日本人の死亡原因のうちかなりの率を占めている脳卒中の予防というところに限られているというか、「脳卒中の予防」を大前提とした研究なんだというのは、ちょっと頭に入れておかないといけません。
で、そういう大きなところでさっ引いて読んでみるに、まぁ塩分は取りすぎないように、というのが一つ大切な事で、もう一つは大豆のイソフラボンは、やはり、かなり健康に効果が高いらしいという事がわかりますね。
この方は、大豆イソフラボンの研究でも第一人者のようで、そのものずばり「大豆イソフラボン」という本も出しておられるようです。大豆イソフラボンがすごいというのを発見した人なんじゃないかなぁ。良く知らないですが。
まぁこまかな話は置いといて、けっこう面白い本でした。
しかし、いちばん面白かったのは、この大豆研究の基礎が、ごくごく普通の一般の主婦の人たちの募金がきっかけでWHOに認められて世界的な研究に発展したっていうところです。なんか「食事と健康って関係あるに決まってるわよ。そんな事も研究されてなかったの?それは主婦として許せないわ! プンプン」という主婦の憤りがこの研究を生み出したのではないか? と感じて面白かったです。ヒモつきではない研究をされたという事なんでしょうね。いやまぁ、実態はわからないけど。
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●ワーキングプア 日本を蝕む病
●ワーキングプア 解決への道
この本は書評済み。
http://12917.diarynote.jp/200808291343590000/
必読の書なので、ぜひとも読んでください。
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●快適自転車ライフ
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4007000476/503-1393334-5299133
ちょっと、いま、自転車が気になってるのです。
キチンとした、「走れる」自転車が欲しい。
そう思ったてので、前から勉強しなくちゃなぁと思ってたんですが、いったい誰の本を読めばいいのかがわからなかったわけです。
で、いろいろ人に話を聞くと、この疋田智さんの本が良いとは聞いてたんです。でも、なぜかきっかけがなくて読んでなかったんですね。
で、読まないままに「ま、とりあえずママチャリで通勤っちゅうのをしてみよう」と思って、この4月からやってたわけです。
詳しくは、
自転車ツーキニストになるまでの紆余曲折。
http://12917.diarynote.jp/200805231106010000/
を読んでいただくとして。
やってみると自転車通勤、かなり良いのですよ。たとえママチャリであっても。
でも、どうもママチャリだと距離が走れない。3㎞か、まぁせいぜい5㎞が限度なんじゃないの?というのがありまして。で、「良い自転車」「まっとうな自転車」を買いたくなってきたんですよ、私は。
で、たまたま、どこかのニュースサイトで、この「快適自転車ライフ」の著者の疋田智さんの記事が載っていて、そこのいろいろと自転車選びの基準とかがキチンと書かれてたんですね。
●エコ&健康&カッコイイ! ヒキタの自転車入門講座
http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/column/hikita/080729_bicycle/
この連載がかなり良いのです。「おお!これこそまさに私の求めていた情報!」と思った。
で、「自転車ツーキニスト」という言葉の生みの親という事もあり、前々から伝え聞いていたので、「やはりこの人の本から読むしかあるまい」と、この「快適自転車ライフ」を買って読んでみたわけであります。
いやー、素晴らしい。大正解でしたね。僕が知りたい事を、本当に丸々ていねいに書いてくださってるという感じ。
と言うことで、今は疋田さんのご著書にはまりまくり。連続して読んでおるのであります。来月の「読んだ本」では、疋田さんの本が数多く並ぶでありましょう。
で、この本において疋田さんは、「ママチャリまで含む自転車通勤」について書いておられるところが、とても好感が持てるのでありました。なんだかんだ言っても、日本においては自転車の入り口はママチャリになりがちですから。(でも実はママチャリこそが諸悪の根源という側面もあるのですが。そういう話は、またいずれ。これは多分絶対に書くでしょう。)
ちなみに表題の「快適自転車ライフ」は、本としてはおすすめしません。というのは、この本と同じ内容で、世の中の動きに合わせて、改訂して内容を修正、追加原稿もたっぷり入った、
大人の自転車ライフ
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4334783619/503-1393334-5299133
という本が気軽に買える文庫本で出ているからです。読むならこっちの方が絶対にお得。何にも知らないものだから、両方買ってしまったのであります。
自転車の話は、また書くことになるでしょう。はい。
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●ストップウォッチ勉強法
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4847017846/503-1393334-5299133
えー、今度また書きますけど、私、自分のモチベーションを高めるために、キッチンタイマーとストップウォッチを、よく使ってるわけなのですよ。
で、これがかなり効果が高いんですね。読書量を増やすとか、英語の練習をするとか、そういう時に、何かと効果的なんです。
で、この本はそういう話っぽいなと思って読んでみましたら、まぁ、その通りだったんですが、うーん、ただものすごくちゃっちいキッチンタイマーと記録用の手帳を付録に付けてるので、本の内容が薄い。
そこがかなり問題でしてねぇ。
これでは女性向け雑誌の付録の冊子という感じになってしまう。
いやまぁタレント本だし、そこまで期待しちゃいかんのでしょうが。
ともあれ、「ストップウォッチ勉強法」と、キチンと「やり方」の方に焦点を当ててるところは買います。理念だけを語っているのではないところはよろしい。
うーん。でもあんまりお薦めはしにくいなぁ。内容は良いのに、もったいないです。
で、そういう話とは別にキッチンタイマーによるモチベーションアップ、という手法は大変効果的です。それに加えてこの本でも書いている「記録する」というのもすごく効果は高い。なので、構造としては、かなり良い本になるはずだった存在、と言えるでしょうね。内容をビジネスマンにも使える物にアレンジするとか、いろいろ、もうちょっと暖めてから出せば良かったかも…だなぁ。
ひたすらもったいない本です。
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●脳を見える化する「思考ノート」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4828414487/503-1393334-5299133
で、その記録するとか、文字化するという事を、もっと気軽の手軽にやりましょう!という事を書いてるのが、この本。
「もっと、ノートに書き込みしましょう。ノートを脳の補助装置として使いましょう!」という本です。僕としては大変お薦めの本。
これは良い本なので、また改めて書きたいと思います。
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●脳が教える!1つの習慣
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4062144700/503-1393334-5299133
この本も、かなりの良書。
勉強でもダイエットでも、何でも良いのですが、何かを達成しようとして、やり始めて、それがキチンと継続して結果が出るところまで続けようと思うのなら、まず最初の一歩を小さく小さく取りなさい、という事が書かれた本です。
この本はお医者さんが書いた本でして、お医者さんが太っている人に運動が必要だと言う場合に、「一日に○○kcal減らす運動をしなければいけませんよ。」とか言ってもダメなのだ、という事なんですね。
「テレビでも見ながら足踏み運動からでも始めてください。」というのが良いと。
そんな運動、ダイエット効果なんかほとんどありません。ないのですが、実際にはこういうものすごく小さな一歩から始めた方が、継続性や効果・結果につながりやすい、という話なんです。
まぁ、これもここでけっこう何度も書いてますけど、まず「最初の一歩を小さく」なんですね。それが達成感も味わえるし、自分の心の内面に潜む「変わる事への抵抗感」も小さくしてくれるから良い、ということなんですね。
これもまた、とても良い本で、得るところがものすごく多かったので、改めて書評を書きたいです。(書けるかなぁ。どうも良い本ほど書評を書いてない気がする。)
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●エリートセックス
ごぞんじ!(かどうかは知りませんが)AV(アダルトビデオ)男優の加藤鷹さんが書かれた本。
やはり、どんな世界でも「第一人者」になった人は違うよなぁと思わされる内容でした。
一番感銘を受けたのは「AV女優は、なぜAV女優になったのか」というところの説明。これねぇ、AV業界にいてる人とか、風俗ライターというような人でも、みんな「お金のため」って答えるんですよ。
たとえば、「AV女優100人にアンケート調査!」とかやって質問すると「87%が『お金のため』でした! やっぱりね。」とか書いてるわけです。まぁ僕なんかもそういう答えを見て「やっぱりね。」とか思うクチだったわけですが、やはりさすがというか鷹さんは違う。
「そんなもん、ひとりひとり理由は違うよ。」って事でした。AV女優さんたちがAV女優になった理由は、語り出すとものすごく大変なわけです。それこそ前に書いたゲーテの「幸せな家庭は一様に同じだが、不幸な家族はそれぞれに個性的だ」という話と一緒なようです。
ここでも何度も書いてますけど、やっぱりアダルトチルドレンなんですなぁ。親子関係とか、そういうのが心の内面で複雑化してしまってるわけです。だから「なぜAV女優になったのか」を語り出したら、とても大変で、そんな事をいちいちじっくり聞いてくれる人も少ないから(鷹さんは、本番前に彼女たちとじっくり話しをするのだそうですが)とりあえず誰でも納得しやすい「お金のため」とだけ答えることが多いと。そういう事なんですね。
ああああ、そういう事だったのか! って思いますわね。そら、アンケートの小さな解答スペースには書ききれませんわねぇ。そら「お金のため」って書くのが一番ラクだわなぁ。そうかぁ、そういう事だったのかと改めて納得でありました。
いや、実際、おそらく風俗関係に進んでる人(男女問わず)は、アダルトチルドレンの人は多いだろうなぁとつくづく思うのでありますよ。いやほんと。
加藤鷹さんは、そんなアダルトチルドレンの知識なんか全然持ってないけど、もう、言ってることは完全にACの話で、しかも! そのACへの対処の仕方までキチンと実践の中から見つけてるという感じです。
まぁ、すごい人はすごいと。そういう事ですね。はい。
僕としては先月読んだ、「人生は勉強より『世渡り力』だ」の世界に冠たる「痛くない注射針」を作った技術者、岡野雅行さんと同等の「トップの人」の匂いを感じました。
トップに立つ人は同じ匂いがあるなぁって感じ。
この二人を対談させても面白いだろうにとか考えてしまった。
通じるところはきっとあるはずやけどなぁ。うーむ。
ま、今月はこんなところでした。
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